キャリアの4象限フレームで『あなたに最適な働き方』を見つけよう【キャリアポートフォリオの考え方入門】
「あなたにとって仕事とは?」
葉加瀬太郎をバックミュージックに語る有名経営者が頭に浮かぶこの質問、実は私たちがキャリアを考える際にもとても重要な問いです。
以前の記事で、キャリアを縦軸と横軸で整理してみると、キャリアの軸が見えてくるよって話をしました。(まだ読んでない方は是非こちらから)
今回はその考え方をさらに発展させ、 「キャリアの4象限フレーム」 を使って、あなたのキャリアの現在地を診断しながら、理想のキャリアに近づくための第一歩を整理してみます。
このフレームを理解すると、
「天職」「ライスワーク」「ライクワーク」「消耗ワーク」という4つのタイプで自分の仕事を位置づけられる
自分にとっての最適なキャリアポートフォリオ(=複数の働き方の組み合わせ方)が見えてくる
といった実践的なヒントが得られるはずです。
まずは前回の記事を読んでない人のためにざっくりおさらいします。
あなたのキャリアを「縦軸」と「横軸」で整理しよう
有名な組織論である「ハーズバーグの二要因理論」をキャリアプランニングに当てはめ、キャリアを「縦軸」と「横軸」の2つで整理することを提案していました。

キャリアの縦軸(主に衛生要因→満たされないと不満足に繋がるもの)
年収、役職、企業規模など、定量的で客観的に測れる価値
生活の基盤を安定させるために必要な要素です
キャリアの横軸(主に動機付け要因→満たされると満足に繋がるもの)
やりがい、社会的意義、成長実感、裁量権など、定性的で主観的な価値
仕事の幸福度や満足度に直結する要素です
ざっくりいうと、幸せなキャリアを築くためには、この「縦軸」と「横軸」のバランスの取り方が非常に重要であることを書いています。
キャリアの縦軸と横軸の役割を認識する
さて、ここから本編に入ってもう少しだけ踏み込んだ話をします。

この縦軸と横軸のフレームをもう少し簡単に整理すると、
・縦軸 → ファイナンス
・横軸 → 自己実現
と、再整理することができます。

これらをベースに私たちが「仕事」と大きく括っているもののを捉え直すと、人生の中でのキャリアの役割がはっきりと見えてきます。
縦軸:ファイナンス
目指す生活に必要な資金を自身のリソースを活用してどう調達するか?
わかりやすく言えば、「お金を稼ぐこと」です。
「宝くじが当たったら仕事やめるんだ!」という方にとっての仕事は、ファイナンスの側面が大きいのではないでしょうか?
この場合の重要な観点は「時給の最大化」です。
自身のリソース=時間をお金に変えているので、いかに少ない工数でいかに大きなお金を稼げるかが非常に大きなテーマになります。
横軸:自己実現
自分の心が喜ぶ状態をどう実現するか?
ファイナンスと違って、楽しさ/夢中さ/社会的意義など自身が設定した軸の最大化がテーマになるので、上記で書いたように自身の心が喜ぶ状態とは?を深掘りしてテーマを設定していく必要があります。
仕事自体が楽しいパターン(授業を考えるのが好きな教師)もあるし、仕事の結果得られる結果(授業を通じて生徒が良い点数を取ることに喜びを感じる教師)に幸せを感じるパターンもあります。

あなたの仕事はどこにある?4つのタイプで現在地を知る
さて、この2つの軸を使って、私たちの働き方を4つのタイプに分類してみましょう。横軸に「自己実現」、縦軸に「ファイナンス」を置いたマトリクスを思い浮かべてみてください。

① 右上:天職 (Life Work)
特徴: ファイナンスと自己実現が両立している状態。仕事そのものに大きなやりがいを感じ、経済的にも満たされています。まさに「これをやるために生まれてきた」と思えるような仕事です。
状態: 充実感と経済的安定を両立し、公私ともに満たされた状態と言えるでしょう。
② 左上:ライスワーク (Rice Work)
特徴: ファイナンスが主目的の働き方。「ご飯を食べるため」と割り切り、収入を得ることを最優先します。キャリア相談をいただく中で最も多いのはこのタイプです。
状態: 生活は安定しますが、仕事自体に楽しみややりがいを見出しにくく、どこか物足りなさを感じるかもしれません。
③ 右下:ライクワーク (Like Work)
特徴: 「好き」を仕事にしている状態。やりがいや楽しさは大きいものの、経済的にはまだ不安定だったり、十分な収入に繋がっていなかったりします。
状態: 情熱を持って仕事に取り組めますが、「好き」だけでは生活が苦しいというジレンマを抱えることもあります。まだ売れてない芸人などがまさにイメージが近いと思います。
④ 左下:消耗ワーク
特徴: 最も避けたい状態。収入も低く、やりがいも感じられない働き方です。
状態: 心身ともに消耗しやすく、働くこと自体が苦痛になってしまう可能性があります。
現在地から理想の「天職」へ向かうには?
右上の「天職」の状態を目指す際には、それぞれの現在地から、どのように動けば良いのでしょう。
「ライスワーク」から抜け出したいあなたへ
まずは、今の仕事の中に「好き」や「得意」を見つけることから始めてみましょう。今までの業務を「苦労せずに大きな成果が出たもの」や「人からやたら褒められたこと」に着目しながら棚卸してみると、大きなヒントが隠れています。その際に大切なのは業務を「動名詞」で捉えて、共通項を見つけていくこと。転職ももちろん有効な手段ですが、この得意な動名詞をベースに、社内での役割を変えてみる、副業を始めてみるなど、小さな一歩を踏み出すことも有効です。
「ライクワーク」を「天職」に育てたいあなたへ
パターンは2つあります。
今やっていることをベースに稼げるようにするか、経済性の高いライスワークを作ってそちらで稼ぎ、残った時間で引き続き好きなことをやるかです。
音楽を作るのが好きな人も、解像度を上げていくと「音楽を使って自分を表現するのが好き」だった場合、変に稼ごうしてと「売れる音楽を作ること」に振ってしまうと、ライクワークだった「音楽をつくること」が一気に「消耗ワーク」に変わってしまう可能性があります。
自分が好きなのは何なのかの解像度を上げることから始めましょう。その際には改めて好きなことを「動名詞」に落としていきましょう。
「車が好き」な人には「車を改造するのが好き」な人もいれば、「車を運転するのが好き」な人もいます。これらは似ているようで、全く違います。
これらの解像度が荒いと、車を「改造する」のが好きなのに車を「売る」仕事についてしまい、「好きを仕事にしたはずなのになぁ。。」とぼやくことになります。

ここの解像度が上げ、「得意な動名詞」をどうやってお金に変えるか、という視点が重要です。自分のスキルやサービスが、誰のどんな課題を解決できるのかを明確にしましょう。ビジネスの視点を持ち、自分の「好き」を社会や他者への貢献に繋げることで、経済的な価値が生まれます。
「消耗ワーク」からは今すぐ抜け出そう
もしあなたが今この場所にいるなら、何よりもまずそこから脱出することを考えましょう。無理にやりがいを見つける必要はありません。まずはちゃんと稼ぐこと。「ライスワーク」を目指し、経済的な安定を確保することが最優先です。安定した基盤があって初めて、次のステップを考える余裕が生まれます。
なぜ稼ぐことを先に考えた方が良いのかはこちらの記事を参照ください。
重要なのはキャリアポートフォリオの設計
キャリア3.0時代の重要な前提は、仕事は一つじゃなくても良いという点です。そうなると、仕事を2つ持ち、1つはライスワークで時給の高い仕事をして必要なお金を稼ぎ、残り1つはライクワークで決して高くはないが、好きなことでお金を稼ぐことに挑戦をしてみるといったキャリアプランニングもありです。
実際僕の友人には、外資コンサルを辞めて地方へ移住し、週4は農業や釣りをしながら(ライクワーク)、週2でコンサル時代のスキルを活かして業務委託でお金を稼ぎ(ライスワーク)生計を立てている方もいます。
いずれも自身の時間というリソースを投下して何を得るのかが非常に明快なため、ライスワークではより短い時間で高い報酬を得られる仕事を、ライクワークではより自分の心が喜ぶことをやることで、キャリア全体で好きなことをしながら稼げている状態を作ることができています。
まとめ:あなただけの「働く」の最適バランスを見つけよう
仕事は、ファイナンスと自己実現という2つの役割を担っています。
大切なのは、この2つの軸のバランスを意識し、自分にとっての最適なバランスを見つけることです。
今回のフレームワークを参考に、自身の現在地を客観的に把握し、これからどんなキャリアを築いていきたいのかを考えるきっかけになれば幸いです。
あなたの人生は、あなた自身が主役です。自分らしい働き方で、充実した毎日を送りましょう。
ではまた次回の記事で、お会いしましょう!
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