調整役 → 創造役へ——5 日でできる“スキル棚卸し”ワーク
「なんか、ちゃんとやってるのに、自分が“何者”なのか答えられないんだよな…」
会議では場を整え、誰かの発言を言い換え、議論を促す。
評価もされる。でも、ふとした瞬間に心が空っぽになる。
「で、あなた自身は何ができるの?」
そう問われたときに、言葉が出てこない。
それが一番苦しかった。
調整役は便利。でも、“あなたらしさ”は置いていかれる
会議の中で、誰かの案をうまく翻訳したり、チームの温度差を埋めたり。
確かに必要とされるスキルだ。でも、そればかりを繰り返していると、
「自分から出てくる言葉が減っていく」 感覚に襲われる。
他人の言葉を整えることに慣れてしまい、
自分の中の“熱”や“違和感”を置き去りにしてしまう。
そんなとき、心の中で呟いていた。
「私は、このままでいいんだろうか…」
“棚卸し”が必要なのは、スキルそのものじゃない
何ができるかを整理するスキル棚卸し。
よくあるフレームワークに当てはめれば、「ファシリテーション力」「調整力」「傾聴力」…と出てくる。
でも、それって履歴書用の言葉になってしまっていないか。
大切なのは、「あなたがどんな温度感で、どんな時に、どんな言葉を使ってきたか」。
つまり、経験の“文脈”と“感情”を取り戻すこと。
これをやらずに、「私は〇〇ができます」と言っても、誰の心にも響かない。自分の心にも、だ。
この5日間でやること
このワークは、たった5日間で終わります。
でもその中で、自分の中にある“過去の火種”が少しずつ見えてきます。
それは「自分の中の素材を、自分の手で発見する」体験です。
1日目:過去5年間の「印象に残っている出来事」を書き出す
・仕事でも、プライベートでもOK
・成功も失敗も含めて、心が動いた出来事を10個以上
「心が動いた」という感覚が大事。
達成したことではなく、記憶の中に“熱を持って残っていること”を集めていく。
書き方は箇条書きでも構わないが、できれば短くてもエピソード形式に。
2日目:「なぜ印象に残っているのか」を掘り下げる
昨日書いた出来事の横に、「なぜ、それが印象に残っているのか」を添える。
嬉しかった、悔しかった、驚いた、笑った、泣いた…
感情を軸に、言語化すること。
ここで、あなたの価値観が浮かび上がってくる。
誰かに認められた瞬間かもしれないし、納得いかないまま流された瞬間かもしれない。
その「心のノイズ」こそが、ヒント。
3日目:「そこで使っていたスキル」を言葉にする
印象に残る出来事と感情がわかったら、
次に「そこで自分がどんな力を使っていたか」を見つけていく。
ただのスキル名ではなく、「状況+行動」で書くと立体的になる。
例:
「意見がぶつかっていた会議で、両者の“感情”を丁寧に言語化し、合意点を見つけた」
「資料作成に入る前に、相手が“何に困っているか”を1時間ヒアリングした」
4日目:出てきたスキルに“ラベル”を貼る
一言でまとめると何か?を考える日。
それを「傾聴力」や「調整力」といった言葉に変換してみる。
でも、それだけで終わらせない。
その言葉を、自分らしい形に書き直す。
例:
「“場がぬるい時に、言葉で熱をつくる力”」
「“チーム内の“言いにくさ”を翻訳する通訳力”」
あなた自身の感覚に合ったネーミングにすることで、スキルが“自分のもの”になる。
5日目:棚卸しの中から、“未来に使いたいスキル”を選ぶ
最後に、自分が出してきたスキルたちの中から、
「これからも使っていきたいもの」「今後もっと磨きたいもの」を3つ選ぶ。
選ぶ=捨てることでもある。
何でもできる人ではなく、何を大事にしたい人かを言葉にする。
これが、創造役としての一歩目になる。
「自分の素材」は、探すのではなく“思い出す”
何者なのかがわからないとき、人は「新しい何か」になろうとしがち。
でも実際は、「すでにやってきたこと」の中にヒントが眠っている。
忘れてしまっただけで、ちゃんと経験してきた。
ちゃんと、心が動いた日々がある。
ちゃんと、誰かのために動いてきた。
その記憶を、思い出す。感情ごと、取り戻す。
それが“創造”の一歩目です。
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