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🌹女風土記🌹 熊本県天草郡 満州国建国を助けた女馬賊 薄井 ハナ 女史 / Female Bandit Aids Manchukuo, Ms. Hana Usui

-「馬賊社会誌」(渡辺龍策 著 / 秀英書房1981.10)

「鉄砲ノタマば恐れとったっちゃ、満州の野には住まれんばい。」
"A fella that's scared of lead ain't gonna last long out on the Manchurian plains."

薄井 ハナ 女史
Ms. Hana Usui
1902 - ?
熊本県天草郡坂瀬川村(苓北町) 生誕
Born in Reihoku-machi, Amakusa-gun, Kumamoto-ken

薄井 ハナ 女史は、満州建国期の女馬賊。「からゆきさん」から馬賊頭目の妾となり、水戸歩兵第二連帯第二大隊第二中隊の密偵として活躍。
Ms. Hana Usui is a female bandit during the establishment of Manchukuo. Originally a karayuki-san (Japanese woman who went abroad for sex work), she became the concubine of a bandit leader. She then served as a spy for the 2nd Company, 2nd Battalion, 2nd Infantry Regiment of Mito.

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「からゆきさん」
 ハナは18歳のときに「からゆきさん」として朝鮮に売られ、流れ流れて「東洋のナポレオン」の異名を持つ馬賊・馬占山配下の頭目の妾になります。やがて満州建国早々の頃、匪賊馬賊の動静に詳しくなった28歳のハナは、中国服で白い驢馬にまたがって、満州北方を守備する水戸歩兵第二連帯第二大隊第二中隊の駐屯地を訪ねては、数刻前に襲撃する時間と場所を知らせます。「明日の明け方に匪賊ん攻めてきますけん、用心しときなっせよ。」3・4回続けて予言が的中するうちに、ハナは密偵として雇われます。「私ん故郷は天草ん島ん中ですばってん、昔は鶴の飛んできよった山里たい。鶴っちゅう名のついた良か村ですばーい。」

「女馬賊」
 一面坡から日本軍に撃退された中国軍が由布に現れた時、馬を飛ばせてきたハナの知らせで救援部隊が到着。全滅を免れます。現地妻から馬占山の情報を掴んだハナは日本軍服をまとって男装、尖兵と偵察にいった鉄山包で、馬占山に包囲されるも、弾丸が飛んでくる中を馬上から射撃を続けて応戦。後続部隊が敵陣を撃破後に、馬占山の死体を確認します。「鉄砲ノタマば恐れとったっちゃ、満州の野には住まれんばい。」後に死体は影武者と判明するも、ハナは水戸連帯第二大隊本部付き通訳に採用され、将校待遇に。1円50銭の日給と、従卒兵1人を得ます。

「遠い南の故郷」
 現地事情に通じたハナは、大隊全員の食糧調達の面倒を見たり、兵隊の衣服を洗濯したり、野草を配合して煎じ合わせて兵隊の下痢や頭痛を治します。髪をぐるぐる巻きにして粗末な中国服をまとい、裸馬を自由自在に乗りまわす色の黒いお菊は大人気、軍の士気を奮い立たせます。「馬一頭あれば、一日百里は平気ばい。」日本に帰りたいかと聞かれたハナは、満州人の養女を傍らにおきながら笑って答えます。「日本より満州が住みよかですもんね。ばってんが、天草はなつかしかあ。ばってんが、そがん故里ん、遠か南の方にあっとじゃて思うだけで、私ん心はなごやかーになりますとよ。」

-「新・天草学 (地域学シリーズ ; 2)」(熊本日日新聞社編集局 編著 / 熊本日日新聞社1987.12)
-「天草海外発展史 下巻」(北野典夫 著 / 葦書房1985.12)
-「今様ジャンダルク 土浦発」(『九州日日新聞』1932.12.6.)
-「興亡三千年支那馬賊裏面史」(矢萩富橘 著 / 日本書院1924)
-「馬賊社会誌」(渡辺龍策 著 / 秀英書房1981.10)

女風土記 Happy Women
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