見えない愛の値段 第2話
『ケンジの本音』
ケンジと出会ったのは、銀座の高級ラウンジだった。玲子の友人が主催したパーティーに、彼は「業界で成功した男」として紹介された。
30代半ば、スーツをきっちり着こなし、自信に満ちた態度。
玲子は初め、彼に興味を抱かなかった。
だが、彼のトークは絶妙だった。
人の心を掴むことに長け、玲子の興味を引きつける言葉を次々と紡いだ。
「玲子さんって、
ただの資産家の娘ってわけじゃないですよね?
品があるし、何より内面的な強さが感じられる。僕、そういう女性が好きなんです。」
彼は玲子に次々と高級レストランの予約を入れ、夜景の見えるホテルラウンジでディナーを楽しんだ。
彼が見せるのは、経済的に自立した「男性」としてのプライド。
玲子は少しずつ彼の魅力に惹かれていった。
だが、ある日、ケンジがポケットから一枚のリストを取り出した。
「玲子さん、見てください。これ、僕が今後欲しいものリストです。」
リストには、高級車や海外旅行、ブランド品の数々が書かれていた。
玲子は眉をひそめた。
「これ、どういう意味?」
ケンジはにやりと笑い、玲子の目を見つめた。
「玲子さんにプレゼントしてほしいんです。
だって、あなたにはその力があるし、僕を応援する価値があるでしょ?」
玲子は愕然とした。彼の瞳に映るのは、玲子自身ではなく、玲子が持つ「資産」だった。
ケンジは続けた。
「金持ちってさ、ただの金でしか価値を示せないんだよね。だったら、僕を買えばいいんじゃない?」
玲子は何も言わず、その場を立ち去った。
ケンジは彼女の背中に向かって、「また連絡してよ」と軽い声をかけてきたが、玲子は振り返らなかった。
数日後、玲子のスマートフォンにケンジからのメッセージが届いた。
「今度のパーティー、君の力で入れてくれよ。
よろしくね、ATMさん。」
玲子はそのメッセージを削除し、ケンジをブロックした。
#Limitless Creations
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