【感想】NHKドキュメンタリー『小泉八雲のおもかげ』|朝ドラ『ばけばけ』トミー・バストウが辿った「異文化アウトサイダー」の聖地巡礼
◾️アウトサイダーに沁みる旅番組『小泉八雲のおもかげ』
ちゃんとしてない系教養ママharukaです。
どうにもやる気が起きない時は
アマプラ(&NHKプラス)で
適当な番組を見て元気をもらうのが
鉄板なんですが
普段、朝ドラとか見ないくせに
現在放送中の朝ドラ『ばけばけ』で
小泉八雲をモデルにした人物を演じる
俳優トミー・バストウが
ゆかりの地を巡るドキュメンタリー
というものを見てしまいました。

NHKプラスにて視聴しました
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0FWZN6GFR/ref=atv_dp_share_cu_r
それが、めっちゃ良くて😭
私自身、幼少期に
家庭環境から
複雑なものを抱えていたり
外国暮らしを含め
引っ越しが多かったために
「故郷」や「居場所」がない
感覚が強かったり
「物語」の世界に
どっぷりハマりやすい
子供だったので
番組内で明かされる
小泉八雲のバックグラウンドについては
感情移入せずにはいられませんでした🥹
似たような背景をお持ちの方
朝ドラ『ばけばけ』や
トミー・バストウさん
小泉八雲ファンの方はもちろん
ぜひ最後まで読んでいただけると
嬉しいです🕊️
◾️小泉八雲ってどんな人? とにかく国際色豊かで、少し影のある明治の帰化日本人
▶︎国際色豊かなバックグラウンド
そもそも「小泉八雲」って誰なのか。
アイルランド🇮🇪で育ち
アメリカ🇺🇸で青年時代を過ごし
日本🇯🇵で小説家として死んだ
ギリシャ🇬🇷生まれの日本人作家です。

日本人、というのは
来日して結婚後
日本国籍を取ったから。
アイルランド人🇮🇪の父親と
ギリシャ人🇬🇷の母親から生まれた彼には
母親経由でアラブの血も流れていたそうで
その上、彼が生まれた「ギリシャ」は
厳密には当時イギリス領🇬🇧の島でした。
なんと国際色豊かな
バックグラウンドでしょうか……
▶︎不遇の少年時代
ただし、彼は幼少期に
父親からも母親からも捨てられ
当時裕福だった大叔母の元で
アイルランドで育てられました。
その大叔母も
子供の面倒を見るのが
得意な人ではなかったようで
彼はあまり愛情をかけてもらえず
精神的に満たされない
子供時代を過ごしたと言われています。
さらに、彼は16歳の時に
左目を失明してしまい
現在残されている写真も
左目を隠すように撮られたものばかり。

なんだかちょっと可哀想な
エピソードが続きます🥺
▶︎アメリカでの結婚と、日本での結婚
その後、アメリカ🇺🇸にわたり
ジャーナリストとして活躍した小泉八雲。
当時は黒人差別が
今より酷かったのですが
そんな中、小泉八雲は
州法を冒してまで
黒人女性と結婚するなど
当時としては革新的な一面がありました。
(正式には受理されていなかった模様)
1884年にニューオリーンズで開催された
万国博覧会で日本を知ると
それをきっかけに来日。
(万博の影響力ってやっぱすごいですね)
開国して半世紀も経っていない
極東の島国・日本にすっかり魅了され
日本人女性と結婚し
三男一女をもうけ、日本国籍を取得しました。
当時の欧米人にしては
異文化やいわゆる「有色人種」に対して
かなり寛容な姿勢だったことが
伺えます。
▶︎小泉八雲、来日後の活躍
そんな彼の著作で最も有名なのが
日本の怪談話を集めた『怪談』。
元々ジャーナリストであったことから
日本文化や日本文学を
欧米に紹介する作品も多く残しました。
さらに、日本では
英語教育にも尽力し
まさに日本と欧米の架け橋として尽力。
現在の朝ドラ『ばけばけ』は
そんな小泉八雲と
彼の功績に大きく尽力した
妻・セツを取り上げた物語だそうです。
◾️『小泉八雲のおもかげ』に感動した理由|「アウトサイダー」だった自分がほどけた
▶︎『小泉八雲のおもかげ』ってどんな番組?
先ほども書いた通り
この番組は
朝ドラ『ばけばけ』で
小泉八雲をモデルにした人物を演じる
イギリス人俳優トミー・バストウさんが
小泉八雲ゆかりの地を巡る
ドキュメンタリー番組です。
具体的には
ドラマの舞台にもなっている島根県松江市
少年時代を過ごしたアイルランド・ダブリン
休暇を過ごしたアイルランド・コング
青年時代を過ごしたアメリカ・ニューオリーンズ
といった場所を巡ります。
孤独な少年時代を彷彿とさせる
ダブリンの狭い子供部屋。
八雲少年を魅了したであろう
ケルト文化が色濃く残る
コングの森や妖精伝承。
当時、黒人奴隷が多く
統治国や奴隷出身国など
様々な文化が入り混じった
ニューオリーンズのクレオール文化。
さすがNHKと思わせる
世界を股にかけた取材と
小泉八雲を演じる
イギリス人俳優による
現地の方との
気取らないリアルな交流により
「小泉八雲はこんな人だったのかも?」
と、現代人の視点から
想像力を膨らませられる番組でした。
▶︎『小泉八雲のおもかげ』が私に刺さった理由:「アウトサイダー」の眼差し
この番組の最後で
旅人役トミー・バストウさんが
最後にこんなことを語りました。
ハーンが奇妙なもの、異様なものに惹かれたのは、「自分は一体誰なのか」「自分はどうあるべきなのか」固定観念を持っていなかったから。彼はアウトサイダーだ。
日本で生まれながら
物心がついたのはアメリカで
でもそこでも馴染めなくて
「どうあるべきか」を探し続けてきた私
ドチャクソに刺さりました😭
私も長らく
「アウトサイダー」気分が
抜けない人間でした。
特に、アメリカから帰国してからは
友達の話題や周囲の文化に
馴染むのに必死でしたし
引っ越しを重ねても
大学に進学して就職しても
なぜかいつも
「マジョリティ」に混じれなくて
いつになったら「その他大勢」に
馴染めるのだろうかと苦しんでいました。
『小泉八雲のおもかげ』は
小泉八雲という
「アウトサイダー」を理解しようと
ドラマの出演者やスタッフが
足跡を辿る旅物語。
その眼差しの温かさが
まるで私まで癒してくれるようでした。
▶︎『小泉八雲のおもかげ』で印象的だったシーン・温かなクレオール料理「ガンボスープ」
個人的に1番感動的だったのは
「クレオール料理」についての場面。
「クレオール料理」とは
かつてフランス🇫🇷やスペイン🇪🇸に
統治されていた
ルイジアナ州ニューオリーンズで
西アフリカから
奴隷として連れてこられた
黒人たちの文化が
混ざり合って生まれた
クレオール文化の1つ。

Wikipediaより
庶民的な材料をもとにしつつ
クレオールスパイスと呼ばれる
西洋とアフリカのスパイスを
ミックスしたものを味付けに使うなど
特定の国や文化に起因しないながら
「ソウルフード」の味わいがあるそうです。
小泉八雲は
ニューオリーンズ滞在中に
このクレオール料理に魅了され
クレオール料理に関する
初の書籍を発表し
それによって今でも
現地の方々に愛されているそうです。
番組ではクレオール料理のお店で
トミー・バストウさんも包丁を握り
一緒に「ガンボスープ」を作ります。
完成したガンボスープを一口食べて
トミーさんは大感激!
「誰もが味わえる料理なのが彼らしい」
「クレオールの家庭でこうした料理を作ってもらって
誰かに気にかけてもらってると感じたのでは」
と、彼なりの分析を語ります。
小泉八雲を「自分が演じる役」として
リアルに、身近に感じている人間による
こうしたコメントが挟まれることで
『小泉八雲のおもかげ』は
独特のタイムリーな距離感で
小泉八雲の足跡を感じることが
できました。
◾️終わりに|アウトサイダーだからこそ見られた異世界
小泉八雲を魅了したのは
「イマ・ココじゃない世界」
だったのかもしれません。
現実世界に
居心地の悪さを感じる時
架空の世界は
安心して没頭できる
居場所になりますし
明らかに「自分とは違う」からこそ
異文化や異国に
興味と好奇心を持って
積極的に飛び込めるのかもしれません。
生まれ育った街から
西へ、西へと赴いて
最後には極東の日本にまで
辿り着いた小泉八雲。
ジャーナリストとして
クレオール料理についての
本を出したり
日本の文化について
英語で出版したりと
「みんなが知らない世界」について
一生懸命、世界に紹介しようとする
姿勢にも心打たれます。
「自分は一体誰なのか」
「自分はどうあるべきなのか」
固定観念を持っていなかったから
奇妙なもの、異様なものに惹かれた
と語ったトミーさん。
どこにいても「アウトサイダー」
だったからこそ
より広く、多様な世界
一見、奇妙で異様な文化に対して
オープンでいられたのかもしれません。
40を過ぎて
流石にそうした
「アウトサイダー拗らせ」からは
卒業しつつある私。
小泉八雲という
稀有な先行者を知れて良かったですし
この記事を読んで
少しでも前向きな気持ちに
なる方がいらっしゃったら
嬉しいなと思います。
以上、ここまで読んでくださり
ありがとうございました!
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