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『光が二人』8話-2 ~○刑執行人~

 今回の話は、これまでより少し過激かもしれません。
 また、今後もちょくちょく実話が入り混じります。

※初心者のアニメ脚本です。 全体の時代設定は昔、強いて言えば室町時代のイメージです。ただ日本の話ではなく、あくまで空想上の物語なので、その辺はあまり考えずにご覧いただけますと幸いです。

2025年10月30日:一部伏せ字にしました。編集前の投稿で不快に思われた方は申し訳ありません。


あらすじ
 子ども兵士は大人の雑務を強いられる。○刑執行人までも。特にヒロは、○刑執行人をうんと幼いころから担ってきた。今では人を斬るのに感覚が麻痺している。子どもは「洗脳しやすい使い捨ての道具」のように扱われていたと話すヒロ。それを聞いている陽平は、子どもたちの扱いに内心怒りを覚えている。ヒロは、それでももう家に帰ることができないと、少し諦めたように話す。
 客間で寝る準備をしている湯吉だが、弥生が眠れないらしい。心配する湯吉に、ぽつりと弥生は話し出す。子ども兵士時代にはたくさん人を○してきたために、大切な人を失った人たちから恨まれ、自分たちも○されるんじゃないかと不安に襲われ、弥生の目から涙が落ちる。弥生を優しく抱きしめる湯吉は苦しい顔をするも、自分が傍にいると、声を振り絞って伝える。


登場人物
ヒロ(20)元子ども兵士
陽平(20)元青嶺兵士
弥生(16)元子ども兵士
湯吉(23)元子ども兵士

子どもヒロ(5)
子ども兵士A
大人兵士たち
子ども兵士たち


◯回想・焔牙・焔牙屋敷・○刑部屋(夜)
   石床、石壁で覆われた窓のない部屋。
   人間の頭の落下音。人間の胴体が崩れ落ちる音。
   子どもヒロ(5)の手によって、体の横にゆっくり下ろされる、血の滴る刀。全く手は震えていない。
   方向転換して歩き出す子どもヒロの足元。
ヒロ(声)「俺たちは、大人がやりたくないことをやらされて来た」
   子どもヒロの足元が、壁に向かって立ち止まる。
   子どもヒロの前には、壁に両手首を固定されている子ども兵士A。酷く暴れ、泣き叫んでいる。
ヒロ(声)「処刑も俺たちの仕事だった」
   子ども兵士Aの首横に、子どもヒロの刀の刃が向かう。子ども兵士Aの首を斬る寸前──。
   (回想終わり)

◯千早・千早屋敷・縁側(夜)
   縁側に座って話しているヒロ(20)。太ももに肘をついて、俯き加減でいる。無表情で虚空を、瞬きもせず見ている。
ヒロ「そん中に湯吉の友人がいた」
   ヒロの隣に座り、外を見つめたまま聞いている陽平(20)。
ヒロ「たぶん、弥生のも……」

◯回想・焔牙・焔牙屋敷・広間(夜)
ヒロ(声)「他の奴らと違って俺は、モノゴコロついた時から刀を握ってた」
   歩く子どもヒロの足元。
   (子どもヒロの視点)
ヒロ(声)「だからかしんねーけど、人を○しても……もう、なんも感じねぇ」
   子どもヒロの向かう先、広間の隅で、大人兵士たちを避けて固まっている子ども兵士たち。
   子どもヒロ、子ども兵士たちの前で立ち止まる。
   子どもヒロの方に顔を向ける湯吉(8)と他の子ども兵士たち。ほとんどが子どもヒロを見て、軽蔑や恐怖の目を送っている。
ヒロ(声)「人斬ってんのに、泣かねーし」
   子ども兵士に慰めてもらっている少女兵士。泣き顔で子どもヒロを見る。
ヒロ(声)「ためらわねーし」
   子どもヒロを黙って睨んでいる湯吉。
ヒロ(声)「みんなに嫌われてたよ」
   (子どもヒロの視点終わり)
   自分の首をさする子どもヒロの手。
   (回想終わり)

◯千早・千早屋敷・縁側(夜)
陽平「優秀な兵士を育てるなら、もっと健全に育成ほうが良いと思うんだけど」
   と、怒りをなるだけ抑えて冷静に、1人口をこぼす。
ヒロ「あいつらは子どもを育てようとか思ってねぇ」
   と、上半身を起こして、縁側の背の後ろに手をつく。空を仰ぐ姿勢になる。
ヒロ「フシ楼さんが言うには、子どもは“洗脳しやすい使い捨ての道具”だって、あいつらは思ってる」
陽平「……意味わかんねー」
   陽平、眉間に皺を寄せて少しイラついている。
   顔を下に向けるヒロ。
ヒロ「囮になったり、腹減って動けないから○された子供も、いっぱいいた。 けど」

◯回想・焔牙・焔牙屋敷・広間(夜)
ヒロ(声)「あそこにしか居場所がねーんだ」
   壁に凭れて休んでいたり、雑談したりしている大人兵士たち。その後ろで少女兵士の腕を無理やり引っ張っていく大人兵士たち。
ヒロ(声)「誰も…… 俺も、もう家に帰れねーから」
   広間の大半を大人兵士たちが占めている。
   広間の隅で固まっている大半の子ども兵士たち。静かにただ座っていたり、壁に沿って横になっていたりする。
   高い位置にある鉄格子の窓から見える三日月。
   (回想終わり)

◯千早・千早屋敷・2階・湯吉たちの使う客間(夜)
   開かれた障子から、三日月が見える。
   畳の上に広げられた3つの布団。入り口側の布団を、まだ敷いている途中の湯吉(23)。
   真ん中の布団の上に座って、三日月を見ている弥生(16)。昼間と違い、口角は上がっていない。
   布団を敷き終え、枕を軽く投げ置く湯吉。
湯吉「もう寝る?」
   と、弥生の後ろ姿に問いかける。
弥生「……眠くない」
   湯吉、弥生に歩み寄る。
   弥生の隣に座る湯吉。弥生の顔を覗き込む。
湯吉「大丈夫か?」
   弥生、徐々に俯くと、首を横に振る。
   湯吉、弥生の顔から目を離し、楽に座る。弥生から話し始めるのを静かに待つ。
弥生「……兵士だった時、たくさん人を○なせたでしょ?」
湯吉「……うん」
弥生「誰かの家族や友達を○しておいて、私はまだ生きてるの。 だから色んな人に恨まれて、(声が震え出す)いつか、○されるんじゃないかって、思うと、怖くて──」
   と、滴り始める涙。涙を袖で拭う。
   湯吉、弥生の肩を取って引き寄せる。
   弥生のすすり泣く声。
   弥生、湯吉の背に手を回す。
   湯吉、それに応えるように弥生を優しく包み込む。
   苦しい顔を浮かべつつ、安心させるように弥生の後頭部を撫でる湯吉。
湯吉「……俺がいる」
   と、声を振り絞る。

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