「永遠のLOVE」毎週ショートショートnote|お題【LOVE怪談】
たらはさん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
それは、ふたりにとって最高の一日になるはずだった。そして確かに「特別」な日となった。
「やっと予約が取れたんだ。この週末に行きたい、都合はどうかな」
男の申し出は、女にとっては長く待ち焦がれたものだった。二つ返事で是の意を告げる女。ふたりは週末、近郊のホテルへと旅立った。
高原にあるそのホテルは、長く要人の常連客を持ち、観光客の憧れの的だった。朝の散策にふさわしい白樺並木、落ち着いた雰囲気を持つ商店街など、日頃の生活、その慌ただしさを忘れさせてくれる場所だった。
テニスコートで一組のカップルがプレーを楽しんでいた。男の体が弓なりになり、柔らかな弧を描いてボールが反対側のコートへと飛んでいく。そこに立つ女のラケットがボールを受け止め、ボールを反対側へと打ち返す。ラリーが続く楽しさに、二人はこのLOVEゲームが途切れぬことを願った。
そのホテルにはテニスコートが二面ある。著名なカップルがそこで愛を育む。それは羨望の場所であり、中々予約の取れぬことでも有名だった。
テニスコート二面が予約で埋まる繁忙期。ホテルに飾られる絵画が新しくなる。それはきまって、楽しげにテニスに興じるカップルの姿だった。
額縁の中、画布の上でテニスをプレーする二人と、一泊二日の旅行に出た後消息不明となっている一組のカップル。二つの因果関係は、数ヶ月経っても明らかにされてはいない。
(了)
(575字)
よろしくお願い申し上げます。
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