声が枯れるまで
緑のユニフォームに身を包み、緑のメガホンを叩き、大きな声援をおくる。
「GO!STORKS!」
声が枯れるまで。
少し前からは信じられない。それはもう、世界が変わったくらいの感じ。
こんなにもバスケに、神戸ストークスに、ハマってしまうとは。
運動嫌いとスラムダンク
そもそも、運動が苦手だった。
苦手なので、スポーツというものが嫌いだった。球技なんか特に。
そんな中でもバスケットボールはもっとも遠い存在だった。
雰囲気的に「これあんまりは好きじゃないな」という気がしていたのだ。
バスケ部に友だちもいなかったし、スラムダンクはヤンキー漫画だと思っていたし、バスケ自体に排他的な空気を感じていたから。
なので、大人になりたとえ運動嫌いでも「観る」という楽しみがあるやん!ということにやっと気づいてサッカーや野球は観にいっても、バスケだけは選択肢にもあがらなかった。
そういえば8年程前、チケットをもらったという友人に連れられて、一度だけBリーグの試合を某アリーナまで観に行ったことがある。
とにかくたくさんビールを飲んで帰ってきた。そういう記憶だ。
それがなぜ、今アリーナに通い、時間があればバスライを見ているのか。
神戸という街で
生まれも育ちも神戸、そして今もずっと神戸に住んでいる。
神戸という街に対して47年分の愛着はある。
1995年の地震のとき、わたしは高校1年生だった。坂を登りきったところにある学校の屋上から、青いビニールシートに覆われ変わってしまった街と変わらない穏やかな海を眺めていた。あの悲しさとか喪失感とか、絶望感とか、悔しさとか、生き残ってしまった罪悪感とか。
どう説明すればいいのかわからないけれど、あの時、この街をずっと好きでいると決めたんだと思う。
それから30年の時が経ち、海辺に新しいアリーナができた。
そう。1番のきっかけは、GLION ARENA KOBEだと思う。
10月に2025−2026シーズンが始まり、満を持してアリーナへ足を運んだ。
そのはじめての観戦体験が、とにかく最高に楽しかった。楽しかったでは足りない、熱くなったというのか。
30年前からこの街に対して抱いてきたあの想いも、掬いとってもらえる気がしたのだ。
大人になったわたしにできること
大人になってよかったと思うことは、自分の力でお金を稼いで、自分の意思でお金を使えるところだと思っている。厳しい時代だけれど、だからこそ、何にお金を使うのかは、応援の気持ちそのものだと考えている。
ビールを一杯のんでは「これも応援!」と満足し、グッズをひとつずつ買っては「小さなことからコツコツと!」とうれしくなる。
大人になってできることは増えたけれど、わたしができることひとつひとつはとても些細なことだ。
些細でも、小さくても、自分のため+αがあることを意識したい。
神戸がにぎわい、うるおい、活気づくこと。
たぶん30年前にそんなのもう無理に決まってると思って泣いたこと。
今、大人のわたしたちにできることは。
バスケットゴールと縁
アリーナに足を運ぶより少し前、去年の夏頃に、よく行く公園にバスケットコートができた。そこで、バスケットゴール倍増計画というものがおこなわれていることを知った。
夫は元バスケ部なので、そのコートを発見した時、その足でボールを買いに行ったそうだ。
羨ましくなり、わたしも白とグリーンのかわいいボールを買ってもらって、今は夫と二人でバスケしている。中学校の体育の授業ぶりにボールをさわっているが、これが本当に楽しい。へたっぴだけど、すごく楽しい。47歳にして、バスケはじめました。
下手なりに自分でもやるようになって、さらに観るのも楽しくなっている。
良いなあと思うのは、そのコートにたまたま集う人同士、声かけあったり譲り合ったり、一緒にやったり、顔見知りになったりすることだ。
わたしたちは平日の朝早くにいくことが多いので、同年代以上のおじさまと黙々とシュート練習したりすることが多いけれど、休日にいくと、若いパパと小学生のこどもや、バスケ部の中学生なんかとも会う。
そして声をかけ合う、笑い合う。
みんなボールを持ってるだけで、自然とコミュニケーションがうまれる。
わたしが「バスケは排他的だ」と思っていたのは一体なんだったのか…?
ストークスが運んできたもの
新しいアリーナ、B2優勝をねらえる強いチーム。
それは本当にきっかけなんだと思う。
神戸ストークスは今、この先も、たくさんの人や物事とつながる縁を運んできてくれているのだと思う。わたしにとってそうだったように。
2年後のオールスターゲームが神戸で行われるのをとても楽しみにしている。たくさんの人が神戸を訪れて、山と街と海があって風が吹いているこの神戸を好きになってほしい。たぶんわたしは(もしかしたら試合などは観ずに)ずっと街をうろうろしているだろう。
そして、きっとバスケが好きな人がそぞろ歩いている街をみてうれしくなるだろう。
「今シーズン、月1回くらいはGアリ行きたいねー」なんて話していたのに、ホームゲームの半分くらいはクリアできそうな予定。
ありがたいなあと思う。本当にありがとう、と思う。
神戸に誇りを運んでくれて、また誇りに思えるようにさせてくれて、ありがとう。
声が枯れるまで。
Let's go STORKS!
