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「思い込み」をほどく。過去の記憶から見つける、自分だけの軸

他人の評価じゃなく、自分の記憶の中に答えがある。


1「大したことない」と見過ごしてきた経験

進路やキャリア、これからの生き方に迷ったとき、私たちはつい「他人に誇れる実績」や「履歴書に書けるスキル」を探してしまいがちです。

「自分にはこれといった強みがない」「何をやっても中途半端かもしれない」

そんな気持ちを抱えている方に、ひとつ伝えたいことがあります。あなたが見過ごしている過去の小さな経験の中に、これからを生きるためのヒントが隠されているかもしれないのです。

先日、人生すごろく「金の糸」を使ったワークショップに参加しました。そこで味わったいくつかの記憶と、仲間との対話から生まれた「気づき」が、世代を問わずキャリア選択に通じる大切な視点を与えてくれました。

2人生すごろく「金の糸」とは

人生すごろく「金の糸」は、日本キャリア開発協会(JCDA)の自己探索ツールです。すごろく形式で、参加者それぞれが過去の記憶や経験を言葉にしながら、仲間と対話を重ねていきます。

私たちが生きてきた中で経験したひとつひとつの出来事には、それぞれに意味があります。ワークを通じてそれらを語り、つなげていくことで見えてくる「自分らしさのつながり」を金の糸と呼んでいます。

過去を語ることで見えてくる金の糸は、これからの人生の方向性をも照らしてくれます。資格や肩書きではなく、自分の経験と感情の中に眠る「軸」を見つけるための場です。

ツール紹介

人生すごろく「金の糸」~golden thread~

JCDA(日本キャリア開発協会)が提供する自己探索ツール。ゲーム形式で過去の記憶を振り返り、仲間との対話を通じて「自分らしさ」のつながりに気づく体験ができます。体験会や購入方法は公式サイトへ。

→ 公式サイトで詳しく見る

3「打ち込んだこと」がないという呪縛

ワークショップの中で、「中学生時代に打ち込んだことは?」という問いがありました。正直、この手の問いが昔からずっと苦手でした。「何をやっても長続きしない」という引け目を感じていたからです。

卓球部に入ったものの2年生で行かなくなり、そのかわり姉の影響でなんとなくギターを弾き始めた話をグループに打ち明けたとき、予想外の言葉が返ってきました。

「それって、十分に打ち込んだことなのでは?」

ハッとさせられました。気づけば無意識のうちに、「打ち込む」=「部活を最後までやり遂げる」「大会で成果を出す」という、世間の基準を自分に課していたのです。でも誰かに強制されたわけでもなく、自分が惹かれて手を伸ばしたギターの時間は、紛れもなく自分にとって大切な経験でした。

進路に悩むとき、私たちは「成績」「肩書き」「資格」という外側のモノサシで自分を測ろうとします。でも自分の経験を過小評価しているのは、他ならぬ自分自身かもしれません。他者との対話を通じて経験の「意味」が生まれ変わるとき、世間の基準から解放されて、本当の自分らしさに気づけるのです。

4 効率やロジックを超えた「心の原風景」

今回の振り返りで、数十年ぶりに思い出した記憶がふたつあります。

ひとつは小学1年生のとき。虫に刺されて足が腫れ、歩けなくなった日、担任の先生が私をおぶって家まで送ってくれました。先生の背中越しに見えた、あのときの風景。

もうひとつは幼稚園時代。近所の子に悪さした(とされた?)ことで、母が相手の親御さんに頭を下げている切ない背中の記憶です。自分は「やっていない」と思っていたのに、母は謝っていました。

一見、仕事や進路とは関係のないワンシーンです。でも、じっくりと味わい直してみると、そこには自分の「ありたい姿」の原点がありました。

差し伸べられた温かい手への感謝。大切な人を悲しませたくないという想い。理不尽でも受け入れるしかなかった葛藤。

進路を選ぶとき、「どの道が効率的か」「どちらが得か」というロジックで考えがちです。でも本当にあなたを支えるのは、こうした古い記憶に映し出されている「自分が何を大切にして生きてきたか」という心の原風景、つまり人生の軸なのだと思います。

5自分らしさを見つける振り返りチェックリスト

就活に向けてエントリーシートや履歴書を書く前に、ひとりで、あるいは信頼できる誰かと一緒に、次の問いを自分に投げかけてみてください。

  • 「長続きしなかったこと」の裏で、実は自発的に始めて楽しかったことは何ですか? 成果や期間は関係ありません。

  • これまでの人生で「誰かに助けられて心が動いた記憶」はありますか? そのとき、どんな風景が見えましたか?

  • 数字や評価には表れないけれど、「あの瞬間は自分らしくいられたな」と思えるエピソードは何ですか?

履歴書を飾る立派なエピソードはいりません。小さな記憶をたどり、そのとき感じた感情を言葉にすることで、自分が大切にしている価値観や進むべき道の灯火が見えてくるかもしれません。

あなたの記憶の中に、ふと思い出す「誰かの背中の風景」や、他人に言われて初めて気づいた「自分らしさ」はありますか?

人生すごろく「金の糸®」は JCDA の登録商標です(商標登録第5683318号)。

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