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人生を大きく変える目標の作り方

「来期の目標は昨対120%でいこう」

会社において、よくある目標設定の会話だと思います。
ですが、こと個人の目標設計においては、この目標設計の仕方は根本から間違っていると考えています。

目標設計において最も重要な問いは、

「その目標を設定することで、今日のあなたの行動は目標設定前と比較してどれくらい変わりますか?」

です。

今日は、特に「個人の人生やキャリア」における目標設定について、私がずっと大事にしている考え方を書いてみようと思います。

最も重要なのは「変化率」

先に結論から言っちゃいます。

個人の目標において、達成率はどうでもいい。見るべきは「変化率」だけ。

ちょっと過激に聞こえるかもしれませんが、最後まで読んでもらえると「あ、確かに」と思ってもらえるはずです。

そもそも、目標は何のために立てるのか

私たちは何のために目標を立てるのでしょうか。
表彰されるため? 上司に評価されるため? ……違いますよね。

目標を立てる本当の目的は、「今の行動を変えること」です。

突然ですが、
「今から5時間以内に僕の地元である金沢駅まで来たら1億円あげます!」
こう言われたらあなたはどうしますか?

朝に東京の通勤電車でこの記事を読んでいる方は、もしかすると会社に「今日は体調悪いので休みます」と連絡してそのまま新幹線へ乗り換えて金沢を目指すかもしれません。

こんな行動、「5時間以内に金沢駅へ」「1億円Get」といった目標がなければ絶対に取らない行動だと思います。これこそが目標の効能です。

目標とは、未来の自分が今の自分と同じ行動をしていたら絶対に届かない地点に旗を立てる行為です。そしてこの旗が今の行動を規定します。

目標の価値は、達成した瞬間ではなく、それを掲げた瞬間から「行動が変わる」ことにあります。

ここを忘れると、私たちはとんでもなく勿体ない目標の置き方をしてしまいます。

人の目の前の行動は目標が規定する

目標に必要な要素

100km離れた地点へ1時間後に到着ことを目標にすれば、当然時速100km以上で走る必要があります。

今、車で時速50kmで走っている方へ「急げ!」と言って時速60kmにスピードを上げても、それじゃ足りないとなるのはこの2つが決まっているからです。

①どこに:100km離れた地点へ
②いつまでに:1時間後に

逆に言えば、この2つが決まっていないと今のスピードが適切か判断ができません。これが「30分以内に」となると、そもそも車じゃ難しいから、新幹線へ乗り換えるといった新しい行動が生まれるかもしれません。


「達成」と「未達」の罠

具体例で考えてみましょう。

あなたの今期の売上が1億円だったとします。来期の目標を立てるとき、多くの人はこう置きます。

ケースA:来期目標 1.2億円(前年比120%)

堅実です。現実的です。そして、日々の細かな改善を積み重ねれば、おそらく届きます。めでたく1.2億円を達成したとしましょう。達成率100%。素晴らしい。

……でも、ここで一つ残酷な事実があります。

この延長線上で、あなたが3億や4億、ましてや10億に届くことは、まずありません。

なぜなら、120%の目標は「今の行動の延長」で届いてしまうからです。行動が変わらないから、結果のスケールも変わらない。来年もまた1.2倍、再来年もまた1.2倍。悪くはない。でも、ゲームのルールは何も変わっていません。

では、こう置いたらどうでしょう。

ケースB:来期目標 10億円(前年比1000%)

正気か、と思われるかもしれません。実際、細かな改善をいくら積み上げても10億には届きません。届かないからこそ、あなたの脳は「今のやり方を全部疑う」モードに切り替わります。

「採用のやり方を根本から変えるか」 「単価10倍の領域に張るか」 「そもそも今の事業構造でいいのか」

今までなら考えもしなかったことを考え、試し、捨て、また試す。その結果、着地は4億円だったとします。達成率で言えば40%。未達です。

ケースA:1.2億円(達成率100% / 前年比120%)
ケースB:4億円(達成率40% / 前年比400%)

数字上は、Aは「達成」でBは「未達」。でも、結果として価値ある変化を作ったのは、圧倒的にBですよね。

3.6億円多く稼いだ人間が「未達」で、2000万円積み増した人間が「達成」。達成率というモノサシは、ときにこれほど本質を見失わせます。


大切なのは大きく変化すること

なぜ私たちは「届く目標」を置いてしまうのか

ここで多くの人が引っかかるのは、こういう感覚だと思います。

「いや、未達は普通に怒られるじゃないか」と。

その通りです。そしてここに、目標設定の最大の落とし穴があります。

会社における目標は、「達成しろ」という圧力とセットでやってきます。 達成すれば評価され、未達なら詰められる。だから私たちの脳は、いつの間にか「目標とは、達成してしかるべきもの」という前提で動くようになります。その結果、無意識のうちに「達成できる目標」を選んで置くようになるわけです。

組織の中ではこれは半分正しい。予算管理や評価制度がある以上、達成可能性のある数字には合理性があります。

でも——ここが今日一番伝えたいことです。

あなた個人の人生において、達成率なんて、誰も見ていません。

あなたが何%の目標を立てて、それを何%達成したか。そんなことを採点する人は、この世のどこにもいません。あなたの人生に残るのは、達成率という相対評価ではなく、「結果」と「成長率」という絶対値だけです。

5年後のあなたを形づくるのは、「立てた目標をきっちり守った回数」ではなく、「どれだけ大きく変化したか」です。

僕も体重は右肩上がりなので、ちゃんと変化を作りたい

「達成」ではなく「変化」を採点基準にする

個人の目標設定では、採点基準そのものを入れ替えてしまうことをおすすめします。

これまで:目標に対して、何%達成できたか(達成率)
これから:去年の自分に対して、何%変われたか(変化率)

このモノサシに切り替えると、目標の置き方が変わります。「達成できるか」ではなく「これを掲げたら、自分の行動がどれだけ変わるか」で目標を選ぶようになる。

そして面白いのは、変化率で生きている人ほど、長い目で見たときの「結果」も大きくなっていくということです。大きな旗を立て、そこへどう辿り着くかを必死で考え、たとえ届かなくても確かな変化を残す。そういう人が、この先の時代を生き残っていきます。

私自身、これまで掲げてきた目標の多くは、お恥ずかしながら「未達」です。でも、その未達の目標たちが私の行動を変え、結果的に去年の自分が想像もできなかった場所まで連れてきてくれました。達成できなかった目標にこそ、感謝しています。

さいごに

最後に一つだけ。

これは「会社の数字を無責任に盛れ」という話では決してありません。組織の予算には達成責任が伴いますし、それは当たり前に達成しましょう。(その上で高い目標をぶち上げるのは大賛成です)

今日の話はあくまで、評価者があなた自身しかいない「個人の人生・キャリア」の領域を想定したお話です。

その領域でくらいは、達成率という他人のモノサシを手放して、「去年の自分からどれだけ変われるか」という、自分だけのモノサシで生きてみませんか。

届かなくてもいい。大事なのは、その旗を立てた瞬間に、あなたの行動が変わるかどうかです。

さぁ、あなたはあなたの人生にどんな旗を立てますか。

また次回の記事で、お会いしましょう!


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