秘書が見つからない
私は現在、某大手企業で大変優秀なビジネスパーソンである方の秘書をしている。と言っても、元々秘書がやりたかった訳ではなく、たまたま転職を考えていた時に「エントリーしてみませんか」と紹介されたのが秘書だったのだ。
以前3年ほどオンライン秘書をやっていた事はあったが、私はがさつだし人の面倒を見るなんて苦手だからどうしたものかと思ったが「ころまるさんがエントリーするならこの案件はオープンにしません」とまでエージェントが言って下さったので、エントリーする事になった。
結果、凄まじく低いSPIスコアは無視され、志望理由は「御社の株が日本の会社で唯一持ってる株だから」というふざけた志望理由で、なぜか採用して頂いた。
人気企業のはずなのに秘書がいない
うちの会社は募集をかければわんさかエントリーが来るが、昨今の人件費削減で秘書の手当は社内で手当するのがルールになっている。が、なぜか内部には秘書をしたいという人材がいない。
現に今事業部内に新しい部が誕生するので秘書を探しているが、当たる人当たる人全員に断られるのだ。
秘書に必要な性格とスキル
そこで今回は、秘書になるにはどんな性格が向いているのか、どんなスキルがあれば苦労しないかを書いてみる。
気が強くなければ秘書にはなれない
秘書は表向き物腰柔らかで笑顔を絶やさず、優しいお姉さんかおばさんのイメージがある(まぁ男性秘書もいますけどね)。実際皆さん優しいのだが、優しいだけで務まらないのが秘書の世界である。
とかく、水面下では貴重なボスの時間を巡るスケジュールのせめぎ合いがあり、他部署の秘書や関係会社の秘書、営業と笑顔で殴り合いをしているような状態だ(ただ、秘書のメールはいつでもバカ丁寧)。
そのガチンコバトルで我を通せなければ、こっちが割りを食う。
そしてうちの会社のように秘書が上長のスケジューリングだけでなく部全体の庶務もやらなければいけないような場合、部内の事務系女性達との関係も入り組んでくる。
横を見ずに前だけを見れるか
秘書は兎角、多面的な情報を俯瞰し、上長の視点に立っていかに迅速に判断を下せるかが肝である。部全体の運営もしなければならないし、そこで先輩系女性スタッフに迷惑がかかるんじゃないかとか、妥協してもらうから悪いなとか考えていると、いつまで経っても決断が下せない。
だから、優しすぎる人・人からどう思われているか気になる人は秘書に不向きで、「嫌われるのが当たり前」くらいに思えている人でないと秘書は辛いと思う。
性格面をまとめると、「負けて勝つ」ができるかできないか、というのが秘書に向いている人の傾向で、優柔不断だったり周りの人の顔色が気になる人は秘書には向いていない。
秘書に必要なスキル・秘書検定は必要ない
秘書検定に載っている事なんてググればすぐ出てくるし、現に今の仕事で秘書検定のテキストに出てくるような事が役に立ったという事はない。先述したように、性格が秘書向きであれば秘書検定なんてなくても大丈夫である。
じゃ、具体的にどんなスキルがあれば良いか
秘書に求められるスキルは高くない。大学か短大を出て一般常識があれば、正直それで及第点は出る。
自分の場合、スキルは下記である。ただ、こういうスキルがなくても普通にメールができればなんとなく業務ができるのが秘書である。
Word : 差し込み印刷、アウトライン作成
Excel : IF関数、他関数、Pivot、X-lookup、クエリ、(マクロは挫折)
PPT : (実はマスターの使い方が分からない…)
語学 : 英検1級、TOEIC940(ただ、現仕事で英語力はほぼ必要ない)
しかも私は、新卒から43歳まで諸事情で正社員で働いていたのは1年少しで、あとは全部業務委託・フリーランス・派遣というふざけた職歴である。
それでも正社員として採用チャンスがあるのが秘書だ。
じゃ年収はどうなのか
秘書に大したスキルは必要ないので、当然年収も総合職と比べるとかなり低い。私の今年の年収は額面550万程度で、どんなにスキルが高い秘書で外資に行ったとしても、せいぜい1000万で頭打ちだろう。
だから、バリバリ仕事をしたい、がっつり稼ぎたいという人に秘書はお勧めしない。
秘書のやりがい
これは、ボスとの相性で大きく左右される。
尊敬できる偉大なボスの下で常日頃彼の決断や仕事っぷりを見られるのは、私にとって大変大きなやりがいとなっている。
ただ、相性が悪かったらお互いに不幸なのがボスと秘書の関係で、実際こっそり配置換えされるパターンもちらほら目にする。
なので、ボスが秘書にとってサポートしがいがある方なのか、というのがやりがいに直結するのだが、こればかりは運なのでいかんともし難いですね。
おまけ:秘書に外見の良さは必要なのか
必要に決まってる。
いや、仕事”自体”の遂行に外見は関係ないが、ボスや関係各所との関係性においては絶対に必要なのだ。
考えてみてほしい。世の中秘書を付ける9割は男性だろう。
皆言葉に出さないだけで、誰だって綺麗な女性に横にいてほしいに決まってる(若いなら尚可。ただ若いとか綺麗とか言ったらコンプラ案件である)。
対外的にだって、外見の良さは武器になる。
若くある事は不可能だが、年相応なりに小綺麗にしておく事は秘書にとって絶対に必要な努力項目で、その努力が自尊心に結びつく人なら秘書は向いていると思う。まぁ、秘書だけでなくビジネスパーソンにとって外見はとても大事なんですけどね。
常に転職を考えている
そんなもんで、私が秘書を続けているのは今のボスがとても尊敬できる人だから。ただそれだけである。組織の汚い部分もいやというほど見たし、私を拾ってくれたボスが今の会社を辞めたら、私も辞める予定だ。
秘書を目指す人には申し訳ない記事になってしまったが、秘書を一生の仕事にするというのは私には向いていない。ただ、ボスが見ている世界を隣で垣間見る事ができるという点で、とても面白い職業である。
