夜の思考整理 No.068主人公は自分。だから、明日の支度をする。

水曜日の夜。

週の真ん中、少しずつ溜まってきた日常の疲れを、
静かにリセットしたくなる頃でしょうか。

人生の大きな転機に立っているとき、あるいは何か大切な気づきを得たとき。
私たちはつい、「よし、ここから一気に世界を変えてやるぞ」「劇的な結果を出して、人生の第二幕を華々しく始めるんだ」と、興奮のままにアクセルを強く踏み込もうとしてしまいがちです。
大きな目標を大声で掲げること。年商や数字、新しい肩書きを目指して、寝る間を惜しんで走り出すこと。
かつての私も、そんなふうに「足し算の熱狂」の中に身を置いて、夜更かしを続けていた時期がありました。
しかし、人生の主権を他人から自分へと取り戻した「大人の主人公」が、大きな気づきを得た翌日に最初にやるべきことは、世界を救うことではありません。
劇的な成功を焦って掴みにいくのを、一度そっとやめてみてください。

京都の旅の終わりに、私が三条大橋の上で掴み取った答え。
それは、誰もが称える華やかな鴨川になることではなく、その横を静かに流れる名もなき水路のように、自分の人生の主人公として生きるということでした。
その華やかな鴨川のすぐ横で、スポットライトを浴びることもなく、静かに、でも途切れることなく流れている名前も知らない小さな水路の佇まいでした。

誰もが大きな川を眺めている中で、私はその足元を流れる小さな水の流れに、不思議と心を惹かれたのです。
その答えを手に入れた私が、日常に戻ってきた昨日、真っ先にやったこと。
それは起業でも、新しいコミュニティの立ち上げでも、華やかな転職活動の劇的な一歩でもありませんでした。
新幹線の旅の疲れを癒やすために、近所のジムのジャグジーに飛び込んで、ただぼんやりとお湯に浸かること。
帰宅して簡単な夕食をつくり、冷えたビールを片手に、ベランダで夜風に当たりながら自分の時間を静かに味わうこと。
カバンの中の荷物を整理して、明日使うノートとペンを整えること。
目覚まし時計をセットして、夜の適切な時間に、そっと布団に潜り込むこと。
「世界を救おうとする力みをそっと手放し、まずは一番近くにいる『自分という主人公』の明日を、一番
丁寧に助けてあげること」。

私がやったのは、ただそれだけの、あまりにも地味で、でも最高に心地よい「明日の支度」でした。

人生の第二幕は、どこか遠くにある劇的なステージではなく、常に明日という日常の地続きにしか存在しません。
他人が決めたモノサシに背中を急かされ、「早く何者かにならなきゃ」と焦っているときほど、私たちは
自分の足元を見落とし、睡眠時間を削り、自分の靴を揃えることすら忘れてしまいます。
それは、自分の物語の主権を、また「焦り」という他人に明け渡しているサインです。
完璧な結果なんて、まだ出ていなくていい。未来の保証なんて、どこにもなくていい。
ただ、明日踏み出す一歩のハードルを徹底的に下げて、淡々と、自分の生活を丁寧に営んでいく。
世界を変えようとする前に、自分の靴を揃える。
自分の睡眠を守る。
あなたが「世界を変える焦り」から解放され、明日の自分のために静かな作法を重ね始めるとき、あなたの佇まいには、どんな嵐にも揺るがされない「圧倒的にしなやかで、地に足のついた大人の強さ」が宿るようになります。
大切なことは、すべて日常の中にあります。

今日、やってみてほしいこと。

明日、もし「もっとがんばって、何かを証明しなきゃ」と焦りが首をもたげたとき、「私は今、本当に大切なものを後回しにしていないかな? 明日の自分を
助ける支度は、できているかな?」

と一瞬だけ、自分の足元を見つめてみてください。
あなたが大きな旗を掲げた後に、あえて静かに日常の支度を積み重ね始めたとき、そこには焦りや虚勢とは無縁の、本物の人生の主主導権がしっかりとあなたの手に残っているはずです。

大丈夫。

京都で人生の答えを見つけた翌日。
私がやったことは、世界を変えることではなかった。
明日の支度だった。

主人公は自分。今日の主人公の最後の仕事は、明日の自分を少しだけ生きやすくしてあげること。
さて、明日の支度をしようか。

吉岡 友|思考で勝つメンタルコーチ
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