見出し画像

プロスペクト理論

人はなぜ損を避けたがるのか?

一見、とても論理的に意思決定と判断をしているように感じる我々人類ですが、実はかなり感情というものによって左右されています。

むしろそれが「人間らしさ」でしょう。

しかし、投資行動においてはこの感情が邪魔をします。

本来であれば回避できた・すべきだったはずの損失さえも引き起こしてしまいます。

自分の状態をしっかりと客観視できることが大切です。

ストーリーを読みながら自分に置き換えて考えてみましょう!


お得なクーポン、どうする?

お昼休み、太郎さんはお気に入りのハンバーグ定食(1000円)が 500円になるクーポン を持っていました。

しかし、店に行く途中でそのクーポンを 紛失 してしまいます。

クーポンを必死に探す太郎さんに、佐藤さんがこう言いました。

佐藤:「まあ、クーポンなしでも1000円で食べられるんだから、普通に買えばいいじゃん?」

太郎:「一気に食べる気なくした~~。」

太郎さんは 急にハンバーグを食べる気がなくなってしまいました。

めんどくさい奴だな~、とは思わないでくださいね?(笑)

実はこの行動心理はプロスペクト理論の「損失回避性」が起因しています。

人は「得したときの嬉しさ」よりも「損したときの悔しさ」のほうが強く感じます。

クーポンがないだけの話で、普段食べているのと同じ1000円を払う行為でも、「損をした」と思うと心理的に受け入れにくくなります。

この「損失回避性」で有名な例があります。

損失回避の法則

どっちの方が利益??

有名な2択の話があります。

【選択①】
選択肢A: 確実に100万円をゲット!

選択肢B: 50%の確率で200万円をゲット!50%の確率で何もなし!

どっちを選ぶ?

さぁ、あなたはどちらを選びましたか?

恐らくほとんどの方が、選択肢Aの確実に100万円をゲット!を選ばれたと思います。

だって確実に100万円もらえた方がいいじゃん!

そう思うのは自然です。

では、果たして選択肢Bの条件は悪かったのか?を考えてみましょう。

仮に当たった場合は、200万円をゲットできるので選択肢Aより多く利益を得られます。

仮に外れた場合は、何も得られませんが何も失ってはいません。

選択肢Bを選んでいても損をすることなかったはずです。

それでも選択肢Aを選んでしまうのは、心理的に確実に得られる利益を選んでしまうからです。

期待値で考える

この選択肢AとBを「期待値」で見直してみましょう。

選択肢A:100万円×1=100万円
選択肢B:200万円×0.5=100万円

どちらも期待値としては、同じ100万円です。

確率論的に考えれば、どちらも一緒となるのです。不思議な話ですね。

どちらの方が損失??

2択を選んでください。

【選択②】
選択肢A: 確実に100万円を失う!
選択肢B: 50%の確率で200万円を失う!50%の確率で何もなし!

どちらを選ぶ?

恐らくほとんどの方が、選択肢Bの50%の確率で200万円を失う!50%の確率で何もなし!を選ばれたと思います。

そう思うのは自然です。

では、果たして選択肢Aの条件は悪かったのか?を考えてみましょう。

選択肢Aは確実に100万円を失ってしまいますが、選択肢Bでは下手すると200万円を失う可能性があります。

仮に外れた場合は、一番大きな損失額となってしまうのになぜ選択肢Bを選んでしまうのか?

50%の確率で何も失わなくて済むじゃん!

そうですね。その理由で選んでますよね。

選択肢Aを選んで知れば、確実に100万円失いますが、言い換えればそれ以上失うことはない=損失を限定できたはずです。

それでも選択肢Bを選んでしまうのは、確実に損失を被ることを避けようとするためです。

期待値で考える

選択肢A:-100万円 × 1 = -100万円
選択肢B:-200万円 × 0.5 = -100万円

得られるわけでなく損失ですが、どちらも同じ-100万円です。

確率論的に考えれば、どちらも一緒となるのです。不思議な話ですね。

ここで、選択①を思い出してください。

100万もらえる確実性を選んだはずなのに、選択②で損失を選ぶとなると50%のギャンブルをしてしまう

なぜこうなるの?

冒頭でもお伝えしてしまってますが、人の心は損失の痛みが利益の喜びよりも強く感じるようになっています

感情への影響力は、100万円の利益<100万円の損失

この利益より損失のほうが精神的に作用することを「価値関数」といいます。

そして、確率的には同じなのに「あるかもしれない」という期待値が歪められてしまうことを「確率加重変数」といいます。

確立が低いにも関わらず、宝くじのように「もしかしたら一等が当たるかもしれない!」という期待感から、本来の期待値に感情を混ぜて判断してしまうんです。

選択①・②からわかること

プロスペクト理論とはつまり、何かを得るときはリスクを避けるのに損失を回避するときはリスクを取ることを証明しています。

ここで条件を加えるともっと面白いことが起きます。

【選択③】あなたは現在、借金が200万あります。
選択肢A: 確実に100万円もらって、残債を100万にする!
選択肢B: 50%の確率で200万円をもらって借金チャラに!もしくは50%の確率で借金200万はそのまま残る!

恐らくほとんどの方が、選択肢Bの50%の確率で借金チャラor借金200万円そのままを選ばれたと思います。

そう思うのは自然です。借金チャラにしたいですもんね。

お気づきになられましたね?

これは選択①と得られる利益は同じです。

それなのに、今度はリスクを取ってでも200万円を得たい!と選択がBへ変化したのです。

人は平常から利益を得るときはリスクを取らないのに、借金など損失があるときはリスクを取りやすい。この傾向がプロスペクト理論の本質です。

さて、理屈がわかったところでこれがFXトレードにおいてどんな影響を与えるのか、ここからがトレーダーが押さえておきべき中心部です。

ナンピン買い

ナンピン(難平)とは、保有しているポジションに対し、相場が逆に動いた場合に、ポジションを追加して平均取得単価を下げる取引手法です。

ナンピン買い

・1回目の買いポジション:152円
・2回目の買いポジション:150円
・買ったポジションの売り:151円以上

1回目の買いを152円でエントリー、保有したまま価格が下落。

2回目の買いを150円でエントリーすることで、平均取得単価を151円に下げることができます。

相場が予想通り上昇してくれると、含み損が解消されやすくなります。

また、ポジション数が増えているため、151円時点で含み損は解消されますし、価格が上昇を継続してくれると利益はさらに大きくなります。

しかし、ここで注意が必要なのは、価格が下落し続けた場合は、含み損が余計に拡大するということです。

この買い方を真逆に売り方で行うことはナンピン売りになります。

【ナンピンのメリット】
・平均取得単価を下げることができる
・損失を抑えられる可能性が上がる
・利益がさらに大きくなる可能性がある

【ナンピンのデメリット】
・損失がさらに大きくなってしまう

・証拠金維持率が低下、ロスカットしやすくなる
・心理的負荷が余計にかかる

これらを理解して証拠金とロット数をしっかり管理して長期ポジションで取引するならいいと思います。

しかし、先程のプロスペクト理論の本質でお伝えしたことをそのままやってしまうとどうなるのか。

1回目の買いポジションでは、確実性を選んで買う。

まずここまではいいでしょう。

2回目の買いポジションは、含み損を抱えている(借金がある)状態での買いなので、含み損がなくなる事(借金チャラ)を期待して、買ってしまう。

証拠金に対して最大で抱える含み損やリスクを想定できた上での買いなら問題ありませんが、リスクを取ってでも解消したい心理が働き、ギャンブル性が上がってしまう可能性があります。

「予想通りの場合」
予想通りに価格が上昇して、含み損解消(借金チャラ)、または利益になる。

結果オーライです。

しかし、ここでの成功体験が脳にインプットされてしまうデメリットがあります。

”ナンピンすれば大丈夫”と認識してしまうと、リスクを追うことに対して抵抗が薄くなってしまいます

これは投資行動としては危険です。

「予想に反したの場合」
予想に反して、価格が下落を続けてロスカット。口座資金を失う。

期待した買いを2回も裏切られ、資金も失ったことで心理的負荷がとても大きくなります。ショックですよね。

ここで失った資金を負債と考えた場合、次にとる行動はどうなりますか?

そうです。

最初のエントリーからリスクを取って資金回収しようとしてしまう。

こんな行動を取ってしまうリスクが出てくるのです。

計画的ではないナンピン手法はどんどんドツボにハマっていく危険性があるので、初心者の方には基本的におすすめしません

どう対策したらいいの?

ここで選択②を思い出してください。

フラットな状態で冷製に考えれば、「損失を限定できる」とお伝えさせていただきました。

つまり、【損切を決定して守る】ことが、重要になってくるのです。

仮にこう考えてみてください。

①152円で買い、151円で損切、153円で利確=価格幅1円分に限定
②150円で買い、149円で損切、151円で利確=価格幅1円分に限定

単ポジションで損切と利確を決めておくとこうなります。
では予想通りに価格が動いたとしましょう。

①151円で損切、損失は価格幅1円分
②151円で利確、利益は価格幅1円分
⇒利益ー損失=ゼロ(借金チャラ)

結果的に、チャラになりました。

逆に予想に反して価格が下落した場合も、最大損失は価格幅2円分で済みます。これはナンピンした場合の最初のポジションが152円から150円に下落し含み損抱える額と同額です。

それどころか、ナンピンの場合は150円よりも下落した場合はさらに2ポジション分の損失が増え続けます。

でも、うまくいったら2ポジション分どんどん利益が増えてくじゃん!

仰ることもよくわかります。

ですが、現実を受け入れることを忘れています。

【最初のエントリーは予想に反して価格が下落している】

ということです。

投資家に必要なこととして、事実を受け入れて適切な処置を取ることは避けて通れません。

許されるとするなら、予想通りに価格が動いてポジションを積み増していくならまだ全然ありです。

感情に左右されずに戦略的な利確と損切を決定して、ルールを守ることがとても重要だということですね。

まとめ

今回は「プロスペクト理論」という心理的な状態をしっかりと理解することで、感情的なトレードや暴走をしないための学びが得られたら、記事を書いた意味があるかなと思います。

この記事が読者様のトレードライフに少しでも良きものとなることを願っています。

ではまだ、違う記事でお会いしましょう!さようなら~👋

ここから先は

0字

気づけば、誰かのスケジュールで生きている 朝、目覚ましに起こされ、 会社まで車を走らせ、 決められた…

自由に選んで生きたい

¥1,000 / 月

FX/BO(バイナリーオプション)についての無料・有料記事(※有料は一部) ・テクニカル分析 ・ファンダメンタル分析 ・メンタル管理…

FXトレード

¥1,000 / 月

FXについての無料・有料記事 ・テクニカル分析 ・ファンダメンタル分析 ・メンタル管理 ・資金管理 ・トレード理論 ・自動売買(EA) …

FX/BOトレード(GOLD)

¥10,000 / 月

FX/BO(バイナリーオプション)についての全記事 ・テクニカル分析 ・ファンダメンタル分析 ・メンタル管理 ・資金管理 ・トレード…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?