#シロクマ文芸部3月②不思議な友達
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。第1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
上記プラス、おばあさんが読み聞かせをするというスタイルを今年は取ることにしました。そのため、シロクマ文芸部のお題から始まる部分が読み聞かせとなり、その後に会話が続く形で物語が展開します。2025年、12個のお話を上手く完成させられるか、お付き合いいただければ幸いです。
3月の物語1回目はこちら👇
窓を開けると入ってきたのは美しい小鳥でした。青い鳥のようにも赤い鳥のようにも見えます。
「君はいったい何色なの?」
「君が青と思えば青、赤と思えば赤」
「そうか。じゃあ青い鳥ってことに」
ここまで言って譲は驚きました。だって鳥が人間の言葉を喋るんですもの。言葉の途切れた少年を鳥はじっと見つめます。丸く愛らしい小鳥の瞳が、どことなく譲には気味悪く感じられました。人の言葉を話す鳥、その事実が譲をじりっじりっと後ろへ下がらせます。
「気味が悪いと感じるのは僕が鳥に見えるからだよ」
鳥はそういうと止まっていた窓枠からピョンと飛び上がりクルンと一回転しながら床に降り立ちました。
床に降り立った小鳥は人の姿に、しかも譲の一番の仲良しの行人くんです。
「行人くん!」
「これなら怖くないだろ?」
呆然としている譲を見て行人が笑いかけましたが。
「怖いに決まってるよ!」
譲は大声で叫んでいました。
📚📚📚
「急に人間になったら怖いわ!」
「仲良しさんでも?」
「でも……小鳥だったのよ?」
「僕……怖くない」
弟がそう言うのを聞き、姉はムッとします。
「怖がりのくせに!今日だって私の後ろで……」
「でも、仲良しのお友達なんだよ」
そういうと弟はシクシクと泣き出しました。ずっと一緒だったお友達が遠くへ引っ越してしまったことを思い出したのです。
「私も……会いたい」
姉もシクシク泣き出します。おばあさんは2人をそっと抱き寄せ、あなた達は優しいね、いい子だね、と背中をポンポンと叩きながら子守唄を歌い始めました。おばあさんの子守歌に安心したのでしょうか。泣いていた2人はいつの間にか健やかな寝息をたてはじめました。
1人ずつ布団に寝かせて上掛けをかけると、おばあさんはそっと電気を消しました。
「おやすみなさい」
つづく
小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
