初めてのマルシェで学んだこと
初めてマルシェに出店した日のことを、今でもよく覚えています。
朝早くから準備をして、何度も作品を並べ直しました。
「売れたらどうしよう」
そんな期待と、
「もし一つも売れなかったらどうしよう」
という不安が入り混じっていました。
開場時間になると、お客様が少しずつ増えていきました。
私は椅子に座りながら、自分のブースの前を通る人たちを見ていました。
立ち止まってくれる人もいました。
作品を手に取ってくれる人もいました。
でも、そのまま戻されることがほとんどでした。
最初の数時間は一つも売れませんでした。
正直、焦りました。
「値段が高いのかな」
「デザインが良くないのかな」
いろいろ考えました。
でも、お昼を過ぎた頃、一人のお客様が作品を手に取ってくださいました。
そして、
「これ、素敵ですね」
と声をかけてくださったのです。
私は緊張しながらも、作品について話しました。
なぜこのデザインにしたのか。
どんな場面で身につけてほしいのか。
素材へのこだわり。
ほんの数分の会話でした。
すると、そのお客様は笑顔で作品を購入してくださいました。
その瞬間、売れたこと以上に嬉しかったことがあります。
それは、自分の想いが誰かに伝わったことでした。
マルシェは作品を並べる場所だと思っていました。
でも実際は、人と人が出会う場所だったのです。
どれだけ素敵な作品でも、想いが伝わらなければ届かないことがあります。
逆に、想いが伝わることで作品の魅力が何倍にもなることがあります。
あの日の経験は、今でも作品作りの原点になっています。
売上は大切です。
でも、それ以上に大切なのは、作品を通して誰かとつながることなのかもしれません。
だから私は今もマルシェが好きです。
作品だけではなく、自分の想いも届けられる場所だからです。
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