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【動画付短編小説】【JACK】─外典 途中の世界/第十四夜 緊急クエスト

午後。山道。

エルデ村を出てから数時間。空になった荷馬車が、ゆっくりと街道を進んでいる。霧は、もう薄い。

飛鳥は荷台に横になり、片手に《旅人のためのヘブライ語基礎講座》を持ち、もう片方の指先に小さな火を灯している。

ポッ。

《灯火》。

飛鳥「……」

五島「消えてるぞ」

飛鳥「え?」

指先に、火はない。

飛鳥「今、出てましたよね!?」

五島「ああ」

飛鳥「何で消えたんですか?」

五島「知らん」

飛鳥「契約したんですよ!?」

神宮寺「火にも都合があるんだろ」

南雲「いいんじゃないか」

ブラニが先頭を歩き、木杖で地面を突く。

トン。トン。

「もう少しで本街道に戻ります!」

南雲「分かった」

五島は黒い防護外套に《菊の刃》を差し、本を開いている。

飛鳥「まだ読んでるんですか」

五島「四十七ページ」

飛鳥「増えてる!」

神宮寺「寝ないのか」

五島「眠くない」

飛鳥「私は眠いです」

南雲「寝ろ」

その時。ブラニが止まった。

「……?」

南雲「どうした」

ブラニが空を見る。

遠く。何かが飛んでくる。

黒い鳥。いや。鳥ではない。金属の羽。薄く青白い光。

神宮寺「何だ、あれ」

五島が本を閉じる。

「こっちに来るな」

真っ直ぐ飛んでくる。一行の前で停止。

宙に浮く、小さな黒鉄の鳥。胸には、王国紋章。

ブラニ「伝令鳥です」

飛鳥「鳥じゃないですよね?」

「魔道具です」

伝令鳥が嘴を開いた。低い男の声。

『黒鉄冒険者ギルドより、緊急召集』

一拍。

『神宮寺』『五島』『南雲鷹夜』『飛鳥』『ブラニ』

飛鳥「全員名指し!?」

五島「面倒だな」

『至急、ヴァルハイトへ帰還されたし』

静寂。

神宮寺「嫌な予感がするな」

南雲「ああ」

五島「帰らなければいい」

飛鳥「選択肢として出さないでください!」

伝令鳥が、さらに続ける。

『緊急クエスト』

一拍。

『死者――』

ノイズ。

ザザッ。

音が乱れる。

『……訂正』『消息不明者。追加』

静寂。

南雲の目が変わった。

「何人だ」

伝令鳥は答えない。

五島「録音だろ」

南雲「……」

ブラニ「戻りますか?」

神宮寺が、ヴァルハイト方面を見る。

南雲「戻る」

「緊急だ」

五島「面倒だな」

神宮寺「言いながら戻るんだろ」

五島「仕方ない」

帰路を急いだ。

その日のうちに山を下り、日が沈んでからも街道を進んだ。

夜。街道脇。短い野営。食事。最低限の睡眠。

翌朝。まだ陽が昇りきらないうちに出発。

空になった荷馬車は、来た時より軽い。南雲が手綱を握る。馬を潰さない範囲で速度を上げる。

途中。飛鳥は何度か眠った。ブラニも眠った。五島は、本を読んでいた。

飛鳥が起きるたび、ページだけが進んでいた。

飛鳥「……何ページですか」

五島「七十二」

飛鳥「寝てください!」

南雲「放っておけ」

神宮寺「同感だ」

その日の夕方。黒鉄都市ヴァルハイト。東門。

一行が、再び城壁の中へ入る。

飛鳥「……ついこの前、出たばっかりなのに」

神宮寺「初依頼は終わった」

五島「報酬も貰える」

ブラニ「初クエスト、成功です!」

南雲「先にギルドだ」

街は、以前よりさらに歩き方が違っていた。笑う者。喧嘩する者。大道芸。立ち止まる者。兵士に道を尋ねる者。店先で歌う者。誰かが、道の真ん中で酔っている。

飛鳥がそれを見る。

「……変わりましたね」

五島「少しな」

神宮寺「ああ」

南雲「急ぐぞ」

黒鉄冒険者ギルド。

重い扉が開く。

ギィ――。

静かだった。

前に来た時の、酒。笑い。歌。荒くれ者の喧騒。それがない。

人はいる。多い。だが、皆が中央の巨大な依頼板を見ている。

飛鳥「……何か、前と違う」

神宮寺「ああ」

南雲「空気が悪い」

五島「酒は飲んでる」

ギルドの中央。

一行が受付へ向かおうとした時。

低い声。

「おい」

南雲が止まる。

大きな影。

鱗。灰色の革鎧。腰に巨大な湾刀。

リザードマンの冒険者だった。

胸元。

《C》。

その隣には、細身のエルフの女。弓を背負っている。

リザードマンが依頼板を見る。

「カルディアか」

南雲「そうらしい」

「やめとけ」

飛鳥「え?」

リザードマンが鼻を鳴らす。

「《死都》とも呼ばれる場所だ」

一行を見る。

「お前たちみたいなEランクの新入りに務まる仕事じゃねえよ」

一拍。

「安全な薬草採取でもやっときな」

飛鳥「薬草……」

五島「塩の次だな」

飛鳥「そこ拾わなくていいです!」

リザードマンが五島を見る。

「笑い事じゃねえ」

五島「笑ってない」

「Aランクが消えてるんだぞ」

南雲「ああ」

「分かってて行くのか?」

南雲「まだ決めていない」

リザードマン「……」

少しだけ眉が動く。

その時。

隣のエルフが南雲をじっと見る。

「待って」

リザードマン「何だ」

エルフが南雲を指差す。

「あんた、この男知らないの?」

「知らねえよ」

「闘技場だよ。レイヴンに傷をつけた男」

リザードマン「……は?」

飛鳥「あ」

神宮寺「広まってるな」

五島「暇なんだろ」

リザードマンが、ゆっくり南雲を見る。

頭から足まで。

普通の鎧。

普通の長剣。

「……こいつが?」

南雲は依頼板から目を離さない。

「終わった話だ」

ブラニ「本人です!」

南雲「余計なことを言うな」

リザードマン「レイヴンが負けを認めた、って話だが」

南雲「観客が騒いだだけだ」

一拍。

「今は関係ない」

長い沈黙。

リザードマンが腕を組む。

「……だったら」

飛鳥「だったら?」

「薬草採取は、やめとけ」

飛鳥「そこ撤回するんだ!?」

リザードマンはカルディアの依頼書を見る。

だが、笑わない。

「それでも死都は別だ」

南雲を見る。

「剣で斬れる奴がいるとは限らねえ」

南雲「分かってる」

即答。

リザードマン「……」

南雲「だから調べる」

一拍。

「斬れなければ、逃げる」

リザードマンの口元が僅かに上がる。

「なるほど」

五島「まともだろ」

リザードマン「お前は何なんだ」

五島「Eランクだ」

飛鳥「そこだけ正直!」

リザードマンが、少し間を置いてから名乗った。

「ジャグラス」

エルフが続く。

「アエレット」

飛鳥「……名前、あったんですね」

ジャグラス「当たり前だろうが」

飛鳥「すみません」

アエレットが、ふと南雲を見る。

「消えたパーティー、知ってる?」

南雲は少し考えてから答える。

「名前だけだ。《暁の牙》だろ」

アエレット「私たち、少し縁がある」

ジャグラスが黙る。それだけで、何かがあると分かった。

神宮寺「縁?」

アエレット「隊長は、昔こっちの騎士団にいた。魔法使いも、院の出よ」

飛鳥「……エリートだったんですか」

アエレット「二人とも、制度が嫌になって辞めた口」

ジャグラス「型にはめられるのが、性に合わなかったんだろうな」

神宮寺「なら、腕は本物か」

アエレット「本物よ」

短い沈黙。

ジャグラス「だからこそ、嫌な予感がする」

飛鳥「……」

ジャグラス「あいつらが揃って消えるレベルの場所だ」

南雲を見る。

「舐めてかかるなよ」

南雲「舐めてはいない」

ジャグラス「……そうか」

アエレットが小さく頷く。

「無事に帰ってきたら」

一拍。

「呑みましょう。ジャグラスの奢りで」

ジャグラス「何で俺だ」

アエレット「言い出しっぺだから」

飛鳥「今、そんな空気でした?」

アエレットが少し笑った。

受付嬢が一行を見つけた。立ち上がる。

「お待ちしておりました」

神宮寺「何があった」

受付嬢「こちらへ」

奥の扉が開く。

会議室。

長い木卓。壁には、巨大な地図。

黒鉄王国。南。さらに南。オーク帝国《グランガルド》。その国境の少し北。

赤い丸。《廃都カルディア》。

飛鳥「……廃都」

ブラニが地図を覗く。

「ここ。私たちが南へ行くなら近いです。本街道から西へ半日くらい」

五島「道中だな」

奥の扉が開く。

巨大な男。片目に縦の傷。背中に大剣。ギルドマスター。

「来たか」

南雲「呼んだのはお前か」

「ああ。悪かったな」

五島「まともだな」

ギルドマスターが卓に厚い紙束を置く。

「資料だ。欲しがると思ってな」

南雲「話が早い」

神宮寺が椅子に座る。

「何が消えた」

ギルドマスターが、一拍置いた。

「人だ」

静寂。

「三か月で十九人。そのうち、《暁の牙》五人と救援隊六人」

神宮寺「調査隊と救援隊だけで十一」

「そうだ。隊長は元騎士団。魔法使いは院の出。七日後に救援を出した。全員、消えた」

完全な沈黙。

南雲「腕は」

ギルドマスター「確かだった。仲間想いでもあった」

神宮寺「過去形だな」

ギルドマスター「……そうだな」

三枚目の紙。端が焦げている。

南雲が取る。文字が途中で消えている。

『カルディア東門』『内部侵入』『生存者なし』『街路に――』

そこから、黒。滲んでいる。

飛鳥「最後の連絡?」

「二十二日の夜だ。術師は、墨じゃないと言った」

五島が紙を見る。触れない。

「分からんことが多いな」

「だから呼んだ」

南雲が残りの紙を、速く捲る。

「外周に戦闘痕なし。血も、装備も、死体もない。馬も戻っていない」

神宮寺「全員、中で消えた」

「そう考えている。戻ったのは一人だけだ。行商人」

全員が見る。

「二か月前。雨宿りで東門から百歩ほど入った。街の中に人影が何十人もいた。声をかけても誰も振り返らない。全員、中心へ歩いていた」

南雲「それだけか」

「いや。帰ろうとした時、後ろから、自分の名前を呼ばれた」

完全な沈黙。

ブラニ「誰に?」

「分からん。振り返らず、走った」

神宮寺「賢いな」

五島「ああ」

ギルドマスター「それ以来だ。東門周辺に黒い影、霧、声。そんな噂が増えた」

その時。飛鳥の指先が暖かくなる。

ポッ。

小さな橙色。《灯火》。

神宮寺「出たな」

飛鳥「勝手に出ました」

小さな炎が揺れる。飛鳥が壁の地図へ近づく。

カルディア。赤い印。

炎が、細くなる。

飛鳥「……嫌がってる」

五島「火が?」

飛鳥「たぶん。この場所が好きじゃないみたいです」

完全な沈黙。

ギルドマスター「精霊か」

飛鳥「エルデ村で契約しました」

五島「説明すると長い」

ブラニ「火守さんです!」

ギルドマスター「そうか」

神宮寺「依頼内容は」

ギルドマスターの姿勢が変わる。

「三つだ。消えたパーティー。救援隊。そこで何が起きているか。分かる範囲で調べろ。戦闘は命令しない」

南雲「相手はそう思わない可能性がある」

「ああ。交戦するか、撤退するか、救助するか、見捨てるか。現場判断を認める」

神宮寺「見捨ててもいいのか」

「全員死ぬよりはな」

静寂。

南雲が初めて、僅かに頷く。

「まともだ」

ギルドマスター「褒められてる気がしねえな」

五島「気にするな」

別の紙。

《緊急特別依頼》《廃都カルディア調査》《推奨ランク A以上》

飛鳥が、その下の一行を読む。

《生還率推定 一割以下》

黙る。

神宮寺も、数字ではなくその上を見ている。

「Aランクが、痕跡ごと消えた」

ブラニ「馬も、戻っていない」

五島「推定より、そっちの方が厄介だな」

「報酬は前金二十。完了で五十。生存者は一人につき十。発見物は危険物を除き、お前たちのものだ」

五島「高いな」

「帰ってこない依頼だからな。王国との共同だ」

五島「王だからな」

神宮寺が依頼書を見る。南雲が地図を見る。五島が焦げた最後の通信を見る。ブラニが道を見る。飛鳥が《灯火》を見る。

小さな炎は、まだ揺れている。

飛鳥「この前、危険度、低って喜んでたんですよ」

五島「今日は、人が消える方だな」

ブラニが地図を指す。

「行く方向です。ここを越えれば、グランガルドです」

静寂。故郷。ブラニの帰る場所。

南雲「避ける道は」

ブラニ「大きく西へ回れば七日。多分」

五島「遠いな」

神宮寺「それだけなら回ってもいい」

ブラニが、少し黙る。

「……子どもの頃、父さんと通ったことがあります。廃都になる前の、大きな街でした」

赤い印を見る。

「だから、何があったのか、少し知りたいです」

五島「そうか」

南雲が地図を見る。

「なら」

飛鳥「……行くんですね」

南雲「まだ決めてない」

神宮寺「資料は全部見る」

五島「俺も」

ブラニ「私も!」

飛鳥が椅子に座る。

「私も見ます」

ギルドマスター「受けるのか」

神宮寺「まだだ」

南雲「準備してから決める」

ギルドマスターの口元が、少し上がる。

「それでいい。即答する奴ほど、カルディアじゃ死ぬ」

南雲「同感だ」

五島「珍しく気が合ったな」

夜。冒険者ギルド。会議室。

資料が散らばる。

外では、喧騒が少しずつ戻っている。酒。笑い。歌。だが、この部屋だけは静かだった。

南雲が紙を並べる。

「最後の連絡は、全て夜だ。霧も夜。行商人は夕方」

ブラニ「カルディアは谷です。霧が溜まります」

五島が焦げた紙を見る。

「魔術だけとは限らんな」

南雲「夜に入らない。昼に接近。外周確認。退路確保。帰還時刻を決める。越えたら撤退」

神宮寺「いいな」

五島「普通だな」

飛鳥「普通でいてください!」

ブラニ「私が道を見ます」

南雲「ああ」

神宮寺「俺は治癒」

飛鳥「私は……」

指先。

ポッ。

小さな《灯火》。

「これ?」

南雲「霧を払える」

神宮寺「十分だろ」

飛鳥が火を見る。

「本当に、地味なのに」

炎が、少し大きくなる。

五島「怒ったんじゃないか」

飛鳥「ごめん!」

炎が揺れる。少しだけ、機嫌を直したように見えた。

会議室の扉の外。ジャグラスとアエレットは、まだ帰っていなかった。壁に寄りかかって待っていた。

ジャグラスが顔を上げる。

「決まったのか」

神宮寺「まだだ。だが、受けると思う」

アエレット「……そう」

一拍。

ジャグラス「あいつらのこと、見つけたら」

言葉を探す。

「無事でも、そうじゃなくても。知らせてくれ」

南雲は一度、相手の目を見る。

「約束はできん」

ジャグラス「分かってる」

一拍。

「隊長に、一度だけ助けられた」

アエレットが横を見る。否定しない。

南雲「だが、忘れはしない」

ジャグラスが小さく頷いた。

アエレットが南雲を見る。

「呑みの件、忘れないでよ」

南雲は、少し間を置く。

「奢りなら、覚えておく」

アエレット「今、聞いたでしょう」

南雲「条件だけだ」

飛鳥「聞いてました!」

南雲「お前は黙ってろ」

アエレットが小さく笑った。だが、その目は、依頼書から離れなかった。

深夜。最後の資料まで読み終える。

南雲が閉じる。

「受ける」

神宮寺「ああ」

五島「仕方ない」

ブラニ「はい!」

ギルドマスターが入口に立っている。

「決まったか」

南雲「条件がある。撤退判断は俺たちがする。情報を隠すな。現地で新しい事実が出たら、依頼より命を優先する」

ギルドマスター「認める。隠さない。それでいい」

南雲「なら」

依頼書を取る。神宮寺がペンを持つ。

飛鳥「神宮寺さんが書くんですか?」

神宮寺「字が一番まともだ」

五島「面倒だ」

神宮寺が署名する。

《JACK》

飛鳥「パーティー名、JACKなんですか!?」

神宮寺「他にないだろ」

五島「店名だな」

南雲「分かればいい」

ブラニ「かっこいいです!」

ギルドマスターが依頼書を見る。

「JACK。変な名前だな」

五島「よく言われる」

ギルドマスター「どんな由来だ?」

五島「JACKへようこそ、ローズ」

神宮寺「変な説明をするな」

ギルドマスター「……ローズ?」

神宮寺「忘れろ」

印。

ドン。

《受注》《緊急特別依頼》《廃都カルディア調査》《パーティー JACK》

《目的》消えたパーティーの捜索。救援隊の捜索。異常現象の調査。生存者がいれば救助。不可能なら撤退。

飛鳥が、一番下の赤い一行から目を逸らす。

五島「見なくていい」

飛鳥「見ました」

南雲が、腰の長剣に手を置く。

普通の剣だ。観客が騒いだ夜の、あの刃ではない。それでも、同じ手が握っている。

南雲は、そのまま剣を確認して離す。

神宮寺が《護生灯》に触れる。飛鳥が小さな《灯火》を見つめる。ブラニが地図を見る。五島が《菊の刃》に触れる。

つい昨日まで、彼らが向き合っていたのは、山村の小さな祭りだった。誰も倒さなかった。世界も救わなかった。ただ、消えかけた火を、次へ渡した。

これから向かう場所には、火がない。人が帰らない。声だけが、名前を呼ぶ。

廃都。カルディア。

飛鳥が指先の小さな炎を見る。

「……大丈夫?」

炎が、

ポッ。

少し明るくなる。

五島「返事したな」

飛鳥「多分です」

南雲「行くぞ」

飛鳥「今から!?」

南雲「寝る」

飛鳥「紛らわしい!」

神宮寺「明朝だな」

ブラニ「出発です!」

五島「また朝か」

ギルドの外。黒鉄都市ヴァルハイト。夜。

遠く。黒い鐘が鳴る。

ゴォン――。

一度。南方。

誰も帰らない街。そこに何がいるのか。まだ、誰も知らない。

道は、廃都へ続いている。

――【JACK】─外典 途中の世界/第十四夜 緊急クエスト 完

──廃都カルディア。
誰も、即答しなかった。

──死都カルディア。
静寂の中で鳴る鐘と、霧の向こうから呼ぶ声。
美しく、そして不穏な廃都を描いたラテン語のダークファンタジー曲。
《緊急クエスト》を彩る、死者の街の歌。

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