雑談放送室 vol.8 会議のグダグダには編集脳が効く?!
こんにちは。『へんの学校』、用務員室のOZOです。
『へんの学校』は、編集の思考や手法で課題や悩みの解決を目指す、登録制の無料オンラインスクール。本編の講座では取り上げないあんなことやこんなこと、講師・稲田のエピソードや裏話等々、放送室で雑談した番外編をYouTubeで配信中です。その配信を記事にしました。ぜひnoteでもお楽しみください!
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講師:稲田稔(編集者/編集七味 代表)
出版社・編集プロダクションでのキャリアを経て、編集七味を設立。
書籍・雑誌・Webメディアを横断しながら、企業のコンテンツ戦略や社内編集部の立ち上げ支援、長年の実務で得た「編集の暗黙知」を、若く新しい世代の編集者やライターへつなぐことに力を注いでいる。
株式会社編集七味について→
ファシリテーター:本田もみじ
ライター / マーケター。ブランドグロースパートナーROOTWITH代表。常々ビジネスシーンにおける「編集」の必要性を感じている。へんの学校では、稲田氏に疑問をぶつけながら、暗黙知のすくい上げを担当。
ブランドグロースパートナーROOTWITHについて→
意見に対して反論するだけの人は難儀・・・
ファシリテーター 本田(以下本田):
皆さん今日もお疲れさまです。『へんの学校』雑談放送室の時間です。この番組は編集という何ともつかみどころのないものについて、全方向から取っ組み合っていく『へんの学校』の番外編、文字通りの雑談番組となっております。ファシリテーターの本田です。
講師 稲田(以下稲田):
『へんの学校』、講師の稲田です。
本田:
じゃあ稲田さん、今日もですね、本講座では話せないような編集の裏側というか、雑談話をお聞きしていきたいと思います。準備はよろしいでしょうか。
稲田:
はい、よろしくお願いします。
本田:
最近ね、オンライン会議がすごい増えてきて。。。在宅で仕事してるんで、いろんな会議に出るんですけど、めっちゃ不毛な会議があったんですよ。参加者は4人で、決めなきゃいけないことは見えてるんですけど、みんなが各自の意見を言い、できない理由だけを述べ、何も決まらず終わったやつ。もうね、なんかしんどくて、その日。。。ZOOM 切ったのが18時ぐらいだったんですけど、もう終わろうと思って飲みに行っちゃいました。
稲田:
本田さんは決定する役割やったんですか? それともみんながフラットな立場やったんですか?
本田:
フラットです。ガチの仕事というよりは、みんなで一つのプロジェクトを仕上げましょうみたいな感じで。特に締め切りが決まってなくて、切迫感もなかったんですよね。とはいえ、決めなきゃいけないことは一応見えていて、ロードマップも引いてあるのに、じゃあ進めましょうとなると、みんながああだこうだ、こういうのはできる、こういうのはできないって言って。。。リスクヘッジ的な話ばっかり多くなって、何も決まらずに終わりました。
稲田:
まあね、一番の曲者は、「みんなで」ってやつですからね。
本田:
ほんとそうなんですよね。で、初めての方ばっかりじゃなかったりすると、安心しちゃうじゃないですか、何か話進むやろぐらいの感じで。最近それも良くないなと思ってるんですけど。。。でも、稲田さんこそ調整役が多いと思うので、いろんなクリエイターさんとプロジェクトを走らせる中で、そういうことないですか?
稲田:
めちゃくちゃありますけど、幸い自分は編集という立場で参加することが多いので。ある程度議題に対してのゴールみたいなのを設定してたり、ゴールに導かなければいけない役割を担うことが多い。姿勢としては、会議をいかに終わらすか、どうやってローンチさせるか、ゴールさせるかみたいなところを目的としてこっちはやってるつもりなんですけど。本田さんがおっしゃったように、誰が先導か、誰が責任を取るのかっていうのが分からない会議は、まあ終わんないですよね。
本田:
そうなんです。なんかね、変に忖度もしちゃうんですよ。一つの議題に対して3人は意見を言ったけど、残りの1人はまだ何も言ってないなと思ったら「どうですか?」って聞いちゃって。そこでまた、70%ぐらい決まったことが49%ぐらいに落ちちゃうみたいなね。その繰り返し。。。
稲田:
そうそう。何ていうかな、意見に対して問われた時に、それに乗っかるタイプの人と、それに対して反論的なことで自分のコメントを担保する人。大きくタイプを分けると2つあるんですけど、その反論タイプが難儀なんですよね。
本田:
別に悪意があるわけじゃないんですよ、多分そういう方も。ただ単に自分の経験と意見で、「そういう時ってこういうことが起こりがちだから」とか「そういう時ってこういうのはちょっと気をつけとかなきゃいけないよね」っていう。。。アドバイスとしてはありがたいんですけど、話が進まないじゃないですか。
稲田:
そうそうそうそう。だからね、そこをグッと飲むとか、もしくはアドバイスとしてそういうリスクがあるよ、でもその時はこういう風に解決できるよとか、解決するためにはこうしたいいよっていう、その次の解決案まで提示してくれたらいいんだけど。反論の反論で終わるみたいなね、それでええこと言ったみたいな顔して座ってる人はいますよね。
本田:
でもこれね、打ち合わせが本当のガチの案件で、クライアントが居る時とかは逆に分かりやすい気がするんですよ。
稲田:
そうですね、分かりやすくはありますね。
答えの選択肢を提示できる人がいるとスムーズ
本田:
特に編集だったら、一つのプロジェクトとか、一つのコンテンツを作りましょうという時に、いろんな属性の人がワーっと集まって打ち合わせやキックオフをする場で、調整役として稲田さんが居る時は何に気をつけてはるんですか?
稲田:
まず言いたいことや意見は、とりあえず出せるものは全部出してもらいますね。まずは聞く時間を設けて、それに対しての調整になっていくので。自分の意見を要件としては喋れるんだけど、結論として喋れない人が多くて、より結論めいたことを言ってもらえるような問いを発することが多いかな。
本田:
ああ、なるほど。
稲田:
結論を出さなあかんっていうことは、イエス・ノーを潰していかないといけないじゃないですか。そのための問い方、聞き方って何かある気がするんですよね。だから「どう思います?」っていう聞き方と、「この案件はこれこれこうで、AとBという選択肢がありますけど、どっちがベターですか?」っていう聞き方では全然違いますよね。その選択肢を提示できるかどうかが、会議の進行というか仕切り役としては必要なノウハウかなとは思います。
本田:
それができる人が、会議に一人居るといいですよね。
稲田:
決める人が居ないと、決まらないのが必然ですからね。
本田:
そうなんですよ。会議の中で、すごいちっちゃな意思決定っていっぱいあるじゃないですか、正直どっちでもいいよねみたいな。だけど、今日どっちかを決めた方がいいよねみたいな時とか難しいですよね。決定打がない時。
稲田:
これもまあ人のタイプによるんでしょうけど、僕とかは7割ぐらいどっちでもええと思ってるんですよ。
逆に、「こうじゃないといけない」っていう思い込みがあるのに表に出さない人が一番難儀ですよね。特に、重鎮的な人とかね。最終決定する人って、腕組んで「ふんふんふんふん」言うて、最後に「でもさ」みたいな。でも、言うんやったら最初に言え、みたいな感じになりません?
本田:
なります、なりますなります。
稲田:
そういう方が決定者である時こそ、最初に結論めいたものは出していただきたいって思ったり。
本田:
間違いないです。なぜその場に呼ばれたのかを考えたうえで、自身の一言の重要度を理解されていらっしゃるなら、初期の段階で一言いただかないと困りますよね。
稲田:
そうですよね。もう単なる時間泥棒ですからね。
本田:
そうそうそう、そうなんですよ。
稲田:
なんかまあ、自分が決定権がある側で参加しないことも多いので。そうなってきたら、人の意見が出た時に、もちろん違うかったら違うでいいんだけど、「違うけどどうする?」「違うからこうしよう」っていう、答えの選択肢を提示できる人が複数いると、ある程度スムーズに進むのかな。
本田:
うんうんうん、そうなんですよね。さっきの私の会議では、そのプロジェクトの打ち上げの場所を決めなきゃいけなかったんですよ。
稲田:
どうでもいい話、どうでもいい(笑)。
本田:
とはいえ、ステークホルダーを呼んでちょっとした場も押さえなきゃいけないし、会場探しもしなきゃいけないし。じゃあケータリングするのか、お店を貸し切りにするのかとか、ああいう20人ぐらいの場を決める時ってめっちゃ大変じゃないですか。で、梅田でやるか難波でやるかで、まずそこで揉めたんですよ。簡単に言うと。
稲田:
はいはいはい。
本田:
私はどっちでもいいんですよ。どっちでもいいと思うんですが、決定打がないので。そこでみんなが「うーん、でも梅田だとこうだけど、難波だとこうだよね」って、それぞれのメリットデメリットだけ言ってシーンってなるみたいな。
稲田:
はいはいはいはいはい。まああんまり良くないですけど、そういう場合はもう多数決ですよね。
本田:
仮にね、全員の力関係が同じだったとするじゃないですか。そこで仮に私が「いや、ちょっと待って。これどっちでもいいけど、今決定打がないんでしょ?」「それやったらもう多数決で決めませんか」とか、もしくは「前回は梅田だったから次は難波にしよう」とか。別に私は指揮官でも何でもないんですけど、決定に対する一石を投じちゃうことは、それはそれでいいんですかね。
稲田:
いいんちゃいます? 僕はどっちかと言うと短気なんで、そんなことばっかりしてますよ。例えば場所どうしようとか、お店どうしようなんて、その場で喋ってても難波か梅田かぐらいまでは決まるかもしれないですけど、その次のお店なんて分かんないじゃないですか。なので、そうなってくると、プロジェクトの中の一つのパーツとして、「誰々さん、お任せしますんで、今までの議論を含めて決めてください」っていう投げ方はするかも。「じゃあ後日ね」「いついつまでに決めて連絡ください」って言って。
その場で喋ってても仕方がないことを、ウダウダしゃべることってあるじゃないですか。「もうじゃあこれ誰々さんマターで決めてください」っていう締め方をすることも多いです。
本田:
いやもう、イチ会議にイチ稲田が必要ですね。これね。
稲田:
いやいやもう、そんなのはみんなどっかで思ってることですよ。
本田:
思ってるんだけど、やらないし、やれない方が多いでしょ。私は忖度して「もういいか」と思って、グダグダだけど私が何か言うてもしゃあないわとか思って、ふんふんって言って終わっちゃうことありますもん。
稲田:
まあそれはね、しゃあないわと思ってしまえばもう終わりなんで。ただなんか時間がもったいなくなってくるじゃないですか、だんだんそこに居ること自体が。それならとっとと決めてしまおうと。「もうわかった。この話は僕が宿題で持って帰るから、次の議題に行きましょう」とか、そういう時もありますよね。
本田:
ああ、なるほど。
稲田:
短気は損気です。
イエスノーチャートで落としどころを探る
本田:
でもそれってやっぱり、場所決めとかに限らず、お仕事でも同じようなことを多分いっぱいされてるんですよね、稲田さんは?
稲田:
まあまあそうですね、仕事となるとね。自分たちの中での内製というか、中でのジョブになってくると、意思決定は早いんですけど。クライアントさんがいらっしゃる場合、要はそのクライアントさんが何を考えてどこに持っていきたいかっていうのがまず一義じゃないですか。それに対して答えの早い遅いとか、ものすごく選択肢を頭の中にいっぱい持ってる人とか、そうなってくると必然長くなりますよね。
本田:
うんうん。とはいえ、どこかのゴールに落としどころを見つけて狭めていく感じですよね。きっと。
稲田:
そうですね、うん。だからそれは本当に、イエスノーチャートと一緒なんですよね。AとBどっちが、よりベターですか? Aですね? じゃあAの中でのCとDどっちがベターですか? みたいなことを詰めていかないと、仕方がないですよね。
本田:
うん。やっぱりその問いの立て方ですよね。そこで変なAとBを出しちゃったら、結局また紛糾しますもんね。
稲田:
そう。だからその AとBを見た時に、これは違ったなっていうことはよくあります。その辺はやっぱり相手の表情とか態度とか声のトーンとかも踏まえたうえで、「あ、さっきのは違うな」みたいな形で、「じゃあちょっと別案にしましょうかね」みたいなことはやっぱりしますよね。
本田:
軌道修正をかけながら。
稲田:
そうそう。それでAかBでBやな、CかDでDやなって言うた頃に、中堅どころが出てきて「さっきのAだけどさ」みたいなことを言ってくるんですよ。
もう終わったから、そこ! みたいな。
本田:
そう。せっかく難波って言ってたのに、天王寺案が浮上してくるんですよ、そこで。
稲田:
そうそうそうそう。天王寺ってまた遠なっとるやんけ、安いけど、みたいな。この話あれですね、大阪の参加者以外わかんないですね。
本田:
ほんまや。Google マップ開いていただいてね。
稲田:
わざわざこのためにね。
会議はもちろん、いろんな物事のプロセス自体が編集
本田:
いやでもそう考えたら、会議は編集脳を持った人が必要っていうのはすごい大事なことですね、きっと。
稲田:
そうですね。会議に限らず、人との会話とかね。そういうのって全部、話の取捨選択やったり、それをどうやってオチに持っていくかやったり、みたいなプロセスがどこにでもあると思うんで。そのプロセス自体が、とっても編集的な作業やとは思いますけどね。それを意識してやるか、無意識でやるかの違いで。
意識しだすと、今あの人はこういう立場でこういう意見を言ってるな、これってこの会議にとって前に進む話なのか、横にスライドさせてるだけなのか、後ろに戻してるのかっていうのが見えてくると思うんですよ。
後ろに戻してるんであれば、その話は要りませんよということを当たり障りなく表現して、前に進めるような努力をすることができていくというか、見えてくる。見えてくると、できていくみたいなプロセスかなと思います。
本田:
意外と高度テクニックですね。
稲田:
意外とね。 人が関わると、やっぱり忖度もあるし、ここで私がこんなん言っちゃっていいんだろうかっていう立場的なものもあるし。テクニックとしても、人としても難しいと思います。
本田:
いや、でもやっぱり会議が終わったら美味しいビール飲みたいじゃないですか。「ああ今日決まったね」「もうこれで半分進んだも同然だね」「絶対うまくいくね」って言って締めたいんですよ。
稲田:
その「半分進んだも同然」というのが一番ヤバいんですけどね。
本田:
わかってますよ(笑)。でも、やっぱり気持ちですよ。いい会議だったって気持ちになって、前向きに ZOOM を閉じられるというね。
稲田:
いいですね。ぜひ我々も、そういう会議を常日頃やるようにしましょう。
本田:
なんか揉めそうな会議は、稲田さん呼びますんで来てください。
稲田:
結構です。。。
本田:
はい。じゃあ、今日の雑談はこの辺にしておきましょう。稲田さん、今日もいろいろ面白いお話ありがとうございました。
稲田:
とんでもないです。こちらこそ。
本田:
さて、ということで、もっと深く編集について実践をしてみたい、ご自身のお仕事にこのマインドを生かしたいという方は、ぜひ公式サイトの方から『へんの学校』をチェックしてみてください。参加のための登録は無料、より実践的な内容で講座をお届けしております。
稲田:
いよいよね、本講座も始まる時期になってまいりまして、どういう学校になるのか楽しみにしていますので、皆さんもこぞってご参加ください。
本田:
それでは次回の雑談放送室も楽しみにお待ちください。お相手は本田と・・・。
稲田:
稲田でございました。
稲田&本田:
ありがとうございました。
お読みいただきありがとうございました。
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