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「ルックバック」2026年 日本(@109箕面シネマズ)原作:藤本タツキ、脚本・監督:是枝裕和、出演:出口夏希、蒔田彩珠(まきた あじゅ) 菅田将暉 宮藤官九郎、野呂佳代、ほか 音楽:坂東祐大 衣装:伊藤 佐智子

「ルックバック」2026年 日本(@109箕面シネマズ)原作:藤本タツキ、脚本・監督:是枝裕和、出演:出口夏希、蒔田彩珠(まきた あじゅ) 菅田将暉 宮藤官九郎、野呂佳代、ほか 音楽:坂東祐大 衣装:伊藤 佐智子


実写版の「ルックバック」。もともと、藤本タツキの漫画が原作(2021年)。その後、2024年に押山清高監督がアニメーション映画化した。上映時間58分の作品。2年前にこのアニメ作品を吉祥寺のアップリンクの映画館で見て、この作品のことがとっても好きになった。そういえば、その映画を見たあとファンアートを書いたことがある。https://x.com/haruharuy/status/1855012656832561379


 
本作は、その原作を是枝監督の手によって実写化されたもの。上映時間が99分となっている。濃密な100分間。ほぼ全編、なぜだかわからないが泣きながら見ていた。私は、創作をする人たちが描かれているのを見るのが好きなのだろう。そして少しでも良いものにしたいと思って時間をかけて高みに目指す姿を純粋でかっこいいと思う。純粋さの代表選手が蒔田さん演じる京本であり、京本に刺激されて作家としての高みを目指すことを後押しされる出口さん演じるところの藤野。子供時代から原作と同じく編年体で歳を重ねていく。
 小学校の3―4年生の頃からこの物語は始まる。学年新聞が定期的に児童たちに配られるのだが、そこに藤野は4コマ漫画を連載していた。周囲に褒められ、いい気になる藤野。しかし、引きこもりで登校拒否の京本が登校はできないが4コマ漫画を書いてみたいと。担任の先生(宮藤官九郎)を通じて京本の漫画掲載の了解を藤野に確認する。そして掲出された2人の漫画作品。圧倒的な京本の画力に怯む藤野。そこから藤野は背中を押されるようにデッサンやポーズの絵の修行をするようになる。
 
 実は、私が小学校の4年生の時に学級新聞の壁新聞があり、一時期その壁新聞に4コマ漫画を書いていたことがある。「けつごん」という題名で。お尻が顔になっているキャラクター。いま思い出すと赤塚先生のケムンパスみたいなキャラクターだった。ぽっとん便所の下に住んでいてうんこを食べて暮らしているという設定までは覚えている。その頃、茨木駅の近くの小さな書店に多分、石ノ森章太郎先生の「マンガ家入門」みたいな子供向けの本があり、その本屋さんに通っては立ち読みをして立ち読み読破したのではないかと思う。https://amzn.asia/d/04ZMllbg

 私の家は貧乏だったのでできるだけ無駄な出費をしないようにしていた。高校時代は「あしたのジョー」の単行本を虎谷誠々堂書店で数日かけて全巻立ち読みで読破した。https://www.infomart.or.jp/toratani/

 たぶん「マンガ家入門」の中に書かれてあったと思うのだが、カラス口やケント紙、Gペン、スクリーントーンなどの専門的な用語とグッズが出て来てわくわくした記憶がある。私が最初に自分の意思でなりたいと思った職業は漫画家だった。本作にはそうしたアナログなマンガを実際に描いているシーンがたくさん登場する。最初は紙に鉛筆で描いていたのが、どんどんと専門的になっていく。ケント紙を揃え、スクリーントーンや雲型定規やインクと丸ペン、Gペン、ホワイトなどが揃えられ、中学時代は藤野と京本が一緒になって青春の一片のような、マンガの創作生活を送っていく。そして、その漫画原作が集英社の編集者(菅田将暉)(実際は、編集者の林士平氏のことなのか?)の応援によって評価され、そこから新人の応募を行い中学生コンビとして漫画賞を受賞する。秋田のにかほ市というところがあるらしいのだが(原作の藤本タツキ先生の出身が秋田)そこで長期間にわたるロケーションが行われ美しい四季の風景が切り取られた。本作では実際の会社などがちゃんとそのまま実名で描かれているのがいい。ジュンク堂と思われる書店で京本が「男鹿和雄の画集」を買い求めるシーンがある。https://amzn.asia/d/02ThF48y

その後、ジブリの作品をDVD(?)VHS(?)で見るシーンや、映画「JAWS」のVHSなどが登場する。秋田市内の映画館で2人が見る映画は「吸血鬼ノスフェラトウ」?か?https://www.youtube.com/watch?v=bhntUsX_ftc

映画愛に満ちたシーン!その後、セリフで吸血鬼が出てくるので間違いないと確信した。
 そして、藤野は本当に藤野先生として漫画家になっていきアシスタントを集めスタジオを運営するようになっていく。場所はお茶の水から神田の周辺。書き方もペンタブでの制作にシフトしていき、背景などもデジタル技術を駆使した今どきのスタイルになっていく。そして藤野先生の連載作品のアニメ化が決まりキャラクターたちのIPがどんどんどグッズ化されるようになっていく。
 その時に編集者の菅田将暉が藤野先生に言った言葉がとても印象に残った。

「寂しいでしょ。自分の作品なんだけど、こうしてアニメ化されグッズ化されていき、自分を離れ、どんどんと人の手が入ってしまうのが。でも、プロになっていくということはそういうことなんです。」

というような意味の言葉。これは、是枝監督を初めとして全ての表現に携わっている方ならものすごく共感する言葉なのではないか?そこは、結果、誰もが経験する一人だけの孤独な場所でもある。これからはその孤独と生涯向き合っていかなければならないという現実。それとは、対比的に、何者でもなかった時代にただがむしゃらに漫画を描き続けて来た藤野と京本の二人の人生のあの数年間の瞬間こそが、実は、最も愛おしい時間だったのではなかったか?ということ。でもその時は、当人たちは気が付かない。あとになってわかる。That Is a Life?(それが人生?)なのか?その本当に愛おしい時間を、まるで自らの青春を反芻するように慈しんだ気持ちを描いた作品がこの「ルックバック」ではないか?

作者の藤本タツキ先生の持つ純粋な気持ちがそのまま表現されたのだろう。そして編集者の林士平はそれを受け入れていく。

原作の持つ純粋さを是枝裕和監督も、(アニメの押山清高も)そのまま受け入れて監督ならではの方法で、さらに純化されたのではないか?私も、そうした気持ちを持ち続けて生きていきたいと思う。映画公式HPは以下です。







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