『光が二人』8話-4 ~ギンヤの作用~
お久しぶりです。只今、中学校時代からずっと立ちはだかっていた壁が再び目の前に現れている状態です。心のどこかで、解決なんて無理でしょ……と思っている自分がいることも事実。どこで間違ったかな。俗にいう確かなきっかけも、ないからな。
※初心者のアニメ脚本です。 全体の時代設定は昔、強いて言えば室町時代のイメージです。ただ日本の話ではなく、あくまで空想上の物語なので、その辺はあまり考えずにご覧いただけますと幸いです。
noteの許容範囲がわからないので、表現がアウトなときは教えてくださると幸いです。
あらすじ
焔牙を偵察しているフシ楼班。道中にギンヤを見つけて、ヒロ以外の兵士たちに説明する。焔牙の薬物の原料になっているギンヤと、過剰摂取後は狂暴化すること、ヒロはその被害者であることを伝える。
目的地である焔牙城に近づくと、ヒロがフシ楼の裾を引く。フシ楼が違和感に気づき撤退しようとするも、ヒロが陽平を襲いかける。フシ楼がヒロを地面に押さえつけると、突然の銃撃音が。何が飛んできたのかすらわからない中、「急げ!!」と全員逃げる。
焔牙城では、銃撃した本人である少女兵士が、フシ楼たちもとい侵入者を取り逃したことを伏に報告する。伏が少女兵士に罰を与えなかったことにウザ絡みする貫正。嫌味を残して去っていく。
登場人物
フシ楼(41)千早軍隊の頭
ヒロ(20)元子ども兵士
陽平(20)元青嶺兵士
愛太(25)元青嶺兵士
二郎(27)千早兵士
伏(28)焔牙兵士
貫正(41)焔牙兵士
◯焔牙・林(夕)
木々の生い茂る林の中を、姿勢を低くして移動するフシ楼(41)、ヒロ(20)、陽平(20)、愛太(25)、二郎(27)。
ふくらはぎを隠すくらいまで雑草が生えている。
ヒロ、走っている中、指でこめかみを押さえる。眉間にシワを寄せる。
フシ楼から順に、足を止める。横のとある木の根元に目を向けるフシ楼。他4人も続けてその方向に顔を向ける。
木の根元にギンヤが十数個咲いている。
ギンヤの目の前に来るフシ楼たちの足元。
フシ楼、少し後ろで離れているヒロを見やる。
ヒロ、小さく頷く。マスクの鼻の上の部分をずっと指で押さえている。
フシ楼、手を振って他の兵士たちを呼ぶ。
フシ楼「踏んだり摘んだりは、決してしないように」
ギンヤの前にしゃがむフシ楼。
陽平「なんの花ですか?」
と、フシ楼の隣にしゃがんで、ギンヤを覗き込む。
愛太、陽平の後ろから、立ったままのぞき込む。二郎、3人の兵士の後ろで立って待機している。
フシ楼「“ギンヤ”。 焔牙でギンヤクって薬物がつくられていてね、その原料だよ」
と、ギンヤに優しく触れながら、ギンヤの姿を隅々まで観察する。
フシ楼「直接摂取したことがない限り、この花の匂いの影響は受けない」
愛太「摂取したらどうなるんです?」
フシ楼「はじめは活力や快感を得られる。 でも徐々に耐性がついて、過剰摂取した暁には狂暴化する。 躊躇なく敵や味方までをも手にかけるようになる」
陽平、静かにフシ楼の話を聞いている。
フシ楼「ヒロはその被害者だ」
陽平、ヒロに視線だけ寄せる。
フシ楼「幼いころに食べさせられてから、今も体内にギンヤが蓄積してる」
ヒロ、離れたところで、誰もいない方を向いて目をつむっている。落ち着いた表情でゆっくりと呼吸を整えている。
◯同・同(夜)
木の根元の雑草の間に紛れて、ギンヤの上部が採られた跡が残っている。
その横を通り過ぎるフシ楼、ヒロ、陽平、愛太、二郎。
ヒロ、フシ楼の服の裾に、ふらふらと定まらない手を伸ばす。少し裾を掴み、力なく引っ張る。
フシ楼、気づいてヒロに少し振り返る。
フシ楼、片腕を横に伸ばして後ろに合図を送り、足を止める。他4人も止まる。
フシ楼「無理そう?」
と、ヒロに向き合って問う。
小さく頷くヒロ。俯き加減で、マスクの鼻部分を強く押さえている。もう片方の手は袖ごと、腹回りの布を強くつかんでいる。小さく肩で息をしている。
フシ楼「引こう」
二郎「え、もうすぐそこですよ?」
と、進行方向を見やる。
ヒロ、フシ楼の手に促されながら、来た道に体を向ける。
フシ楼、ヒロの背に触れないよう手を回して答える。
フシ楼「この先はヒロくんが危険──」
途端に目の前の陽平に無言で手を伸ばすヒロ。指先を鋭く立てて襲い掛かる。
ヒロが陽平に触れる寸前、ヒロの腕を素早く背に回すフシ楼。
目を見開いてヒロから離れる陽平。陽平を引き寄せて護る愛太と二郎。
ヒロを地面に押さえつけるフシ楼。片手でヒロの両手首、片手で後頭部を強く押さえる。
◯同・同・焔牙城付近(夜)
フシ楼たちのいる方向にバッと振り返る少女兵士。
◯同・同(夜)
フシ楼の下で時々暴れるヒロ。その間も冷静に、がっちりホールドするフシ楼。
ヒロ「う゛…… う゛ぅ……」
唸るヒロから、陽平たちへ顔を上げるフシ楼。
フシ楼「先に帰って。 俺たちは後から行く」
ヒロを見て体が動かないでいる陽平と愛太。
二郎「行きましょう」
と、陽平と愛太に優しくささやく。
来た道へ方向転換する陽平、愛太、二郎。
次の瞬間、銃撃音がする。
振り返る陽平の顔に、血の線が入る。
ヒロの両手首を持ったまま、ヒロの腹に腕を回して持ち上げるフシ楼。
フシ楼「急げ!!」
来た道へ走り出す陽平、愛太、二郎、ヒロを抱えたフシ楼。
フシ楼の足を狙って打たれる弾丸。ギリギリ当たらず、地面にめり込む。
もう1発の銃撃音。フシ楼たちには当たらない。
フシ楼たち、林の奥を曲がって姿を消す。
遠くの草木の陰で、静かに銃を下ろす少女兵士。
◯同・焔牙城敷地内の広場(夜)
欠伸をしながら歩いて来る貫正(41)。前方を見て立ち止まる。
視線の先、離れてたところで話している伏(28)と少女兵士。
少女兵士、伏のもとを去る。
少女兵士を見送る伏に近づく貫正。
貫正「伏~」
伏「──こんばんは」
と、貫正を見て即座に軽くお辞儀をする。
少女兵士の去った方向に目を向ける貫正。
貫正「なんの話してたの?」
伏「……先程、侵入者が出た、と」
と、貫正と同じ方向に目を向ける。
貫正「で、そいつらは?」
伏「逃げられたそうです」
貫正「ダメじゃーん。 なら罰与えないとぉ」
と、伏を見て声を大きくする。片手でフィグ・サインを出している。
伏「私たちも取り逃すこと、ざらにありますよ」
と、貫正と反対側へと目を逸らす。
貫正「だーからお前は舐められんだよ」
伏を横から強く押す貫正。少しバランスを崩す伏。
貫正から笑みが消える。
貫正「調子乗んなよ」
そういうと、伏に背を向けて去っていく貫正。
貫正を目で追う伏。
目をつむり、1回深呼吸をする。安心して顔の力が抜ける。
貫正と反対方向に去っていく伏。
