FIFAワールドカップ2026 準々決勝の見どころ【日本時間・7月10日】モロッコvsフランス
ワールドカップ2026、いよいよ準々決勝(ベスト8)が開幕します。日本時間7月10日の第1試合は、モロッコとフランス。2022年カタール大会・準決勝の再戦です。4年前、アフリカ勢史上初の4強という歴史を作ったモロッコは、フランスに0-2で敗れて夢を止められました。ただ、今回のモロッコは「奇跡の続き」だけではありません。ブラジル・スコットランド・ハイチが入った難しいグループを無敗で抜け、ラウンド16ではカナダに3-0と完勝。堅守で耐えるだけでなく、自ら試合を動かす力も備えた、実力ある挑戦者です。対するフランスは、ムバッペ・デンベレら大会屈指の攻撃陣でここまで順当に勝ち上がってきましたが、フランスにとってモロッコは、今大会ここまでで最も総合力を問われる相手になります。雪辱か、王者級の地力か。ベスト4を懸けた大一番をお届けします。
※選手名の前に付く「#10」などは、すべて背番号です。
この日の試合
準々決勝の初日は、モロッコ×フランスの1試合。アフリカ勢として2022年に4強へ進んだモロッコが、その準決勝で敗れた相手フランスに、今度こそ挑みます。片やフランスは、ムバッペとデンベレの二枚看板が絶好調。過去の対戦成績と個の総量では優勝候補フランスが上ですが、モロッコの堅守と勝負根性は侮れません。勝者はベスト4へ。
(カッコ内はFIFA公式ランキング・2026年6月11日版です)
モロッコ(7位)vs フランス(3位)
日本 7/10 5:00 / 現地 7/9 16:00・ジレット(ボストン)

因縁の再戦です。2022年カタール大会の準決勝で、モロッコはアフリカ勢史上初の4強という快挙を成し遂げながら、フランスに0-2で敗れ、決勝の舞台を逃しました。あれから4年、モロッコは再びベスト8でフランスと相まみえます。フランスはムバッペを筆頭に個の質で大会屈指。対するモロッコは、ハキミやウナヒを軸にした組織的な堅守と、土壇場での勝負根性が武器です。雪辱に燃えるモロッコが、王者級のフランスをどこまで追い詰められるか。
30秒でわかる構図
モロッコ:ウアビ監督のもと、主将ハキミ(#2)が右サイドを支配し、ウナヒ(#8)が中盤から前線へ推進、ラヒミ(#9)らが仕留めます。サイバリ(#11)はハムストリング負傷により欠場見込みで、前線の組み替えが焦点です。ラウンド16ではカナダを3-0(ウナヒ2発)で退け、2大会連続のベスト8に到達しました。
フランス:デシャン監督のもと、主将ムバッペ(#10)とデンベレ(#7)の二枚看板が大会を席巻。バルコラ(#12)やオリーズらも加わる攻撃陣は大会屈指で、テオ・エルナンデス(#19)が左を駆け上がります。中盤の要チュアメニ(#8)の状態は、構成の変数です。ラウンド16ではパラグアイをムバッペのPKで1-0と下しました。
懸かるもの:勝者がベスト4(準決勝)へ。2022年の借りを返したいモロッコが番狂わせを起こすのか、個の総量で上回るフランスが3大会連続の決勝進出へ一歩近づくのか。
注目選手
【モロッコ】
#2 アシュラフ・ハキミ(DF・主将/パリ・サンジェルマン(フランス)):世界最高峰の右サイドバックにして主将。攻め上がりの推進力とセットプレーのキックは、モロッコの生命線です。フランスのクラブ(PSG)でプレーする男が、母国の期待を背負ってピッチに立ちます。
#8 アザディン・ウナヒ(MF/ジローナ(スペイン)):中盤から前線へ飛び出す推進力が武器。ラウンド16のカナダ戦では後半に2得点と、勝負どころで結果を出しました。この大会で「乗っている」モロッコの得点源です。
#14 イッサ・ディオプ(DF/フラム(イングランド)):フランス・トゥールーズ生まれのセンターバック。かつてはフランス代表を志望し、モロッコやセネガルの誘いを断ってきましたが、2026年3月にモロッコ代表を選び、いまはムバッペを止める側に回りました。ラウンド32のオランダ戦では後半アディショナルタイムに値千金の同点ヘッド(タルビのクロス)を決めており、守備だけでなく勝負どころの一撃も持っています。フランスにルーツを持つ守備者が母国の象徴に立ち向かう——この個人の因縁も見どころです。
【フランス】
#10 キリアン・ムバッペ(FW・主将/レアル・マドリード(スペイン)):フランスの絶対的エースにして主将。この大会もすでに7得点を挙げ、得点王争いの中心にいます。一瞬のスピードと決定力で、モロッコの堅守をこじ開ける最大の武器です。
#7 ウスマン・デンベレ(FW/パリ・サンジェルマン(フランス)):ムバッペと組む、もう一枚の看板。ノルウェー戦ではハットトリックを達成するなど、この大会は4得点と絶好調。両翼のスピードで相手守備を切り裂きます。
#12 ブラッドリー・バルコラ(FW/パリ・サンジェルマン(フランス)):前線に厚みを加える若きアタッカー。ムバッペ・デンベレと並ぶスピードスターで、途中出場からでも試合の流れを変えられる、フランスの選手層の厚さを象徴する存在です。
戦術と強み・急所
モロッコの強み:ハキミの右を起点にした組織的な堅守と、ウナヒ・ラヒミの速攻。ラウンド16では後半に3得点と、勝負どころで一気にギアを上げる決定力を見せました。GKブヌを中心にした守備は、強豪相手にも耐えられる堅さがあります。
モロッコの急所:立ち上がりに主導権を渡しがちな点。カナダ戦も前半は停滞し、得点は後半でした。2022年の準決勝ではフランスに開始5分で先制されており、フランスのような立ち上がりの速い相手に、序盤の失点は避けたいところです。
フランスの強み:ムバッペとデンベレという、大会屈指の破壊力を持つ二枚看板。バルコラら控えの層も厚く、個の質で試合を決められます。ラウンド16では堅い守備で完封するなど、守備も安定しています。
フランスの急所:引いて固める相手を、流れの中で崩す効率。ラウンド32のスウェーデン戦は快勝したものの、ラウンド16では堅守のパラグアイをPKの1点で下すにとどまりました。モロッコの堅い守備ブロックを、90分で崩し切れるかが問われます。
各国のいま
モロッコは、ウアビ監督のもとグループCを2位で通過し(初戦で優勝候補ブラジルと1-1の好スタート)、ラウンド32ではオランダをPK戦で撃破、ラウンド16ではカナダを3-0で下し、2022年に成し遂げたアフリカ勢初の4強に続く、2大会連続のベスト8に到達しました。チームは無敗記録を大きく伸ばしており、堅守は本物です。そして見逃せないのが、ウアビ監督の物語。2026年3月に就任したばかりながら就任以来まだ負けておらず、昨年はU-20ワールドカップでモロッコを世界一に導き、その準決勝ではフランスを破っています。若い世代でフランスを倒した指揮官が、今度はA代表で再び立ち向かう——この構図も、この一戦を面白くしています。ラウンド16から中4日と、コンディションも整っています。
フランスは、デシャン監督のもとグループIを1位で通過し、ラウンド32ではスウェーデンを3-0、ラウンド16ではパラグアイを1-0で下して勝ち上がってきました。ムバッペが7得点、デンベレが4得点と、二枚看板がそろって好調。8大会連続のワールドカップ出場を誇る常連が、西ドイツ・ブラジルに次ぐ3大会連続の決勝進出という偉業に挑みます。直前情報として、中盤の要チュアメニの状態が不透明で、構成には変数があります。一方で、ムバッペ、デンベレ、バルコラ、オリーズを擁する前線の破壊力は健在です。
かみ合わせ分析
フランスの二枚看板 × モロッコの堅守:ムバッペとデンベレのスピードを、ハキミやイッサ・ディオプを中心としたモロッコの守備が抑えられるか。この一戦最大の焦点です。モロッコが速い攻撃陣に背後を取られ続けると、苦しくなります。
ハキミの攻め上がり × フランスの左:モロッコの主将ハキミが右サイドを制圧できれば、モロッコに数少ない攻撃の形が生まれます。フランスの左サイド(テオ・エルナンデス)との、両サイドの主導権争いが見どころです。
セットプレーの攻防:モロッコはハキミの精度の高いキックと前線の高さを持ち、堅い試合ではセットプレーが数少ない得点源になります。逆にフランスも、二枚看板を警戒させたうえでのセットプレーは有力な武器。ロースコアの展開になれば、この一発が勝敗を分けかねません。
総じて:個の総量ではフランスが明確に上で、ムバッペかデンベレがどこかで違いを作る可能性が高いと見ます。ただし、モロッコの堅守と2022年の雪辱にかける勝負根性、そしてオランダをPKで倒したノックアウトでの勝負強さを考えれば、フランスが一方的に押し切るとは限りません。フランスが勝ち切るものの、モロッコが一矢報いる競った展開を本線に見ています。
会場とコンディション
ジレット・スタジアム(ボストン)は、屋根のない開放型のスタジアムです。7月のボストンは比較的過ごしやすく、暑熱のハンデは小さめ。どちらのホームでもない中立の舞台ですが、2022年から続くモロッコサポーターの熱量を考えれば、中立地でもスタンドの一角を赤く染める可能性があります。両チームともラウンド16から中4日と休養は十分で、コンディション面の差は小さい一戦です。ここから先は勝ち上がるほど連戦の間隔が詰まるため、ベンチを含む選手層の厚さも、終盤や次戦を見据えた鍵になっていきます。
もし今、笛が鳴ったら
フランスがボールを支配し、モロッコが我慢の守備で応じる立ち上がり——そんな展開を予想します。フランスは個の質でモロッコの堅守を上回り、ムバッペかデンベレが早い時間にこじ開けて先制。しかし後半、モロッコがウアビ監督の采配で圧力を強め、ハキミの攻め上がりやウナヒのカウンターから一矢報いる。それでも総合力で勝るフランスが、二枚看板の個で勝ち越して振り切る——そんな筋書きを本線に見ます。もっとも、モロッコが立ち上がりを無失点で凌ぎ、オランダ戦のようにPK戦へ持ち込めば、一気に分からなくなります。
予想スコア:フランスが 2-1 で勝利
予想得点者:ムバッペ、デンベレ(フランス)/ウナヒ(モロッコ)
注目ポイント:ムバッペ・デンベレの二枚看板がモロッコの堅守を崩せるか、モロッコが立ち上がりの失点を避けられるか、ハキミの攻め上がり、もつれた場合のPK戦、2022年準決勝の雪辱なるか
※あくまで個人的な予想です
見どころ
4年越しの雪辱戦です。最大の見どころは、ムバッペとデンベレという大会屈指の二枚看板を擁するフランスの攻撃を、モロッコの堅守がどこまで抑えられるか。2022年の準決勝では開始5分の失点が響いたモロッコが、今度は立ち上がりを凌いで主導権を握れるか。そして、ムバッペとハキミはパリ・サンジェルマンで同じピッチに立った盟友同士。フランスの象徴を、フランスでプレーしてきたモロッコの主将が止めにいく——この近さと対立が同居する構図も、再戦を特別なものにしています。個の質のフランスか、組織と勝負根性のモロッコか。ベスト4を懸けた大一番を、じっくり見届けたい一戦です。
最後に
準々決勝が開幕し、ここからは負ければ終わりの戦いがさらに濃密になります。モロッコ×フランスは、2022年準決勝の再戦にして、あの4強に続くベスト8に進んだモロッコの再挑戦。優勝候補フランスに、堅守を誇るモロッコがどこまで食い下がれるか。勝てばベスト4という重みのなかで、たった一つの決定機、あるいはPK戦が勝敗を分けます。ノックアウトならではの緊張感を、じっくりと味わいたい一戦です。
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