4/2明日は「国際自閉症啓発デー」ー東京タワーが青くライトアップ

春の光がやわらかく街を包みはじめる頃、ふと立ち止まって「ちがい」について考えてみたくなる日があります。目に見えるものも、見えにくいものも、それぞれが持つ特性や感じ方は、本来とても自然で、かけがえのないものです。
けれど、忙しい日常の中で、その「ちがい」はときに見過ごされたり、誤解されたりすることもあります。だからこそ、ほんの少しだけ意識を向けてみる―そんなきっかけになる日が、明日、訪れます。
明日、4月2日は国際自閉症啓発デー(世界自閉症啓発デー)です。2007年に国連で制定されたこの日は、自閉症をはじめとする発達障害への理解を深め、誰もが生きやすい社会を目指すための大切な一日です。
その始まりは、2007年12月の国連総会。カタール王妃の提案により、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」とする決議が採択されました。特別な記念日に由来するわけではありませんが、「まず知ること」から始めようという想いが込められています。日本では厚生労働省や日本自閉症協会などが中心となり、「世界自閉症啓発デー日本実行委員会」を設立。4月2日から8日までは「発達障害啓発週間」として、各地でさまざまな取り組みが行われています。
この日の象徴ともいえるのが、「Light It Up Blue(ライト・イット・アップ・ブルー)」という活動です。世界172カ国以上でランドマークが青くライトアップされ、日本でも東京タワーや大阪城、姫路城、横浜マリンタワー、神戸ポートタワーなど、全国500カ所以上の施設が青い光に包まれます。
では、なぜ“青”なのでしょうか。
青には「癒やし」「希望」「平穏」といった意味が込められており、心を落ち着かせる色とも言われています。自閉症のある方にとって安心感につながる色として選ばれたともされています。この取り組みは2010年に始まり、今では世界中に広がるムーブメントとなりました。青いものを身につける、青い光を灯す――そんな小さなアクションが、静かに社会を変えていきます。
日本でも、「メッセージ in ブルー」として当事者や家族の声が発信されたり、テーマソング『We Belong わたしたちのうた』が広がったりと、青を通じたやさしい発信が続いています。
2026年のテーマは『ちがいはちから、つながりは未来』。セサミストリートのキャラクター「ジュリア」を通して、違いを認め合い、それを力に変えていくメッセージが届けられています。東京タワーでは点灯式やトークイベントが予定され、全国各地でもライトアップやシンポジウムが行われます。
自閉症は、脳の発達におけるひとつの特性です。コミュニケーションの取り方や感覚の受け止め方に、その人ならではの個性があります。それは「治すべきもの」ではなく、理解し合いながら共に生きていくものです。
青い光は、とてもやわらかく、静かです。
強く照らすのではなく、そっと寄り添うように広がっていきます。
この日をきっかけに、そのやさしい光が少しずつ社会に広がっていったら。発達障害のある方も、そのご家族も、そして私たち一人ひとりも、「ここにいていい」と感じられる未来に、きっと近づいていきます。
明日、青いものをひとつ身につけてみる。
あるいは、どこかで灯る青い光を見つけてみる。
ほんの小さな行動が、誰かにとっての安心や希望につながるかもしれません。
そのひとつひとつが、「ちがい」を「ちから」に変えていくのだと思います。
