会社経営で最初に探すべき「税理士」と、失敗しない付き合い方
会社経営をしていると、さまざまな士業の方と顧問契約を結ぶことになる。 弁護士、税理士、司法書士、社労士、行政書士――。 (司法書士や行政書士との顧問契約というのは、日常的には珍しいかもしれないが)
そして、起業して一番最初に探すべきなのは、間違いなく「税理士の先生」だと思う。
まずは「自分でやる」と決めたが、税務だけは別だった
私が会社を立ち上げた当時は、「まずは一通り自分でできるようになってから士業や外部委託を検討しよう」と考えて実際にそう動いた。
しかし、税務だけは別だった。
「あんなのわかるわけない……」 そう悟った私は、知り合いもいない中で、立ち上げたばかりの会社に届いたDMへと連絡し、そのまま税理士と顧問契約を結んだ。
本来であれば、何人かと会い、しっかりと自分の考えと合うかを検討すべきなのだろう。
攻めた節税を提案してくれる人、グレーは許さないと徹底して保守的な人。
税理士の先生とは長く付き合うことになるし、ビジネスのパートナーとして動いてもらうことになる。
士業と言っても人それぞれなので、自分に合う人を探すのは本当に重要だ。
「運」に左右される税理士との相性
私の場合、DM1件のみで契約したが、今思えば運が良かったのだろう。
本当にすごい良い税理士の先生とつながることができた。
余談だが、会社を10数年やっていると他にも税理士の先生と関わる機会はあるが、中には「この人は止めておいたほうがいい」と思う人や、どうしても合わないと感じる人も大勢いた。
また、同じ会社であっても担当者が変われば対応はガラリと変わる。
運良く1件目で素晴らしい先生に出会えたものの、一度その先生から別の人に担当が変わったことがある。
その担当者は失礼ながらあまりに知識がなく(実戦経験がないのだろう)、会うのが苦痛に思えるくらいだった。
「全面的な信用と丸投げ」はリスクでしかない
「税理士にすべて任せているから大丈夫」と考えるのは大きな間違いだ。
税理士の仕事の基本は、こちらが提出した書類をまとめることにある。
極端な話、こちらが不正だと分かっていて隠せば、税理士も気づかない。
仮に気づいたとしても「提出された書類通りに処理したから知らなかった」と言われれば、税理士が責任を取ってくれるわけではない。
脱税の相談をすれば当然断られるが、グレーな部分を教えてくれることはあったとしても、それを実行するのはあくまで経営者であり、最終的に責任を取るのも経営者だ。
数字を把握する義務は、経営者自身にある
「言われた通りに実行する」という姿勢も危険だ。
中には、領収書も売上も自分で確認せず税理士に丸投げし、給料計算も社労士にすべてお任せしているという経営者もいる。
「自分は営業に専念するんだ」という考え方なら、それも一理あるのかもしれない。
ただ、私は自分の会社の数字は確実に把握しておきたいし、疑問に思ったことは自分で答えを出しておきたい。
だからこそ、できる限りの処理は自分で行い、その上で士業の先生方にお願いする形をとっている。
先生方が「この方法がいい」と言うことを鵜呑みにしてそのまま実行しても、それが今の自分の経営方針と違っていれば、たとえ世間的に良い方法だとしても最善とは言えず、後で後悔することになる。
「節税」と「脱税」の境界線を知る
節税は積極的にすべきだ。
小規模企業共済やいくつかの保険、退職金共済など、明確に「大丈夫」とされている方法は積極的に活用しよう。
一方で、「これならグレーいけるんじゃないか?」「これくらいバレないだろう」と思うような節税は、大体脱税に繋がる。
そして、そういった方法は、自分が思いつくよりもはるかに多くの人が思いついており、税務署もとうに知っている。
もし「これってどうなんだろう?」と思う方法があったら、実行する前に税理士に確認しよう。
ダメな行為であっても、実際に実行に移すまではセーフなのだから。
うまく関係を築き、先生方の専門知識をうまく使い倒すことができれば、会社により大きな利益を生み出すことができる。結局のところ、自分の会社を守れるのは自分だけなのだ。
おわりに
会社を長く続けていくうえで、士業の先生方は間違いなく心強い味方になってくれます。
しかし、「プロに任せておけば安心」と完全に思考停止してしまうと、いつか足元をすくわれるのは自分自身です。
自分で数字に向き合い、正しい知識をつけ、プロをうまく使い倒す。
その姿勢があってはじめて、本当の意味で会社を守り、大きくしていくことができるのだと実感しています。
この記事が、これから会社を立ち上げる方や、現在の税理士との付き合い方に少しモヤモヤを感じている経営者の方の参考になれば幸いです。
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