【あのね、ちょっと聞いてほしい話】きっとあの頃の思い出を食べている
あなたは何かを食べた瞬間、一気に昔の記憶へとタイムスリップしてしまうような食べ物ってありますか。
私にとって、それは間違いなくクリームシチューなんです。
小さい頃、クリームシチューは特別なごちそうでした。
夕方、外で遊んで少し冷たくなった手をポケットに入れて家に帰ると、
玄関のドアを開けた瞬間にふわっと甘くて優しい香りが鼻をくすぐるんです。「あ、今日はシチューだ!」って分かると、それだけで晩御飯の時間がいつもより待ち遠しくて、ワクワクしていました。
母が台所で、大きなお鍋をゆっくりとかき混ぜている後ろ姿を、私はいつもうれしく眺めていました。
ゴロゴロ入ったニンジンやじゃがいも、やわらかい鶏肉。
ふぅふぅと息を吹きかけながら口に運ぶと、クリーミーで温かいとろみが、お腹の中だけじゃなくて心までじわーっと満たしていくんです。
母がおかわりをよそってくれる、
あの食卓の空気感ごと、私は大好きでした。
大人になった今でも、自分でクリームシチューを作ったり、お店で食べたりすることがあります。
私にとってクリームシチューは、どこか特別でごちそうなんです。
なので、シチューをビーフかクリームかと聞かれたら、即答でクリーム派。
クリームシチューを食べるたびに思い出すのは、やっぱりあの頃の食卓。
味覚って不思議ですよね、ただの料理の味じゃなくて、きっとあの頃の思い出も一緒に食べているんだろうなと思います。
お盆も過ぎれば、夕暮れの風がわずかながら冷たくなってきましたね。
あと一ヶ月もすれば、きっとテレビでクリームシチューのルーのCMが流れ始めて、季節が前に進んでいるのを感じることでしょう。
あのCMを見ると、なんだか無性に心がざわついて、お鍋いっぱいのクリーミーシチューを作りたくなります。
今年の冬もまた、あの温かい湯気と一緒に、優しくて懐かしい思い出をじっくりと味わおうと思っています。
あなたの思い出の味は、何ですか?
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