売上は増えたのに、なぜ事務所経営が楽にならないのか~いまの働き方をあと10年続けられますか?
士業として独立して数年が経ち、スタッフを採用するようになり、
気づくと5人、10人の規模の事務所となれば立派すぎる成果です。
それだけの規模を維持するための売上を作り続けてきたのですから
経営者としては十分成功していると思います。
けれど、スタッフが増えたら手離れできる仕事も増えるかと思いきや
むしろ自分ばかりがますます忙しくなってしまっていると感じることは
ないでしょうか。
独立した頃は仕方がありません。
営業もする。
実務もする。
経理もする。
雑務もする。
全部自分でやるしかないからです。
しかし、スタッフを採用すれば状況は変わると心のどこかで期待を
していたかもしれません。
けれど、なぜか楽にならない。
むしろ以前より忙しく、それまで考えたことのない悩みが増えた。
そんな士業事務所の経営者は少なくありません。
▮人は増えたのに、仕事は減らない
スタッフが5人になれば、自分の仕事は5分の1になるのかというと、
現実はそう単純ではありません。
むしろ、
教える時間が増える。
質問に答える。
相談に対応する。
判断を求められる。
管理が必要となる。
トラブル対応が来る。
不満の声が上がってくる。
最終的にはなにもかもが自分のところに集まる。
気づけば、「一番忙しい社員が所長」という状態になります。
そして、課題は認識できているのに忙し過ぎてじっくり考える時間が
なく、そのまま時間だけが過ぎ去り、気づけば複雑に絡んだ糸をどこから
解けばよいのか途方にくれる。
これは珍しい話ではありません。
むしろ士業事務所ではよくある光景です。
一人でやっていた時とは考えをがらっと変えないといけない時が
来ているのです。
▮その働き方をあと何年続けますか

ここで少し厳しいことを言います。
もし今、
・自分が一番忙しい
・休日も仕事のことを考えている
・スタッフからの連絡が常に気になる
・長期休暇を取るのが怖い
・自分が倒れたら事務所が止まる
そんな状態であれば、それは事務所経営ではなく「自分自身を消費して
売上を作っている状態」かもしれません。
もちろん、それでも事務所は回ります。
来年も何とかなるでしょう。
再来年も何とかなるかもしれません。
しかし5年後、10年後はどうでしょうか。
体力は少しずつ落ちていきます。
年齢とともに集中力も落ちていきます。
子育てに時間を割きたい時もあるかもしれません。
親の介護や自分自身の健康問題が出てくることもあります。
それでも今と同じ働き方を続けるのでしょうか。
多くの士業事務所経営者は、「スタッフが増えたら楽になる」
と思っています。
しかし現実には、組織を作らなければスタッフが増えるほど忙しく
なることも珍しくありません。
だから私は、組織づくりとは事務所を大きくするためだけのものではなく、経営者自身が長く健全に働くためのものでもあると思っています。
▮人が育たないのではなく、任せられない

士業事務所の経営者からよく聞く言葉があります。
「人が育たないんです」
しかし詳しく話を聞いていくと、少し違う景色が見えてくることがあります。
スタッフが育っていないのでしょうか。
それとも経営者が任せられないのでしょうか。
顧客対応が心配。
品質が心配。
クレームが怖い。
だから結局、自分でやる。
その結果、
スタッフは経験を積めない。
育たない。
さらに任せられなくなる。
こうして悪循環が始まり、いつまで経っても経営者として取組むべき
ことに時間を割けなくなり、マネジメント不在の事務所経営に陥ります。
こういう話をすると、返ってくる言葉もあります。
「いやいや、スタッフに業務は任せているよ」
でも、案件をただ丸投げするのと任せることの本当の違いを理解されて
ない場合がほとんどかもしれません。
▮問題は能力ではなく構造にある
スタッフが悪い。
現場のリーダーが悪い。
最近の若い人が悪い。
そう考えることは簡単です。
しかし、本当にそうでしょうか。
同じような問題が何年も続いているなら、問題は個人ではなく
事務所の運営方法にあるかもしれません。
例えば、
誰が何を決めるのか曖昧。
評価基準は曖昧。
責任範囲も曖昧。
スタッフ育成も場当たり的。
こうした状態では、仮に優秀な人が入っても同じことが起き、
メンバーが変わっても問題が繰り返されるのです。
▮スタッフを増やす前に考えるべきこと
多くの士業事務所が、「人を増やせば解決する」と考えます。
これは事務所の成長や成果を売上を中心に捉えていて、とにかく
売上を増やして業務をこなしていれば何とかなるという考えが根底に
あることの表れです。
しかし実際には逆です。
組織が整っていない状態で人を増やすと、管理コストと問題ばかりが
増えます。
質問が増える。
教育にかける時間と手間が増える。
管理に手間がかかる。
トラブルが増える。
結果として、経営者はさらに忙しくなります。
だから必要なのは採用の前に組織づくりの計画なのです。
もっとも、お金さえあれば大概のことは何とかなるというのも
真実かもしれません。
ですが、組織作りに真剣に取り組まないまま業歴だけ重ねると、
看板は立派でも実は内部が崩壊している事例というのは山ほど
あるのが実態です。
▮事務所の成長を止めているもの
士業事務所の経営者は優秀です。
難関資格にパスした。
専門知識もある。
顧客からの信頼もある。
営業もできる。
そういう事務所は成長します。
しかし、ある規模になると成長が止まります。
なぜか。
経営者自身がボトルネックになるからです。
判断も所長。
営業も所長。
採用も所長。
教育も所長。
クレーム対応も所長。
これでは組織力ではなく、所長が頑張ることで成立している状態です。
▮真面目な経営者ほど陥りやすい
実はこの状態は、怠けている経営者には起きません。
むしろ真面目な経営者ほど陥ります。
責任感がある。
顧客を大切にする。
品質にこだわる。
スタッフの生活を守りたい。
だから全部抱え込んでしまう。
しかし、その結果、組織としての事務所の成長は止まります。
▮先生の事務所はどうでしょうか

もし、
・自分がいないと回らない
・判断が全部集まる
・現場のリーダーが育たない
・スタッフに任せられない
・売上は増えたのに楽にならない
そんな状態が続いているなら、問題は人材の質ではないかもしれません。
組織の作り方そのものに原因がある可能性があります。
皆が皆オーナー経営的な視点を持つべきという話をする気はありません。
職人的な事務所の経営者であっても、組織作りという観点を持たないと
事務所の成長から遠ざかっていきます。
▮最後に
士業事務所の経営に必要なのは、専門知識と実務対応能力だけでは
ありません。
人が育つ仕組み。
任せられる仕組み。
経営者が現場から少しずつ離れられる仕組み。
そうした組織の設計が必要になります。
私はこれまで、士業事務所の組織作りに関する相談を数多く受けてきて
本当に支援が必要な事務所さんにだけサポートをしてきました。
組織作りに悩む多くの経営者が同じことを言います。
「人の問題だと思っていた」
実際に状況を整理してみると、人ではなく組織構造に原因があったという
ケースは少なくありません。
そして厄介なのは、自分の事務所の問題ほど自分では見えないことです。
理由は毎日その環境の中で仕事をしているからです。
だから私は、士業事務所向けに「事務所の健康診断」を行っています。
採用や評価制度、AIツールの導入の話をする前に、
・なぜ所長に仕事が集中するのか
・なぜ人が育たないのか
・なぜ任せられないのか
・次に何から手を付けるべきなのか
を整理します。
昨今は士業向けに特化したサービスやコンサルの種類も増えました。
30年前から士業の世界に関わってきた立場からすれば隔世の感です。
業務効率化に役立つAIツール
WEBマーケティング
マーケット開拓のための営業手法
などなど
売上を増やしたい、業務効率を高めて、属人化を減らしたい。
そういう課題を解決してくれそうな商材が今は溢れています。
でも、そういうものを導入して本当に事務所として成長している
事務所さんは少数のような気がしています。
表に出てくる成功事例は切り取られたものかもしれません。
風邪なのか、骨折なのか、生活習慣病なのか分からないまま薬を飲んでも
治療にならないのと同じで、事務所の問題も原因を見誤ると改善しません。
もし今、
「売上は増えたが楽にならない」
「事務所の成長が頭打ちになっている気がする」
「何が問題なのか自分でもよく分からない」
そんな状態であれば、一度ご相談ください。
組織作りに万能薬はありません。だからこそ、まずは自分の事務所が
どの状態にあるのかを把握することが非常に重要です。
そのためのお手伝いができればと思います。
これからスタッフを増やそうとお考えの方や、組織作りに課題を感じている士業経営者の方に向けて、事務所の現状を客観的に整理する機会を提供しています。
採用を進めても大丈夫な状態なのか。どこに組織上の課題があるのか。自分では当たり前になっていて気づけない問題はないか。
そんな視点で事務所の状態を確認し、今後の方向性を一緒に考えます。
また、「他の事務所はどうしているのだろう」「うちの状況は普通なのだろうか」といった情報収集や壁打ちのようなお話でも構いません。
下記メールからお気軽にご連絡ください
hirahara.conatus@gmail.com
※しつこい営業等は一切行っておりませんのでご安心ください。
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