【ネットハラスメント】第2話「遊びに変わった暴力:教室という密室」
(はじめに)
※このお話は、センシティブな事件をとりあげた実話連載シリーズです。
※𝕞𝕖𝕞𝕓𝕖𝕣𝕤𝕙𝕚𝕡 M's Family.以上のコースで読めます。また、TALESで試し読みも出来ます。
※自身の気持ち整理と、公開の少ない「いじめられる側の気持ち」を知り考察したい方のためにつづります。
※連載の最後には必ず今の明るい私に繋がりますが、共鳴からつらくなってしまう心配のある方は、そっと閉じ無理なく読んでくださいね。(前回までのお話)
固い決意、続けた努力、周囲の応援ーー
目標をつかみ取り、温かな雰囲気で始まった最高の高校生活が、ある日、突然空気を変えた…
(第1話)
【 第2話 】
静かな、標的
最初は、
「無視」だった。
話しかけても、返事がない。
目が合っても、すぐ逸らされる。
でも、笑い声だけは、確かにそこにあった。
(あれ?)
そう思う瞬間が、幾度もあった。
けれど、それを「気のせい」だと片づけるには、
私はまだ、十分に子どもだった。
…そんな、忘れられない一日。
夜、私は、湯船で決心していた。
明日、思い切って、理由を聞こう。
そして、謝って、和解しようと。
この時はまだ、それができる、と信じていた。
「なにか怒らせちゃったなら、ごめんね。
直したいから、理由を教えて……!」
翌日。
タイミングを見計らって、
ちゃんと言えたと思う。
友人のひとりが、ふと目を見開いて、
何かを考えてくれたのを確かに感じた。
が、仲間の笑い声で、その子の目にも
すぐに冷たい光が戻ったのも感じた。
「自分で考えな!
優しいふりして!騙されないよ!」
その子が、大きな声で、言った。
*
*
*
そのうち、
小さな“偶然”が、増えていった。
廊下で、ぶつかられる。
机の上に置いていた教科書が、汚れている。
ノートの端に、見覚えのない汚れ。
誰かが、笑っている。
でも、誰も何も言わない。
私は、
「嫌われているんだ」と思った。
理由は、分からない。
けれど、
理由があるなら、それはきっと、
自分にあるのだろうと。
だから私は、
何も言わなかった。
言えなかった。
言わないべきだと思った。
ただただ、言われた一言が何回も、
頭の中を反芻した。
(やさしい「フリ」ってなんだろう。
騙したことなんて、絶対ない。
私が休んだ時に、何が起きたの……)
聞きたくても、
自分で考えないといけないと思い込み、
答えの出るはずのない問題を、
自分だけで抱え込んだ。
涙は、流してはいけない気がして、
ぐっとこらえていた。
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