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映画実写版「ルックバック」 対比と融合が、切なく美しく描かれている

こんにちは、あやのはるかです。
映画「ルックバック」を公開初日に観てきました。主演の女の子達がかわいらしくて、内容も良く、見て良かったですね。

原作は、藤本タツキさんが少年ジャンプ+で発表した読み切り漫画です。

二年前、劇場版アニメで公開されていて、今回は是枝監督で実写版が撮影されたとのこと。秋田の四季を切り取った映像が素晴らしかったです。インタビューで一年掛けてゆっくり撮影したと話されていました。

実写版には、「ロトスコープアニメーション」の技法が取り入れられていました。こちらは久野遥子さんが監督されたようです。

ロトスコープアニメーション:実際に撮影した実写の映像を1コマずつトレース(なぞる)して作画し、アニメーションにする技法のこと

青稜アニメーションのHPより

映画を振り返り、感想をちょこっと書きたいと思います。



あらすじ

学校新聞に四コマ漫画を連載する藤野は、周囲から絵を絶賛され誇りに思っていた。ある時、別のクラスで引きこもり生徒の京本も漫画を連載したいと申し出があり、交代で掲載することになる。

京本の絵を見た藤野は、その才能に圧倒され、漫画を書くことを止めてしまう。担任に頼まれ、京本の自宅に卒業証書を届けに行った藤野は京本と出会い、そこで「藤野先生の漫画のファンでした」と告白される。

それから一緒に漫画を書くようになった二人が書いた漫画が入賞する。読み切り作品をいくつか発表したのち、編集部の担当者に連載が決まったと伝えられるが、京本は美大に行きたいといい、藤野はそのままプロとして連載を続けることになる。

別の道を歩み日々を過ごしていたある日、凄惨な事件が起き京本は命を落としてしまう。引きこもりだった京本を外の世界へ連れ出さなければ命を落とすことは無かったのではないか藤野は苦しみ連載を休んでしまうが、自分が漫画を書くことの意味を見いだし、再び机に向かい漫画を書き始める。

チラシ

テーマは「対比」と「融合」だと感じた

映画を鑑賞して、私はこの映画のテーマは「融合」と「対比」なのではと感じました。

●活発で友人も多い藤野と、引きこもりで不登校の京本。

●藤野は家族や友人と過ごす場面が多いですが、ひきこもりの京本は家族と過ごす描写が無く、いつも一人です。

唯一家族なのか祖母なのか・・と一緒の写真を見つめ半纏を抱きしめているワンカットのシーンがあるくらいでした。

●物語の構成を考え人物を描く藤野と、緻密な背景を描き作品にリアリティを持たせる京本。

お互いのない部分を補い、お互いをリスペクトしている二人だからこそ描ける世界観でプロとしての道を進んでいく。

静かに、美しい風景とともに流れ描かれる時間の中で「対比」と「融合」がちりばめられていました。嫉妬を瞬時に相手へのリスペクトに変えて、2人は作品を紡ぎ出していく課程が素敵でした。

後に、違う道を歩むことになりますが、凄惨な事件が無ければ、また一緒に漫画を描く日が来たのでは・・そんな余韻が残りました。

印象に残ったシーン

(1)雪の中を二人で歩くシーン

真っ白な雪だけの世界で、二人の足跡が刻まれていく。確かここで藤野が夢を語るのです。「夢は書いた漫画がアニメーションになること。自分が描いた絵が動きだすんだよ、凄くない?」と言います。(あれ?別のシーンでの台詞だっけ・・うろ覚え)

(2)コンビニでジャンプのページを開くシーン

入賞したことが載っている雑誌をみて二人で喜ぶシーンは印象的です。良かったねと、自分事のように嬉しくなりました。
それまでの漫画を書くシーン、苦労が報われた瞬間ですからね。

(3)京本のために、藤野が外の風景を写真に収めているシーン

ひきこもりで部屋から出られない京本に「外の世界」を見せてあげたいという藤野の優しさが伝わってきました。そして、藤野が切り取ってきたその写真(風景)をもとに、京本が圧倒的なリアリティを持つ美しい背景を描き出すのです。

集英社に完成した漫画を持ち込むのですが、中学生が描いたとは思えないほどの完成度、とても綺麗な海の絵でしたね。

(4)パラレルワールドの展開

京本が亡くなってから、藤野が4コマ漫画が書かれた紙を破り、その破片が京本の部屋のドアの隙間から入り、パラレルワールドの映像があります。これは、「自分が京本を部屋から連れ出さなければ、彼女は死なずに済んだのではないか」という、藤野の自責の念から生まれたものです。

二人が出会わず、京本が一人で漫画を描き続けていた世界。事件に巻き込まれそうになった京本を、藤野が跳び蹴りで助けるシーン。ケガをして担架で運ばれているの女性が、かつて憧れていた藤野だと気づいた京本。ここで二人は初めて言葉を交わします。

漫画の入賞により得た賞金で二人が出掛ける帰りの電車の中で京本が「連れ出してくれて、ありがとう」という場面があります。だから、自分を責めなくて良いんだよって言ってあげたくなりました。

最後に

「ルックバック」という言葉には、「過去を振り返る(Look back)」という意味と、「背中を見る(Look at the back)」という二つの意味が込められているそうです。

子供の藤野の背中で始まり、パラレルワールドで子供の京本の背中が映し出され、再びペンを取った藤野の背中で終わる。

大切な人の背中を見つめ、生かされている自分が進む道を進む覚悟を決めた瞬間をただ美しいと思いました。

映画の捉え方が正しいかどうかわからないけれど、本当に良い映画でした。


ルックバック 入り口の写真
入場者プレゼントでもらったイラスト 第二弾は違う物が配布されるようですね。

余談ですが、撮影された場所が秋田県の仁賀保(にかほ)市だそうですが、「にかほ」が「いかほ」って聞こえて、「あれ、伊香保温泉って秋田だっけ?」なんて勘違いをしていました(..;)

ここまでよんでいただきありがとうございます。

あやのはるか

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