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【解説】『[新価値創出]コア技術を異分野へ! 〜既存技術から新たな価値を生み出す〜』 AIを使いこなす近道は、あえて「AIを使わない」体験にあり

先月、生成AIのワークショップを開催しました。参加者からは「AIはすごい」といった声が多く、非常に盛り上がりました。それはそれで、とても有意義な時間だったんです。

そして今月は、なんと真逆のアプローチをとることにしました。それが、『AI禁止』のワークショップ。自分たちの頭と手だけを使って、新しい価値を生み出してみよう、という企画です。

「なぜ、今さらアナログなの?」と思うかもしれません。確かに、AIを使った方が速いですし、多くのアイデアを得られます。実を言うと、このワークショップの最後には「このプロセス、AIならもっと効率的にできますよ」と種明かしをする予定です。

では、なぜ、こんな一見遠回りに思えることをするのでしょうか。


「効率」が奪う、「腹落ち感」という学び

答えはシンプルです。それは、「腹落ち感」という、あの「なるほど!」という深い納得感を体験してほしいからに他なりません。

ご存知の通り、AIは非常に高性能です。キーワードをいくつか入力するだけで、もっともらしい答えを大量に生成してくれます。まるで魔法の杖のようです。しかし、ここに落とし穴があります。あまりに簡単すぎるがゆえに、プロセスから得られるはずの重要な「学び」が抜け落ちてしまう危険があるのです。

苦労して方程式を解いた経験があるから、電卓のありがたみがわかる。自分の足でヒーヒー言いながら山に登ったから、ロープウェイからの景色がまた格別に見える。それと全く同じことです。

自分たちの本当の強みとは何か。この技術を他にどう使えるか。頭から煙が出るくらい考え、仲間と本気で議論を交わす。この一見、非効率な「格闘」の時間こそが、「そうか、これだったのか!」という、心の底からの納得感、つまり「腹落ち感」につながるのです。

AIを「相棒」にできる人、「魔法の杖」のまま終わる人

もちろん、AIを否定したいわけではありません。むしろ、積極的に活用すべきだと考えています。しかし、そこには明確な分かれ道があるのです。

自分の頭で考える「型」を理解している人は、AIを「非常に便利な電卓」のように使いこなせます。自分が何に困っているかを把握しているため、AIに的確な指示を出し、返ってきた答えの良し悪しを判断できるのです。

一方で、この「腹落ち感」がないままAIに頼ると、AIは「よくわからないけれど、すごい魔法の杖」のままです。出てきた答えをただ鵜呑みにするだけで、結局はAIに「使われる」状態から抜け出せません。

だからこそ、今回のワークショップでは、まずAIなしで、自分たちの力だけで「できた!」という成功体験をしてもらいたいのです。その苦労と達成感を、身体で覚えてもらう。その上で、「先ほどのプロセスで大変だった部分は、AIがあればこれほど効率化できますよ」と提示します。

この順番が重要です。こうすることで、参加者はAIを単なる「魔法」ではなく、「頼れる相棒」として捉えられるようになります。アナログな体験で得た「腹落ち感」こそが、AIを使いこなすための強力な土台となるのです。

AIが当たり前の時代だからこそ、このような一見、泥臭い体験が、逆に非常に大きな価値を持つとぼくは考えています。

あなたは、思考停止に陥っていませんか?AIが出した答えを、きちんと自分の言葉で説明できるでしょうか。

効率化の波に乗ることは、もちろん重要です。しかし、その波にただ流されるのではなく、乗りこなすための「体幹」、つまり『思考の体幹』を鍛えること。これからの時代、そちらの方がもっと本質的なのではないでしょうか。


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