夜の思考整理 No.069主人公は自分。だから、急がない。
木曜日の夜。
今週もあと少し。
一週間の疲れを連れて家へ帰り、ベランダに出て
冷えたビールを一口飲む。
昼間の暑さが少しだけ残る風。
街の音。
遠くを走る電車の音。
そんな何気ない時間を過ごしながら、ふと不思議なことに気づきました。
現実は、何ひとつ変わっていません。
仕事量が減ったわけでもない。
決めなければいけないことが決まったわけでもない。
未来の数字が見えているわけでもない。
相変わらず、目の前にはやることがたくさんあります。
それなのに、その夜の私は、以前のような焦りを感じていませんでした。
少し前の私なら、考えられなかったことです。
以前は、「何かが足りない」と思って生きていました。
もっと勉強しなきゃ。
もっと情報を集めなきゃ。
もっと動かなきゃ。
夜遅くまでパソコンを開き、AIに相談し、本を読み、動画を見て、「まだ何かあるはずだ」と探し続けていました。
動いているようで、実は焦りに追い立てられていただけだったのかもしれません。
そんな毎日を繰り返していました。
でも最近、その感覚が少し変わってきました。
未来が決まったわけではありません。
むしろ、まだ何も決まっていません。
それでも、不思議と急がなくなったのです。
その理由を考えていて、一つ気づいたことがありました。
答えが見つかったから安心するのではない。
向かいたい場所が見えたとき、人は少し落ち着ける。
目的地が見えない旅は苦しい。
本当にこの道でいいのか。
もっと近道があるんじゃないか。
周りの人はもっと先へ進んでいるんじゃないか。
そんなことばかり気になります。
でも、目的地が見えた途端、不思議と足元ばかりを見ることがなくなりました。
今日そこへ着かなくてもいい。
今月中に結果が出なくてもいい。
ちゃんと、その方向へ歩いている。
歩く速さは変わらないのに、心だけが落ち着いて
いきます。
「ああ、このままでいいんだ。」
その安心感が、また一歩を運んでくれます。
そう思えるだけで、人の心はこんなにも静かになる。
人生もきっと同じなのでしょう。
結果が出たから安心するのではなく、向かう方向が見えたから安心できる。
私は今、その途中にいます。だから急ぎません。
立ち止まるつもりもありません。
でも、焦る必要もありません。
昨日より少しだけ前へ進めたら、それで十分。
そう思えるようになりました。
私たちは、ときどき速く歩くことばかり考えてしまいます。
本当に大切なのは、「どれだけ速く歩いたか」ではなく、「どこへ向かって歩いているか」です。
誰かの人生ではなく、自分の人生を歩く。
向かう場所が見えた日から、景色は少し変わりました。現実は、何ひとつ変わっていないのに。
それでも、今日という一日は、以前より少しだけ
穏やかです。
そんな木曜日の夜があってもいい。
さて、明日の支度をしようか。
吉岡 友|思考で勝つメンタルコーチ
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