FIFAワールドカップ2026 6日目の見どころ【日本時間・6月17日】フランスvsセネガル/イラクvsノルウェー/アルゼンチンvsアルジェリア/オーストリアvsヨルダン
ワールドカップ6日目(日本時間6月17日)は、「頂点と、挑戦者」が交差する一日です。優勝候補のフランスとアルゼンチンが登場し、片やノルウェーは28年ぶり、イラクは40年ぶり、ヨルダンに至っては史上初のワールドカップ。ビッグネーム同士がぶつかる試合もワールドカップの醍醐味ですが、それぞれの国が違う物語を背負って迎える初戦にも、同じくらい惹かれるものがあります。グループIとJの8カ国が、いっせいに最初の90分を迎えます。
※選手名の前に付く「#7」などは、すべて背番号です。
この日の試合(日本時間/現地時間)
フランス(3位)vs セネガル(16位)|日本 6/17(水)4:00 / 現地 6/16(火)15:00 |メットライフ・スタジアム(ニューヨーク/NJ)|グループI
イラク(57位)vs ノルウェー(30位)|日本 6/17(水)7:00 / 現地 6/16(火)18:00 |ジレット・スタジアム(ボストン/フォックスボロ)|グループI
アルゼンチン(1位)vs アルジェリア(28位)|日本 6/17(水)10:00 / 現地 6/16(火)20:00 |アローヘッド・スタジアム(カンザスシティ)|グループJ
オーストリア(25位)vs ヨルダン(64位)|日本 6/17(水)13:00 / 現地 6/16(火)21:00 |リーバイス・スタジアム(サンタクララ)|グループJ
(カッコ内はFIFA公式ランキング・2026年6月11日版)
フランス(3位)vs セネガル(16位)
日本 6/17 4:00 / 現地 6/16 15:00・メットライフ・スタジアム(ニューヨーク/NJ)

優勝候補と、アフリカの雄。世界3位のフランスと、16位のセネガル——数字こそ離れていますが、これは「格上が当然勝つ」と決めつけられないカードです。フランスはムバッペという大会最大級の攻撃の切り札を擁する一方、最終ラインに複数の負傷不安を抱えての初戦。対するセネガルは、マネやジャクソンの破壊力と、クリバリという大会屈指の守備者を持つ実力国です。デシャン監督にとって、おそらく最後となるワールドカップの船出。簡単な90分にはなりません。
30秒でわかる構図
フランス:4-3-3。ムバッペ(#10)を頂点に、デンベレ(#7)やオリセ(#11)が両翼で仕掛ける。中盤はチュアメニ・コネ・ラビオで構成。攻撃のタレントは大会随一だが、最終ラインに負傷者が出れば一気に不安定になる。
セネガル:4-3-3。クリバリ(#3・主将)を軸にした堅い守備から、ゲイエ、パプ・ゲイエらが中盤で強度を出し、マネ・ジャクソンの個で一気に仕留める。フィジカルと縦の速さは欧州勢にも引けを取らない。
懸かるもの:グループI突破に向けた最初の勝ち点。互いに地力のあるチームだけに、初戦の結果がその後を大きく左右する。
注目選手
【フランス】
#10 キリアン・ムバッペ(FW・主将/レアル・マドリード(スペイン)):言わずと知れた、この大会最大級の攻撃の脅威。圧倒的なスピードと決定力で、一人で試合を決められる。太もも負傷を抱えての大会入りだが、主将として先発が見込まれる。彼を止められるかが、セネガルの最大の課題になる。
#7 ウスマン・デンベレ(FW/パリ・サンジェルマン(フランス)):左右どちらでも仕掛けられるドリブラー。緩急とラストパスで、ムバッペとの相乗効果を生む。クラブで好調を維持してきた攻撃の二枚目。
#17 ウィリアム・サリバ(DF/アーセナル(イングランド)):フランス守備の柱。スピードと対人の強さでセネガルの速攻を止める要だが、複数の練習を欠席したと報じられ、初戦の出場可否が注目される。
【セネガル】
#10 サディオ・マネ(FW/アル・ナスル(サウジアラビア)):34歳になってなお、セネガル攻撃の中心。スピードと決定力は健在で、フランス守備陣の負傷不安を突ければ、一発で試合を動かせる。
#3 カリドゥ・クリバリ(DF・主将/アル・ヒラル(サウジアラビア)):代表100キャップを超える、大会屈指のセンターバック。ムバッペとの1対1は、この試合の最大の見どころのひとつ。経験と読みで、世界最速のFWをどう抑えるか。
#11 ニコラ・ジャクソン(FW/バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)※ローン):マネより若く、より縦に推進力のあるストライカー。前線で起点を作りつつ、フランスの高い最終ラインの裏を狙う。
戦術と強み・急所
【フランス】
攻めの特徴:ムバッペとデンベレの個の仕掛けを軸に、両サイドからスピードで押し込む。中盤がボールを保持し、一瞬の隙を突いて縦に速く運ぶ。
急所:最終ラインの負傷リスク。サリバらに欠場が出れば、急造のCBコンビがマネ・ジャクソンの速さに対応しきれない場面が出かねない。
【セネガル】
攻めの特徴:堅守でフランスの攻撃を受け止め、奪ったらマネ・ジャクソンへ最短距離で。中盤のゲイエらが球際で上回れば、フランスにリズムを作らせない。
急所:ムバッペへの対応。クリバリを中心に組織で囲めなければ、一瞬の加速で背後を取られる。新しい布陣での立ち上がりの集中力を90分保てるかも、勝敗を分ける。
各国のいま
【フランス】
デシャン監督にとって、おそらくこれが最後のワールドカップ。ムバッペを中心に据えた攻撃陣は強力ですが、最大の懸案は守備陣のコンディションです。サリバ、テオ・エルナンデス、チュアメニといった主力に練習欠席の報があり、初戦の布陣は当日まで読みにくい状況。攻撃力でねじ伏せたいところです。
【セネガル】
アフリカの強豪として、フランス相手でも「勝ちにいける」自信を持っています。クリバリのリーダーシップ、マネの経験、ジャクソンの勢い——個の質は十分です。直近のアフリカ選手権を経た新しい体制で、チームとしてどこまで一枚岩で戦えるかが、立ち上がりの鍵になります。ムバッペ対クリバリという、世界最高峰の矛と盾の対決に、サポーターの期待が集まります。
「ここは最も厳しいグループのひとつだ。いや、最も厳しいかもしれない。セネガルは非常に競争力のあるチームだ」
——ディディエ・デシャン(フランス代表監督)
かみ合わせ分析
フランスの強み(ムバッペの個)× セネガルの急所(最速FWへの対応):ムバッペが一度でも背後を取れば、それだけで試合は動く。クリバリがどこまで耐えられるかが分岐点。
セネガルの強み(中盤の強度+前線の速さ)× フランスの急所(負傷した最終ライン):フランス守備が万全でなければ、マネ・ジャクソンの縦の速さが刺さる。セネガルが先制すれば、堅守で守り切る展開もある。
総じて:個の総合力ではフランスがやや上回るが、守備陣の負傷不安とセネガルの地力を考えれば、僅差・もつれる展開が濃厚。一方的な試合にはなりにくいと見ています。
会場とコンディション
メットライフ・スタジアム(ニューヨーク/NJ)は開放型。6月の現地15時のデイゲームで、気温は30度前後・中程度の湿度が見込まれます。極端な暑熱ではないものの、午後の日差しの下での90分は体力を削ります。両チームとも欧州・アフリカのトップレベルで、コンディション面の優劣は小さい一戦です。
もし今、笛が鳴ったら
立ち上がり、フランスがボールを持ち、セネガルが中盤からの強度で対抗する——その構図で始まりそうです。フランスはムバッペとデンベレが再三仕掛け、セネガルはクリバリを中心に粘り強く跳ね返す。前半は緊張感のある探り合いになり、簡単には点が入らない。後半、ムバッペの一瞬の加速か、あるいはセネガルがマネのカウンターで先に決めるか——どちらかが先制しても、もう一方が押し返す展開を予想します。守備陣に不安を抱えるフランスが、最後まで突き放しきれず、もつれた末の引き分けが一番ありそうに見えます。
予想スコア:1-1
予想得点者:ムバッペまたはテュラム(フランス)、マネ(セネガル)
注目ポイント:ムバッペ対クリバリの1対1、フランス守備陣(サリバら)が間に合うか
※あくまで個人的な予想です
見どころ
この試合の象徴は、やはりムバッペとクリバリの対決です。世界最速・最高のストライカーと、酸いも甘いも知り尽くしたアフリカの守護神。世代も、背負うものも違う2人が、ニューヨークのピッチで真正面からぶつかります。フランスにとっては優勝への第一歩、セネガルにとっては「アフリカが欧州の頂点に挑む」という誇りをかけた90分。デシャンのラストダンスの幕開けでもあります。格上・格下という括りでは語れない、地力と地力の真剣勝負を、ぜひ見届けてください。
イラク(57位)vs ノルウェー(30位)
日本 6/17 7:00 / 現地 6/16 18:00・ジレット・スタジアム(ボストン/フォックスボロ)

40年ぶりの挑戦者と、28年ぶりの帰還者。イラクは1986年以来、実に40年ぶりのワールドカップ。ノルウェーも1998年以来、28年ぶりの本大会です。注目はやはり、ノルウェーのエルリング・ハーランド。マンチェスター・シティで得点を量産し続ける怪物が、ついにワールドカップの舞台に立ちます。対するイラクは、グレアム・アーノルド監督のもと「失うものは何もない」と腹をくくった挑戦者。堅守速攻で、世界的スターたちにどこまで食らいつけるかが見どころです。
30秒でわかる構図
イラク:4-2-3-1。自陣にコンパクトなブロックを敷き、奪ったら鋭いカウンター。支配率は低くても、規律と集中で耐える「ハードワークするチーム」。アイメン・フセイン(#18)が前線の起点。
ノルウェー:4-3-3。ハーランド(#9)とウーデゴール(#10・主将)という大会屈指のコンビを軸に、流動的に速く攻める。予選は8戦全勝・37得点5失点と圧巻だった。
懸かるもの:グループIには優勝候補フランスもいる。ノルウェーは決勝トーナメントを見据え、確実に勝ち点3が欲しい。イラクは「番狂わせ」を狙う初戦。
注目選手
【ノルウェー】
#9 エルリング・ハーランド(FW/マンチェスター・シティ(イングランド)):説明不要の世界的ストライカー。予選で16ゴールを叩き出し、ついにワールドカップ初出場を迎える。圧倒的なフィジカルと得点感覚で、イラクの堅守をこじ開ける最大の存在。彼の一発が、試合の流れを決める。
#10 マルティン・ウーデゴール(MF・主将/アーセナル(イングランド)):アーセナルの司令塔が、ノルウェーでも中盤を統べる。ハーランドへの絶妙なラストパスと、自らの得点力も併せ持つ。怪我から回復し、先発が見込まれる。
#7 アレクサンデル・ソールロート(FW/アトレティコ・マドリード(スペイン)):ハーランドと2トップ気味に絡む、高さと強さのあるFW。セットプレーでも脅威で、イラク守備陣にとって厄介な存在になる。
【イラク】
#18 アイメン・フセイン(FW/アル・カルマ(イラク)):イラク攻撃の象徴。大陸間プレーオフでボリビアから土壇場の決勝点を奪い、チームを本大会へ導いた。カウンターの最前線で、数少ないチャンスを仕留める役割を担う。
#14 ジダン・イクバル(MF/ユトレヒト(オランダ)):欧州でプレーする、イラクの未来を担う中盤。ボールを運び、攻守の切り替えでチームのエンジンになる。マンチェスター・ユナイテッド育ちの技術が光る。
#12 ジャラル・ハッサン(GK・主将/アル・ザウラー(イラク)):代表100キャップを誇る守護神。ハーランドらの決定機を一つでも多く防ぐことが、イラクが試合を成立させる条件になる。
戦術と強み・急所
【ノルウェー】
攻めの特徴:ウーデゴールの配球からハーランドへ。両翼のヌーサらがスピードで幅をとり、引いた相手にもサイドとセットプレーで圧力をかける。
急所:引いて守る相手をこじ開けるまでの時間。ハーランドが孤立すると、堅いブロックの前で手詰まりになる場面もありうる。28年ぶりの大舞台での入りの硬さも変数。
【イラク】
攻めの特徴:奪ってから手数をかけず、アイメン・フセインへ速く。セットプレーも貴重な得点機会。守ってこそ生きるチーム。
急所:90分間ハーランド&ウーデゴールの圧力に耐え続ける集中力。一度ブロックが破られると、連続失点のリスクがある。
各国のいま
【イラク】
グレアム・アーノルド監督(元オーストラリア代表監督)のもと、イラクは「挑戦者」として開き直っています。強豪3カ国と同居する組で、あえて重圧を相手に預ける姿勢を公言しています。
【ノルウェー】
28年ぶりの本大会に、ハーランドとウーデゴールという史上最高クラスの世代で臨みます。予選8戦全勝という成績は本物で、ソルバッケン監督のチームは決勝トーナメントの先まで見据えています。あとは、初の大舞台で実力を出し切れるか。エースたちの出来に、国民の期待が集中します。
「フランス、ノルウェー、セネガルこそ、突破の重圧を背負う立場だ。我々はその重圧から自由に、思い切って戦える」
——グレアム・アーノルド(イラク代表監督)
かみ合わせ分析
ノルウェーの強み(ハーランド&ウーデゴール)× イラクの急所(堅守の耐久力):時間とともにノルウェーが押し込み、エースの質でブロックを破る公算が高い。前半に先制できれば楽になる。
イラクの強み(堅守+カウンター)× ノルウェーの急所(こじ開けの時間・初出場の硬さ):イラクが我慢して0-0の時間を延ばし、カウンター一発を仕留められれば、波乱の目も出てくる。
総じて:ノルウェーが優位だが、イラクの堅守を考えれば大量点は出にくく、1-0や2-0の締まった展開になりやすい。エースの質がじわじわ効く一戦と見ています。
会場とコンディション
ジレット・スタジアム(ボストン/フォックスボロ)は開放型で、6月のニューイングランドは比較的涼しい。現地18時のキックオフで、暑熱の影響は小さく、両チームとも力を出し切れる条件です。気候のハンデがないぶん、純粋に個の質と組織がぶつかります。
もし今、笛が鳴ったら
イラクが5-4-1気味に引いて守り、ノルウェーがボールを持つ——立ち上がりはその構図でしょう。ノルウェーはウーデゴールが配球し、ハーランドが裏を狙い続ける。イラクは粘り強く跳ね返し、前半を0-0で折り返したい。しかし後半、ノルウェーが手数を増やす中で、60分前後にハーランドがこじ開けて先制。イラクは前に出ざるを得なくなり、その隙にノルウェーが追加点を奪う——という流れを本線に見ています。イラクはアイメン・フセインのカウンター一発に望みを託しますが、ノルウェーの守備は予選で示した通り堅い。
予想スコア:0-2(ノルウェー)
予想得点者:ハーランド、ソールロート(ノルウェー)
注目ポイント:ハーランドのW杯初ゴールが出るか、イラクの堅守が何分耐えられるか、アイメン・フセインが数少ない好機をものにできるか
※あくまで個人的な予想です
見どころ
この試合の主役は、間違いなくハーランドのワールドカップ・デビューです。クラブで散々ゴールを重ねてきた怪物が、ついに世界最大の舞台に立つ。その第一歩を、ぜひ目に焼き付けてほしいと思います。一方で、僕が個人的に応援したいのは、40年ぶりに戻ってきたイラクです。アーノルド監督の「重圧から自由に戦う」という言葉には、挑戦者だけが持つ清々しさがあります。結果は厳しいかもしれない。それでも、世界的スターの前で彼らがどんな90分を見せるのか——勝敗の数字だけでは測れないものが、この試合にもあります。
アルゼンチン(1位)vs アルジェリア(28位)
日本 6/17 10:00 / 現地 6/16 20:00・アローヘッド・スタジアム(カンザスシティ)

王者の、おそらく最後のはじまり。世界1位・前回王者のアルゼンチンが、リオネル・メッシとともに大会へ乗り込みます。メッシにとっては6度目のワールドカップ——そして、おそらく最後の大会です。対するアルジェリアは、直前にオランダを破るなど勢いに乗る、侮れない伏兵。ペトコビッチ監督のもと、マフレズとアモウラを軸にした攻撃で、王者に真っ向から挑みます。メッシのラストダンスは、簡単な初戦にはならないかもしれません。
30秒でわかる構図
アルゼンチン:4-3-3。メッシ(#10)を創造の中心に、ラウタロ(#22)が決定力、アルバレス(#9)が運動量で前線を構成。デ・パウル・マック・アリスターの中盤は世界最高水準。総合力は大会屈指。
アルジェリア:勢いと個。マフレズ(#7・主将)のベテランの創造性と、アモウラ(#18)のスピードで縦に速く攻める。直前にオランダ撃破・ボリビア4-0と、自信をつけて乗り込んできた。
懸かるもの:王者の初戦。アルゼンチンは連覇への第一歩を、アルジェリアは「番狂わせ」で世界を驚かせるチャンスをうかがう。
注目選手
【アルゼンチン】
#10 リオネル・メッシ(FW・主将/インテル・マイアミ(アメリカ)):38歳、6度目のワールドカップ。おそらく最後の大会で、なお創造の心臓であり続ける。一本のパス、一度のドリブルで試合を変えられる、まぎれもない伝説。彼がどんなラストダンスを見せるかに、世界が注目する。
#22 ラウタロ・マルティネス(FW/インテル(イタリア)):代表通算37得点を誇る、王者の点取り屋。メッシが作り、ラウタロが仕留める——その形がアルゼンチンの得点パターンの軸になる。
#9 フリアン・アルバレス(FW/アトレティコ・マドリード(スペイン)):無尽蔵の運動量とゴール前の嗅覚を併せ持つ。前線から守備でも献身し、メッシ・ラウタロと流動的に絡む。
【アルジェリア】
#7 リヤド・マフレズ(FW・主将/アル・アハリ(サウジアラビア)):アルジェリアの絶対的主将。右サイドからのカットインと左足の質は健在で、ベテランの創造性でチームを牽引する。一瞬のひらめきで、王者から得点を奪える数少ない存在。
#18 モハメド・アモウラ(FW/VfLヴォルフスブルク(ドイツ)):今のアルジェリアの勢いを象徴するスピードスター。縦への推進力で、アルゼンチンの最終ラインの裏を突く。
#15 ライアン・アイト=ヌーリ(DF/マンチェスター・シティ(イングランド)):左サイドを攻守にカバーする、欧州トップクラブの実力者。メッシのいる右サイドとの攻防が、試合の重要な局面になる。
戦術と強み・急所
【アルゼンチン】
攻めの特徴:メッシを中心に中盤で時間を作り、ラウタロ・アルバレスが裏を狙う。デ・パウルらの運動量で前から奪い、ショートカウンターも得意。
急所:最終ラインのコンディション。ロメロら主力CBに直前の負傷歴があり、初戦のメンバー構成によっては、アモウラの速さに背後を突かれるリスクがある。
【アルジェリア】
攻めの特徴:マフレズの創造とアモウラのスピードで、手数をかけずに前へ。直近の好調で、強豪相手でも臆さず攻める姿勢が出てきた。
急所:王者の総合力を90分受け止める守備の集中力。前がかりになりすぎると、メッシ・ラウタロに一瞬で仕留められる。
各国のいま
【アルゼンチン】
スカローニ監督は、連覇という史上稀な挑戦に臨みます(実現すれば1938年のポッツォ以来)。直前のザンビア5-0・アイスランド3-0と得点も好調。ただし、王者だからこそ、メッシ自身は油断を戒めています。
【アルジェリア】
ペトコビッチ監督のもと、攻撃のアイデンティティが固まってきました。直前にオランダを破った勝利は、決してまぐれではない——そう世界に証明する初戦です。マフレズとアモウラを軸に、王者相手でも引かずに戦う姿勢を見せるはずです。
「アルゼンチン人らしく、胸を躍らせなければいけない。でも、自分たちより良い状態にある優勝候補が上にいることも、ちゃんと分かっている」
——リオネル・メッシ(アルゼンチン代表主将)
かみ合わせ分析
アルゼンチンの強み(メッシ+前線の質)× アルジェリアの急所(受け続ける守備):メッシが前を向く時間が増えれば、ラウタロ・アルバレスの決定機は量産される。王者が試合を支配する公算が高い。
アルジェリアの強み(マフレズ・アモウラの個+勢い)× アルゼンチンの急所(CBのコンディション):アルゼンチン守備が万全でなければ、アモウラの速さが背後を突く。アルジェリアが先制すれば、波乱の入り口は開く。
総じて:総合力で王者が優位だが、アルジェリアの勢いとアルゼンチンの守備の不確定要素を考えれば、完勝とは限らない。アルゼンチンが地力で上回りつつ、アルジェリアが一矢報いる——そんな僅差の展開を見ています。
会場とコンディション
アローヘッド・スタジアム(カンザスシティ)は開放型で、現地20時のナイトゲーム。6月のカンザスシティは中程度の暑さですが、夜の時間帯で消耗は和らぎます。NFLの聖地として知られる、大観衆の轟音が響くスタジアム——メッシのラストダンスにふさわしい、熱狂的な舞台になりそうです。
もし今、笛が鳴ったら
アルゼンチンがボールを持ち、アルジェリアが勢いを持って前から来る——立ち上がりはその構図でしょう。メッシが中盤に下りて時間を作り、ラウタロが裏を狙う。アルジェリアもマフレズ・アモウラで応戦し、思いのほかオープンな展開に。前半のどこかで、メッシの一本かラウタロの抜け出しでアルゼンチンが先制。後半、アルジェリアが攻勢に出てアモウラあたりが一矢報いるが、最後はアルゼンチンが王者の地力で振り切る——そんな2-1の展開が一番ありそうに見えます。アルジェリアが先に決めれば、世界が沸く番狂わせの予感も。
予想スコア:2-1(アルゼンチン)
予想得点者:メッシ、ラウタロ(アルゼンチン)、アルジェリア=アモウラ
注目ポイント:メッシのラストダンス初戦で何を見せるか、アルゼンチン守備がアモウラの速さを抑えられるか
※あくまで個人的な予想です
見どころ
これは、ひとつの時代の終わりのはじまりです。メッシの、おそらく最後のワールドカップ。38歳になってなお、彼がピッチで見せる魔法を、僕たちはあと何試合見られるのか。その第一歩が、このアルジェリア戦です。しかも相手は、オランダを破ってきた勢いある伏兵。メッシ自身が「上には自分たちより良い状態の優勝候補がいる」と語るほど、王者は謙虚に、しかし誇りをもって臨みます。歴史の証人になるつもりで、この90分を見てほしいと思います。
オーストリア(25位)vs ヨルダン(64位)
日本 6/17 13:00 / 現地 6/16 21:00・リーバイス・スタジアム(サンタクララ)

28年ぶりの欧州勢と、史上初の中東勢。オーストリアは1998年以来、28年ぶりのワールドカップ。そして相手のヨルダンは、国の歴史上はじめてワールドカップの舞台に立ちます。名将ラルフ・ラングニックが率いるオーストリアは、組織的なサッカーで勝ち点3を狙う一方、ヨルダンは「ヨルダンのメッシ」アル・タマリを擁し、堅守速攻で歴史的な初戦に挑みます。実力差はあれど、両者にとって特別な意味を持つ90分です。
30秒でわかる構図
オーストリア:4-2-3-1。ラングニック監督の「引いて守る相手を窒息させる」プレッシングが看板。アルナウトビッチ(#7・主将)を頂点に、ザビッツァー・ライマーら欧州主要リーグの選手が骨格。主力バウムガルトナーを負傷で欠くのは痛手。
ヨルダン:3-4-3で守備時は5-4-1。引いてブロックを固め、アル・タマリ(#10)のスピードで速攻に出る。史上初出場のチームらしい、現実的で割り切った戦い方を徹底してくる。
懸かるもの:オーストリアにとっては、グループJで最も勝ち点を計算しやすい初戦。ヨルダンにとっては「世界に何を示せるか」。
注目選手
【オーストリア】
#7 マルコ・アルナウトビッチ(FW・主将/レッドスター・ベオグラード(セルビア)):37歳、オーストリア代表史上最多得点を誇るベテラン主将。経験と決定力で前線を引っ張る。ヨルダンの堅いブロックをこじ開ける、頼れる的になる。
#9 マルセル・ザビッツァー(MF/ボルシア・ドルトムント(ドイツ)):中盤から前線へ飛び出し、得点もアシストも生み出せるダイナモ。ラングニックのプレッシングを体現する、運動量豊富な選手。
#8 ダビド・アラバ(DF/レアル・マドリード(スペイン)):レアル・マドリードで長く主力を張った、オーストリアの象徴的存在。守備の統率とビルドアップの起点として、チームに安定をもたらす。
【ヨルダン】
#10 ムーサ・アル・タマリ(FW/スタッド・レンヌ(フランス)):「ヨルダンのメッシ」と称される、チームの絶対的看板。フランス1部で磨いたスピードとドリブルで、カウンターの先頭に立つ。彼がボールを持つ瞬間が、ヨルダン最大のチャンスになる。
#9 アリ・オルワン(FW/アル・サイリヤ(カタール)):ヨルダン代表で現役最多級の得点を誇るストライカー。最多得点者アル・ナイマトを欠く中で、前線の得点を託される。
#23 イフサン・ハダド(DF・主将/アル・フセイン(ヨルダン)):守備ブロックの中心として、史上初の大舞台でチームをまとめる主将。オーストリアの圧力を、いかに長く跳ね返せるか。
戦術と強み・急所
【オーストリア】
攻めの特徴:高い位置からのプレッシングでボールを奪い、手数をかけずにゴールへ。アルナウトビッチをターゲットに、ザビッツァーらが2列目から飛び込む。
急所:バウムガルトナーという攻撃の核を欠くこと。引いて守る相手を崩す創造性が、一枚足りない可能性がある。
【ヨルダン】
攻めの特徴:自陣で我慢して守り、奪ったらアル・タマリのスピードで一気に。セットプレーも数少ない得点機会として大切にする。
急所:オーストリアの組織的なプレッシングを90分受け止める体力と集中力。アル・タマリが孤立すると、攻撃が単発になりやすい。
各国のいま
【オーストリア】
ラングニック監督のもと、直近5戦4勝1分と好調を維持し、28年ぶりの本大会に臨みます。組織的なプレッシングと、アラバ・アルナウトビッチらの経験が武器。ただ、ブンデスリーガで二桁得点を残した主力バウムガルトナーを負傷で欠くのは、攻撃面で小さくない痛手です。グループJで現実的に勝ち点を狙える初戦だけに、確実に立ち上がりたいところ。
【ヨルダン】
国の歴史上、はじめてのワールドカップ。セラミ監督(モロッコ人)のもと、堅守速攻という現実的なプランで臨みます。看板はアル・タマリ。最多得点者アル・ナイマトを欠く難しさはありますが、「世界の舞台に立つ」こと自体が、彼らにとって途方もない達成です。ただ、彼らは記念参加でここに来たわけではありません。堅守速攻で格上を慌てさせる初陣に、どんな姿を見せるか。
「すべての選手、監督、ファンにとって、夢が叶った瞬間だ。神に感謝している。国民がどれほど喜び、誇りに思ってくれたかを感じた——それだけで、長年の犠牲のすべてが報われる」
——ムーサ・アル・タマリ(ヨルダン代表)
かみ合わせ分析
オーストリアの強み(組織的プレッシング)× ヨルダンの急所(受け続ける負担):オーストリアが主導権を握り、時間とともにヨルダンのブロックを破る公算が高い。先制できれば楽になる。
ヨルダンの強み(堅守+アル・タマリの速攻)× オーストリアの急所(崩しの創造性不足):ヨルダンが我慢して守り、アル・タマリの一発を決められれば、互角の展開に持ち込める。バウムガルトナー不在の隙を突けるか。
総じて:オーストリアが優位だが、両エースを欠く事情とヨルダンの堅守を考えれば、大量点は読みにくく、1-0や2-0の締まった展開になりやすいと見ています。
会場とコンディション
リーバイス・スタジアム(サンタクララ)は開放型ですが、サンフランシスコ・ベイエリアは6月でも涼しく、暑熱の影響はほぼありません。現地21時のナイトゲームで、コンディションは良好。体力面の言い訳がきかないぶん、組織力と個の質が素直に結果に出やすい一戦です。
もし今、笛が鳴ったら
オーストリアが高い位置からプレスをかけ、ヨルダンが自陣で耐える——立ち上がりはその構図でしょう。ヨルダンは5-4-1でブロックを固め、アル・タマリのカウンターを狙う。オーストリアはアルナウトビッチをターゲットに押し込むが、ヨルダンの堅い守備に前半は苦しむ。後半、ザビッツァーの飛び出しかセットプレーでオーストリアが先制し、ヨルダンが前に出たところで2点目を奪う——という流れを本線に見ています。ヨルダンはアル・タマリが単独で違いを作れれば、歴史的な一発もありえます。
予想スコア:2-0(オーストリア)
予想得点者:アルナウトビッチ、ザビッツァー(オーストリア)
注目ポイント:オーストリアがヨルダンの堅守を崩せるか、アル・タマリが歴史的な一撃に迫る場面を作れるか
※あくまで個人的な予想です
見どころ
ヨルダンにとって、この試合は国の歴史そのものです。サッカーの世界地図に、はじめて自分たちの名前を刻む——その重みは、勝敗では測れません。アル・タマリという「ヨルダンのメッシ」が、世界の舞台でどんなプレーを見せるのか。一方のオーストリアも、28年ぶりの本大会に懸ける思いは強い。ラングニックという欧州屈指の知将が、どんなサッカーを披露するか。実力差のある一戦に見えるかもしれませんが、歴史を変えようとする国の初戦は、いつだって特別な熱を帯びています。
最後に
6日目は、優勝候補のフランス・アルゼンチンが登場する一方で、28年ぶりのノルウェー・オーストリア、40年ぶりのイラク、そして史上初出場のヨルダンが、それぞれの物語を背負って初戦を迎える日でした。頂点を目指す者も、はじめて世界の扉を叩く者も、同じピッチに立つ——それがワールドカップという大会の懐の深さだと思います。
そして翌日(日本時間6月18日)は、ポルトガル、イングランドといった強豪が登場する7日目。こちらもまた、見逃せない一日になります。
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