チャンプと出会い系アプリと六法全書
記者「チャンプ。あなたが本格的にアームレスリングを始めるきっかけは?」
チャンプ「はい。出会い系アプリで知り合った女性と初めて会うことになったんです。
その際、『待ち合わせの目印に六法全書を片手で持っていてください』と言われまして。
ところが、どうしても片手で持てず、仕方なく両手で持って待っていたんです。しかし、相手は結局現れませんでした。
あの日以来、『あのとき片手で六法全書を持てていれば会えていたはずだ』と思い、本気で腕力をつけてやろうと決意したんです」
記者「なるほど。マッチングアプリがきっかけになったと」
チャンプ「ええ、出会い系アプリがきっかけになりました」
記者「ひょっとすると、マッチングアプリをやっていなければ、チャンプの世界アームレスリング大会二十連覇の偉業達成もなかったかもしれませんね」
チャンプ「ええ。ひょっとすると、出会い系アプリをやっていなければ、二十連覇はなかったかもしれません」
記者「ちなみに、マッチングアプリは今でもやられたりは?」
チャンプ「さすがに今は出会い系アプリはやりませんね」
記者「そうですか。
それでは、チャンプの今後の目標があれば、ぜひ教えていただけませんか?」
チャンプ「ええ。ぼくは出会い系アプリの一件以来、六法全書をつねに肌身離さず持ち歩くようになりましてね」
記者「ほう、マッチングアプリの一件以来?」
チャンプ「トレーニングのかたわら、それをペラペラめくるのがクセになりまして。
気づいたら内容を完璧に暗記してしまったんです。
こないだ試しに司法試験というやつを遊び半分で受けてみたら、受かっちゃいましてね。弁護士の資格を取っちゃったんです」
記者「遊び半分で司法試験に合格ですか? それはすごいですね」
チャンプ「まあ、言ってみれば、ぼくの人生のすべては出会い系アプリから始まったのかもしれません」
記者「マッチングアプリ伝説ですね」
チャンプ「出会い系アプリ伝説ですね」
記者「では、チャンプ。本日はお忙しいところ、長々とインタビューに答えていただき、ありがとうございました」
チャンプ「いや、こちらこそ。つまらない話ばかりで、書くことがなくて困りませんか? はっはっはっ」
記者「とんでもない。『二十連覇の陰にマッチングアプリと六法全書あり』――これでバッチリですよ」
チャンプ「それならよかったです」
記者「マッチングアプリ」
チャンプ「出会い系アプリ」
記者「マッチング」
チャンプ「出会い系」
記者「マッチ」
チャンプ「出会い」
記者「マ」
チャンプ「出」
(終)
