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トマト王への道

 どうもはじめまして。
 僕は山梨でトマト農家をやっているものです。

 東京の大学を卒業後、IT系の会社で働いていましたが、10年程前に山梨に移住してトマト農家を始めることにしました。 
 実家は関西で、サラリーマン家庭だったので農業知識はセロでしたが、いろいろあってヤケクソで農家になりました。
 なぜトマトを選んだかというと、単純に好きだったからです。経営とか市場とかのことは何も考えていませんでした。

 縁もゆかりも無い、知り合いもいない所で、ゼロからの農業を始めた僕ですが、なんやかやとありながらも10年が経ったわけで、これからの目標なんかを文字にして、胸の中にしまっておこうと思って書いてみました。
 今後10年の目標、それはずばり

「トマト王に、俺はなる!」

ということです。

 「意味が分からない🤔」と思った方のために、トマト王とは何なのかということを説明させてください。
 お隣の静岡県に「タケノコ王」という方がいますがそれとは少し意味が違って具体的な目標があります。

 それは、「日本、ひいては世界のトマト市場を支配すること」です。

 「そんなん無理でしょ」と思われるかもしれませんが、ちゃんと作戦があります。


 まず、日本の生鮮野菜の市場規模は約3兆円くらいで、その中でトマトは3000億円くらいをしめています。
 日本だけでも120種類くらいの品種が栽培されていて、スーパーの野菜コーナーでも大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトといろんな種類が並んでいますよね。
 色も黄色やオレンジなどもあったり、糖度が高く果物みたいに甘いフルーツトマトというのもあります。

 僕が作っているのがこのフルーツトマトというもので、トマトの栽培で水をあげる量をできるだけ少なく、樹が枯れないギリギリに管理することで実がギュッと小さく絞まって、その分糖度が高くなる、という作り方をします。
 甘くて美味しいので高単価で取引されますが、実が小さいので収穫量は普通の半分くらいに減ってしまいます。

 この「収穫量が減ってしまう」というのが僕は何だか面白くなくて、たくさん収穫できるように肥料を増やしてみたり、水を増やしてみたり試行錯誤してみたのですが、そうすると実が大きくなって糖度も普通のトマトと同じになってしまうのです。
 糖分は、葉っぱで光合成したものを実に送っているもので、作られる量は変わらないので、実が大きければ糖分の割合が下がり、小さければ糖分の割合が上がるので甘くなります。
 つまり糖度と収穫量というのが反比例の関係にあるので、フルーツトマトをたくさん収穫するというのには限界があるわけなんです。

 それでも諦めきれず、いろいろ調べて試しているうちに僕は「有機栽培」という分野にたどりつきました。
 有機栽培というと、農薬や化学肥料を使わないから安心安全!というイメージが強いかと思いますが、もう一つ有機栽培の野菜は美味しい、という面があります。

 なぜかというと、葉っぱの光合成で作られる糖分というのも有機物なわけで、有機肥料が土にあると、それを根から吸収することができるので、本来は有限な光合成産物の糖を外部から供給してやることができるのです。
 光合成で作られた糖分に加えて、有機肥料から吸収した旨み成分のアミノ酸などがプラスされるので有機栽培の野菜は美味しくなるのです。

 そんな資料を読み漁っていた僕は早速有機肥料を使った栽培を取り入れてみましたが、なかなか上手くいきませんでした。
 化学肥料というのはよくできていて、分子構造が小さいため水によく溶けて根からもすぐに吸収されるのですが、有機肥料は反対に分子が大きくて根から吸収されにくいので、必要な量の肥料分を得られずトマトの樹がやせ細ってしまって、そうなると収穫量も落ち込んでしまうのでした。

 そこで有機肥料と化学肥料をどっちも使いながらバランスをとれるよう試行錯誤していったところ、ついに収穫量を保ちなから糖度の高いトマトを作ることに成功したのです。
(まだまだ改良の余地がたくさんありますが、それでも美味しいトマトをそれなりの量とれるようになりました。)


 さあ、これで何ができるかというと、スーパーなどで普通のトマトの2倍くらいの値段で売られているフルーツトマトを、普通のトマトくらいの価格でも売ることができるようになるということです。
 味が美味しく価格もお手頃となれば、売れまくること間違いなしです。
 実際によく買ってもらって、1店舗で1日100パック以上売れているお店もあります。リピーターさんも多く、「もう他のトマト買えないわっ!」と言ってくれるお客さんもいます。

 という訳で、そんな「僕のトマト以外食べられないお客さん」というのを全国に増やしていければ、ひいては日本のトマト市場を支配することができるというわけなのです。
 お近くのスーパーで「坊っちゃんトマト」を見かけましたら、もうすでにそのエリアは僕の侵略の手がかかっているのだと思ってください。そしてどうぞ買っていただければ。

 そういう作戦をもって「トマト王に俺はなる!」ということです。
 トマト王への道のりはまだ始まったばかりですが、どうか応援していただけたらありがたいです。

 それと全国のトマト農家の方、一緒に美味しいフルーツトマトを作って日本のトマト市場を支配しませんか!?
 一緒にトマト王を目指してくれる仲間をゆるーく募集しています。
 トマト大臣のポストをご用意してますよ!

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