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チプカシ、散る。

時計を拭いていたら、ベルトが外れた。

「あ、ピンが抜けたかな」

そう思った次の瞬間。

根元がポロッと欠けた。

金属だと思っていた部分は、よく見ると樹脂だったらしい。
思ったより柔らかく、そしてあっけなかった。




愛用していたチプカシ。

2,000円ちょっとで買った時計なのに、仕事でも普段でもほとんど毎日つけていた。

デザインも軽さも気に入っていたから、少しショックだった。




とはいえ、不思議と引きずらなかった。

「よく働いてくれたな」

そんな気持ちの方が強かった。

値段が安かったから、ではなく、
十分元は取ったと思えたからかもしれない。

代わりにG-SHOCKをつけて仕事へ。

丈夫で頼もしい。

……でも、重い。

たった数十グラムの違いなのに、手首は正直だった。

壊れて初めて気づく。

チプカシの魅力は、値段ではなく「軽さ」だった。

今、新しいチプカシを買うか、それとも別の一本にするか。

そんな時間も、案外嫌いじゃない。

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