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SunoAIの感想と未来の音楽業界について

まず感想

まず、SunoAIは不完全なSNSだが、先見性がある。

これ本質的には「歌詞を読むSNS」だ。
Sunoを通せばどんな駄文でも神曲になるから、
音楽自体はあまり評価軸にならない。
どんな歌詞で、どんなジャンル選びをしたかが主な評価軸だ。

たぶんどのユーザーも、曲はそこまで集中して聴いていないと思う。
結局みんな同じような曲になるからだ。雰囲気重視で聴いている。

さて、ここで類似するサービス「ピアプロ」が、
なぜ廃れてしまったのかを、唐突だが考えてみよう。

答えは単純で、Sunoは音楽を自動で作ってくれるからだ。
誰もピアプロのように、
「歌詞オンリー」「音楽オンリー」と独りよがりにならない。

まあ、むしろそこがピアプロの良い所で、
コラボレーションを促す良いSNSだったが、
結局知名度と腕に完全に左右されるようになってしまった。
今や皆、知名度の高いPに一切太刀打ちできない。夢がない。

それに引き換え、Sunoはみんな同じようなクオリティを出せる。
夢がある。ロマンもある。

まあ当然悪い部分もある。プロンプトをいかに凝ろうが、
AIによって「より大衆音楽っぽく」丸め込まれる。
だから、変わった音楽を作りたい人にSunoAIは向かない。

だが、Sunoにパンク精神がないのかと言われるとそうでもない。
ここはバランスで、
「大衆音楽に寄せつつも、ちょっと変わった曲」というのは作れるので、
それを主戦場としている人もいる。
こういうのはアルゴリズムの影響を受けづらいし、変わった物も作れる。

だがしかし、結局音楽は誰でも良いものを簡単に作れるから、
ユーザーは「毎日カレーを食っている」みたいな飽食状態になる。
だから、ユーザーは結局常に特殊なマーケティングに奔走する必要があり、
突き詰めて見ればプロンプト販売サイトとあまり変わらない。
そこが結局一番の問題だ。

しかも、DTMみたいにカスタマイズするStudioやEditor機能も、
結局はプロンプトエンジニアリング次第であり、楽しさがあまりない。
どんなに大衆音楽っぽいものを作ろうとした場合であっても、
やっぱり何か工夫を入れたいと思うことも多々あり、
しかもそれが実現困難だ。

SunoAIは未来を見せてくれる素晴らしいSNSだが、
ぶっちゃけまだ発展途上だし、表現性は微妙だ。
しかし、十分現代の音楽業界を急変しうる性能を持っている。

まあ、AIによる音楽生成の先駆けとしては上出来だろう。
多分プロのプロデューサーはそもそもSNSとして使わないだろうしな。

AIがどのように音楽業界を急変させるのか

割と、もう音楽作らなくてもいい雰囲気になってきている感は強い。
あとは民衆の理解次第であり、DTMを使わなくなる日も近いかもしれない。
生録のバンドミュージックの価値が今後上がっていくことだろう。

バンドミュージックの価値が高くなっていくだろうと思うのは、
実際にバンドを見に行って会えるか会えないかだ。
結局のところ、将来的な音楽の在り方は、
それがメインになると思っている。

逆に言えば、商業的に量産されていたような音楽というのは、
どんどんAIに代替わりしていくことだろう。
作者の顔が見えなくて問題ない音楽というのは、
今後どんどん淘汰されていくはずだ。

  • AIによって代替わりした量産型音楽を流し続けて気持ち良くなる人々、

  • 会いに行ける「パフォーマーとしてのアーティスト」を追いかける人々。

おそらく将来の音楽業界は、この2パターンに大分されるようになる。

だから、意外とDJは無くならないかもしれない。
DJ自身がパフォーマーだし、量産型音楽を選ぶか人間の音楽を選ぶかは、
DJの好み次第だからだ。
AIがDJのソフトウェア面を代替わりしたとしても完全に代替わりするには、
パフォーマーとしての体を持ち合わせなければ不可能だ。
またSonic Piのライブコーディングなんかも同じような側面を持っている。

もっと端的に言えば、
「誰が作ったかもわからないような音楽よりも、
 AIによる音楽の方が価値が上がる」

そういう時代が来るんだろうなと思ってる。
「無名 < AI < 顔の見える人間」そういう図式になる。

無名のアーティストの音楽が全て、
AIによって作られたという偏見まで蔓延する時代が来るだろう。

だが、別にライブハウスで直接会える必要も特にはないかもしれない。
VTuberという枠組みもあるし、それ以前にGorillazもあった。
最近はAIアバターまで登場している。
SNS上でその存在とコミュニケーションを取れるのなら、
それも「会える」のと同じだ。

DTMはどう変わっていくか。
おそらくは、Band in a Boxの上位互換みたいなものが今後大量に出回る。
そもそもDTMはAIが流行る前から自動化の波が押し寄せてきていた。
先述のBand in a Box、izotopeeMasteredSpliceChordify
そして現在はRipX DAWが台頭している。

DTMに必要な技能や知識は、
どんどんAI技術によって簡略化されていくだろう。
だから、DTMそのものは無くならない可能性は高い
SunoのようなAIはプロデューサーが使用するようになり、
細かい表現や風変わりな表現が必要なものは、
DTMでAIを使うことになるはずだ。

「DTMが出来るから凄い」と言われるような時代は終わる。
今、プログラミングがAIと共同作業できるようになっているように、
DTMもそれがプロ現場のスタンダードになる。

DTMはアーティスト活動ではなく、事務作業になる。

おわりに

まあ、そういうことなので。
今DTMに固執して、AIを拒絶している音楽家は、
プロデューサーになるか、パフォーマーを目指したほうがいい。

著作権問題は大した歯止めにはならんだろう。
Sora2がそれを体現している。

ただ、悲観する必要は全くない、と俺は思う。

どんな未来が来ても、人々はロックやパンクを追い求めて来た。
時代が変わってもその精神は変わらず生まれ続けるはずだ。

今、選択肢はこれらしか見当たらないが、
どうせまた誰かが新しい選択肢を見つけてくれるだろう。

それに実際、精神的・肉体的ハンディキャップを負った人々が、
現にAIを使って創作を再開した事例だって豊富に出てきている。

AIの進化は悪い事ばかりではない。
これは見方を変えれば、「音楽業界の民主化運動」だ。

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