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キャリアを「PL」と「BS」視点で棚卸しするとキャリアの方針が見えるよって話【キャリア3.0時代のキャリア経営戦略】


はじめに

皆さん、日々の仕事やキャリアについて考える時、つい「今の年収はいくら?」「この転職で待遇は上がる?」といった、短期的な成果にばかり目が行きがちではありませんか?

これはいわゆるキャリアをPL視点で経営している状態です。

もちろんそれも大切な視点ですが、私たちが人生という壮大なプロジェクトを経営していく上で、これからは長期的な「キャリアの資産(BS)」をいかに積み上げていくかがより重要になってきます。

今日は、経営戦略で使われる「PL(損益計算書)」と「BS(貸借対照表)」という会計の概念をキャリアに持ち込み、あなたのキャリアを「自分自身で経営する」ための思考法をお届けします。

今の時代において、個人のキャリア戦略は企業経営の形にかなり似てきている

1. 経営の世界における「PL」と「BS」の力関係

まず、一般的な企業経営において、PLとBSがどのように捉えられているかを見てみましょう。

PL(損益計算書)重視の経営:短期的な成果を追求

・特徴:
四半期ごとの売上や利益を最優先するスタイル。特に上場企業では、短期的な株価や投資家からの評価を意識しがちです。

メリット:
キャッシュフローが安定し、即座に結果を出せる。

デメリット: 研究開発や人材育成など、将来のための投資が「費用」として削られやすく、長期的な成長が阻害されるリスクがあります。

BS(貸借対照表)重視の経営:長期的な資産形成を重視

・特徴:
ブランド力、技術、優秀な人材、強固な顧客基盤といった「無形資産」を含めた、会社の基礎体力・競争優位性(Moat)を重視するスタイルです。

メリット:
景気変動に強く、持続的な成長と安定を実現しやすい。

デメリット:
短期的な利益が薄く見え、「収益性が低い」と評価されるリスクもあります。

近年の潮流:BS重視へのシフト

かつてはPL重視が主流でしたが、現代ではブランドや知財といった無形資産が企業価値の多くを占めるようになり、「いかに持続的な競争優位性を築くか」が問われる時代です。つまり、「PLを稼ぐためのBS経営」へと、多くの企業が舵を切っています。

2. キャリアを「PL」と「BS」で捉え直す

この経営の視点を、そっくりそのまま私たちのキャリアに当てはめてみましょう。

あなたの「キャリアPL」:短期的な成果とリターン

  • 収益: 年収、ボーナス、副業収入、短期的な評価や役職

  • 費用: 費やした時間、ストレス、精神的消耗、健康コスト

これは、あなたのスキルや経験を使って「今、どれだけ稼げているか」「どんなリターンを得ているか」を示すものです。

あなたの「キャリアBS」:未来を築くための資本

これは、あなたの「キャリア資本」です。

  • 人的資本: スキル、知識、経験、専門性

  • 社会資本: 人脈、信用、評判、コミュニティ

  • 金融資本: 貯蓄、投資、不動産

これらは、あなたの将来の市場価値を高め、持続的な成長を可能にする「基盤」となります。

キャリア資本の蓄積が、潜在的な「稼ぐ力」を規定する

3. なぜキャリア戦略は「BS重視」がセオリーなのか?

経営のセオリーが「PLからBSへ」とシフトしているように、キャリアにおいても「BS重視がセオリー」だと僕は考えています。

  • 短期PL重視型キャリア:

    • 目先の年収アップや待遇改善を優先。

    • 短期で年収UP重視での転職の場合、いかに現在のキャリア資本を使って稼ぐか?が重要。テーマはキャリア資本の効率的な換金化になるため、キャリアチェンジをする場合は「今やっている仕事/今持っている能力で最も稼げるところへ行く」が求められる。

    • 短期的な収入増は得られるが、同じことをやるので、キャリア資本は大きくなりづらく、将来的な市場価値が頭打ちになるリスクも。

  • BS重視型キャリア:

    • 新しいスキル、知識、経験、人脈への投資を優先。

    • いかにキャリア資本を大きくするかがテーマなので、未経験の領域や新しいチャレンジができる職場を探す転職になる。

    • 一時的に収入が横ばい〜下がる可能性もあるが、新たに獲得したスキルなどの掛け合わせで中長期で市場価値が大きく高まる可能性を秘める。

特に20代のうちは、目先のPLよりも、未来のキャリアを豊かにするBSへの投資が、圧倒的に「レバレッジが効く」時期です。

ただし! 企業経営と同じく、最低限のPL(キャッシュフロー)は不可欠です。生活費や家族の安心感といった「必要な収益」を確保できないと、そもそもBSに投資する余裕すら生まれません。

なぜ最低限のPLを確保する必要があるのかは、こちらの記事に詳細をまとめています。

4.キャリアチェンジの際に言語化しておくこと

上記踏まえて、転職含むキャリアチェンジを検討する際には、PL/BSどちらを重視してのキャリアチェンジなのかは整理しておくべきです。

稀に未経験領域へ転職したいが、年収はキープ or UPを目指したいという方がいますが、これはまさに上記が整理されていない状態といえます。

自身のキャリアを考える上で、下記の4つをちゃんと棚卸ししてキャリア戦略を作っていきましょう。

①PLでどのくらいのキャッシュフロー(年収)を作れば良いのか?
②何歳でその状態を実現するのか?
③現在自身が持っているキャリア資本でそれが叶うのか?
④足りない場合はそのために必要なキャリア資本は何か?
⑤必要なキャリア資本をどのうように獲得していくのが良いか?

これらのマトリクスを参照し、自身のキャリアは今どこにいて、これからどこを狙っていくのか?を考えていこう。

ここまで棚卸しできれば、副業の使い方もより具体的になります。
例えば、本業では会社の看板やお金を使わせていただきキャリア資本を増やすために時間を使い(BS志向)、副業で現在保有しているキャリア資本を換金化していく(PL志向)形(その逆もOK)など、自身の時間の投下先のポートフォリオをうまく設定していくことがキャリア設計においては非常に重要です。

5. キャリア経営の王道:「PLで食いながら、BSに全振りする」

優れた企業経営が「短期PLで食いつなぎながら、中長期ではBSに全振りする」戦略を取るように、私たち個人のキャリア戦略もまったく同じです。

  1. 「PLの確保」: 生活に必要な収入や待遇をしっかりと確保する。

  2. 「BSへの投資」: その上で、余剰時間やリソースを「未来の自分」への投資に回す。

    • 新しいスキルの学習

    • 異業種交流会への参加、メンター探し

    • 副業での挑戦(新しい経験値の獲得)

    • 健康維持への投資(長期的な生産性の源泉)

このバランス感覚こそが、目先の利益と未来の可能性を両立させる、キャリア経営の秘訣です。

最後に

キャリアは、まさに「自分株式会社」を経営するようなもの。

「今、どれだけ稼げているか(PL)」だけでなく、
「未来のために、どんな資産を積み上げているか(BS)」

この両軸で自分の現在地を把握し、戦略的に行動することで、あなたはもっと自由に、もっと強く、自分らしいキャリアを築いていけるはずです。あなたのキャリアを、一緒に理想の形にしていきましょう!

また次回の記事で、お会いしましょう!


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