経済を学ぶ!「百貨店は生き残れるか」デパートの雄、三越伊勢丹を検証
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全国で百貨店の廃業が続いている
全国の地方都市で百貨店の廃業が続いています。東京などの大都市圏でも閉店は相次いでおり、これまでと同じやり方を続けていては、存続が難しくなっています。
日本の百貨店は1991年にピークを向かえ、当時は約9兆7000億円に達しますが、それ以降下落を続け、現在は6兆円を切る状態になっています。
その間も、日本の小売業は全体としては伸び続けています。つまり小売業全体に占める百貨店の割合が減少しているのです。
SPAの低価格品が百貨店の市場を浸食
百貨店の低迷で特に顕著なのが衣料品の売上で、かつてはブランド品を中心に、大きな割合を占めていた衣料品は、ピークの半分以下にまで落ち込んでいます。
一方、百貨店の衣料品販売に置き換わる形で、ユニクロや、紳士服量販店の売り上げが伸びています。
同じような現象は、ニトリに代表される家具量販店や、日用雑貨の分野でも起きています。
このような業態は、小売業が自ら製造に関与することから、製造小売り(SPA)と呼ばれています。
三越伊勢丹の業績や株価は今後どうなるか
そこで日本を代表する百貨店と言えば、三越伊勢丹を置いて他にはありません。その歴史や繁栄、企業規模などで他の追随を許していません。
これを踏まえて、三越伊勢丹の業績や株価は、今後どんな展開になるのでしょう。
日経新聞の「経済教室(Analysis)」で指摘された「百貨店は生き残れるか:ささやかな潤い 提供に活路」と言う視点は、
今後の三越伊勢丹ホールディングス(3099)の株価展開を占う上で、極めて本質的なテーマを突いています。
現在の三越伊勢丹の株価動向と、この記事の文脈を踏まえた今後のシナリオを整理します。
現在の株価立ち位置と市場の評価
三越伊勢丹の株価は、2026年に入りインバウンド(訪日外国人)の爆発的な増加や富裕層による高級ブランド・宝飾品の「高額消費」を追い風に急上昇しました。
年初の2,300円台から、6月末には、一時4,192円の年初来高値を記録しています。
その後、7月に入ってからは利益確定売りに押され、足元(7月10日時点)では3,841円近辺で揉み合う展開となっています。
現在の株価は「インバウンドと富裕層ビジネスの絶好調さ」を既に織り込んだ高値圏にあります。
「ささやかな潤い」が示す株価への影響シナリオ
記事が指摘する「ささやかな潤い」への活路(=単なる高級品依存ではなく、中間層や日常に上質な体験を提供するビジネスへの回帰)は、
株価に対して「短期的な調整・二極化」と「中長期的な下値の堅さ」と言う2つの側面をもたらすと考えられます。
短期〜中期シナリオ
一本調子のバブル的上昇から「二極化」へと向かい、これまでの株価上昇を牽引してきたのは、
円安を背景にしたインバウンドの「爆買い」や、株高による資産効果(富裕層ビジネス)と言う、いわば外的なブーストでした。
しかし、これらは為替レートや景気動向で、一気に冷え込むリスクを孕んでいます。
市場が「持続可能な成長力」を見極めようとするフェーズに入るため、ここからの株価は一度調整を挟むか、上値が重くなる可能性があります。
記事の指摘通り、日常的な楽しさや体験価値(コト消費、独自編集の売り場)へ投資をシフトする時期は、一時的にコストが先行するためです。
長期シナリオ
長期シナリオとしては、ボラティリティ(変動幅)の低い「持続安定株」への脱皮が求めれれるかもしれません。
もし三越伊勢丹が「ささやかな潤い」を求める国内の中間層〜アッパーミドル層を再び惹きつける構造改革(ファン化、アプリや識別化された顧客マーケティングの成功)に成功すれば、株価の評価(PERなど)の質が変わります。
景気に左右されやすい「水物(みずもの)」のインバウンド依存から脱却し、「日本国内の手堅い消費をがっちり掴んでいる企業」として再評価されれば、
景気後退局面でも売られにくい、下値の極めて強い株価形成へとシフトしていくでしょう。
投資家としては、毎月の「月次売上高」に於いて、免税売上(インバウンド)だけでなく「国内一般売上」がどれだけ伸びているかが、この記事の言う「生き残り策」の成否を測る最大の株価指標(シグナル)になります。
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