FIFAワールドカップ2026 3位決定戦の見どころ【日本時間・7月19日】イングランドvsフランス
ワールドカップ2026、最後から2番目の一戦は、日本時間7月19日の3位決定戦、イングランド×フランスです。
準決勝で世界一への道は途切れました。それでも、大会をどんな姿で終えるかは、この90分で決まります。
イングランドが勝てば、優勝した1966年以来、60年ぶりの表彰台。フランスにとっては、2012年から14年間代表を率いたデシャン監督の最後の試合です。
そして両国がワールドカップで対戦するのは、今回が4度目。1966年と1982年はイングランドが勝ち、2022年はフランスが2-1で勝利しました。イングランドが対戦成績を3勝1敗とするのか、フランスが2勝2敗へ戻すのか。4年前とは違う意味を持つ再戦を、じっくり見ていきます。
※選手名の前に付く「#10」などは、すべて背番号です。
この日の試合
3位決定戦は、イングランド×フランスです。
イングランドは準決勝でアルゼンチンに1-2で敗れました。ゴードンの先制点で決勝へ近づきながら、85分にエンソ・フェルナンデス、後半アディショナルタイムにラウタロ・マルティネスへ決められ、終盤に逆転を許しています。
フランスはスペインに0-2で敗れ、3大会連続の決勝進出を逃しました。前から奪いにいく守備を外され、ボールを奪った後も攻撃の入口を作れず、今大会初めて無得点に終わっています。
この一戦で問われるのは、準決勝の敗戦をどう修正するかです。
イングランドは、先制後に下がりすぎた試合運びを変えられるか。フランスは、スペインに外されたプレスと、乱れた攻撃のリズムを立て直せるか。勝ったチームは世界3位となり、イングランドは60年ぶりの表彰台、フランスはデシャン体制最後の勝利を手にします。
(カッコ内はFIFA公式ランキング・2026年6月11日版です)
イングランド(4位)vs フランス(3位)
日本 7/19 6:00 / 現地 7/18 17:00・ハードロック(マイアミ)

準決勝で残った課題に、もう一度向き合う一戦です。
イングランドはアルゼンチン戦で先制しながら、試合を終わらせるために後ろへ重心を移しすぎました。対するフランスは、スペイン戦で前から奪う狙いを外され、ムバッペとデンベレへ良い形でボールを届けられませんでした。
どちらも準決勝で、自分たちの強みを最後まで出し切れなかったチームです。だからこそ、この試合では「誰が出るか」だけでなく、「敗戦から何を変えたか」が最大の読みどころになります。
30秒でわかる構図
イングランド:主将ケイン(#9)とベリンガム(#10)が今大会6得点ずつ。準決勝で先制したゴードン(#18)の左サイドも大きな武器です。勝てば1966年以来、60年ぶりのワールドカップ表彰台となります。
フランス:デシャン監督にとって代表最後の試合。主将ムバッペ(#10)は8得点でメッシと並び、得点王争いを続けています。デンベレ(#7)も5得点を挙げています。
懸かるもの:世界3位の座、イングランドにとっては60年ぶりの表彰台、フランスにとっては14年間続いたデシャン体制の最後の結果。そして、翌日の決勝まで続く得点王争いです。
注目選手
【イングランド】
#18 アンソニー・ゴードン(FW/ニューカッスル・ユナイテッド(イングランド)):準決勝アルゼンチン戦で先制点を決めた、いま最も勢いのある選手です。左から縦へ仕掛け、相手の最終ラインを後ろ向きにできます。フランスが守備陣を入れ替えるなら、立ち上がりから最も狙いたい場所になります。
#9 ハリー・ケイン(FW・主将/バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)):今大会6得点を挙げる主将です。4年前の準々決勝では、フランス相手に同点の好機となる終盤のPKを外し、悔しさを抱えたまま大会を去りました。今回は自らの得点だけでなく、準決勝で失った試合の主導権を、前線から取り戻せるかも問われます。
#10 ジュード・ベリンガム(MF/レアル・マドリード(スペイン)):今大会6得点の中心選手です。ただし、準決勝後にアルゼンチンの控え選手バレンティン・バルコの後頭部付近を手で叩くような場面が映像に残り、処分の可能性が注目されています。7月17日時点でFIFAから正式な出場停止は発表されておらず、出場可否は直前まで確認が必要です。出場できれば、普段レアル・マドリードでチームメートのムバッペ、チュアメニと敵として向き合います。
【フランス】
#10 キリアン・ムバッペ(FW・主将/レアル・マドリード(スペイン)):今大会8得点でメッシと並ぶ得点王候補です。ムバッペは3位決定戦で先に数字を伸ばし、その後に決勝を戦うメッシの結果を待つ立場になります。デシャン監督の最後の試合で、主将としてどの姿を残すかにも注目です。
#7 ウスマン・デンベレ(FW/パリ・サンジェルマン(フランス)):今大会5得点の第2の得点源です。スペイン戦ではボールを受ける位置が低くなり、ゴールへ向かう1対1を十分に作れませんでした。ムバッペへの警戒が集中するなか、逆側でどこまで自由になれるかがフランスの攻撃を左右します。
#8 オーレリアン・チュアメニ(MF/レアル・マドリード(スペイン)):4年前の準々決勝で、イングランド相手に先制点を決めた選手です。今回は中盤の守備だけでなく、スペイン戦で乱れたボールの出口を整える役割も重要になります。ベリンガムが出場すれば、普段レアル・マドリードで組む2人の中盤対決も実現します。
戦術と強み・急所
イングランドの強み:ゴードンの縦への推進力、ケインのポストプレー、ベリンガムのゴール前への飛び込みです。セットプレーでも高さがあり、フランスの守備陣が入れ替われば、連係が整う前に圧力をかけられます。
イングランドの急所:先制後の試合運びです。アルゼンチン戦では、リードを守ろうとして重心が下がり、ボールを前へ運べなくなりました。もう一度先制した場合に、守るだけでなく保持と前進を続けられるかが最大の課題です。
フランスの強み:ムバッペとデンベレのスピード、少ないパスからゴールへ迫れる決定力、そしてイングランドより1日長い休養です。相手が前へ出た瞬間の背後を突く力は、大会最後まで変わりません。
フランスの急所:プレスを外された後の戻りと、ボールを奪った直後の技術的な精度です。スペイン戦では前から追っても奪い切れず、奪った後の最初のパスでもミスが続きました。イングランドの走力を受けるだけになると、再び攻撃が遠くなります。
各国のいま
イングランドは、準決勝でアルゼンチンに1-2で敗れました。
55分にゴードンが先制しましたが、その後は徐々に守備へ重心を移し、ボールを持てない時間が増えていきました。守備的な配置へ移った後の19分間で、成功したパスはわずか4本。ケインも試合後、1-0になってから守り切ろうとしすぎたことを認めています。
今回の焦点は、同じ状況が訪れたときに違う判断ができるかです。リードした後もケインを孤立させず、中盤で一度ボールを落ち着かせ、もう一度相手陣内へ出られるか。3位決定戦は、準決勝で残った課題へすぐに答えを出せる機会でもあります。
一方、試合後にはベリンガムがアルゼンチンのバルコへ手を出すような場面があり、出場可否が新たな焦点となりました。発端は明らかになっておらず、現時点で正式な処分も発表されていません。ベリンガムを欠く場合、イングランドは中盤からゴール前へ運ぶ力を、別の選手で補う必要があります。
フランスは、準決勝でスペインに0-2で敗れました。
立ち上がりから前へ出ましたが、スペインのパス回しに最初のプレスを外され、中盤の背後を使われました。ボールを奪った後もパスとコントロールが安定せず、ムバッペとデンベレを前向きに走らせる回数を増やせませんでした。
この試合は、デシャン監督にとってフランス代表での最後の90分です。2018年の優勝、2022年の準優勝、そして3大会連続のベスト4。フランスを長く世界の中心へ置いてきた14年間が、マイアミで終わります。デシャン監督は3位を取りにいく姿勢を明確にしており、どの選手を最後の先発に選ぶかも大きな見どころです。
かみ合わせ分析
先制後のイングランド × フランスの速攻:イングランドが先に得点した場合、再び後ろへ下がるのか、それともボールを持って2点目を狙うのか。下がりすぎれば、ムバッペとデンベレが前を向く回数を自ら増やすことになります。
フランスのプレス × イングランドの出口:フランスはスペイン戦で前から奪い切れませんでした。イングランドのCBや中盤へ強く出るのか、一度構えてムバッペの背後への走りを優先するのか。デシャン監督の最後の戦術選択が、試合の形を決めます。
ゴードンの左 × フランスの右:準決勝で得点したゴードンは、縦への突破だけで相手の最終ラインを下げられます。フランスが守備陣を入れ替える場合、右サイドの受け渡しが整う前に仕掛けられるかが鍵です。
セットプレーとクロス:2022年の対戦では、フランスがジルーのヘディングで勝ち越しました。イングランドにもケイン、ストーンズら高さがあります。メンバー変更で流れの連係が薄くなるほど、止まったボールとクロスの価値は高まります。
ベンチから現れる次の主役:両国とも先発を変更する可能性があります。普段は出場時間の限られる選手にとっては、ワールドカップの順位だけでなく、次の代表周期へ自分を残す試合でもあります。完成された連係より、一人の勢いが試合を動かす展開も考えられます。
総じて、イングランドがゴードンの左から先に主導権を握り、リード後も前進を止めなければ、1966年以来の表彰台へ近づきます。
一方、フランスは休養が1日長く、ムバッペとデンベレを前向きに走らせられれば、イングランドが準決勝で見せた終盤の不安を再び突けます。主力をどこまで起用するかによって、予想が大きく変わる一戦です。
会場とコンディション
会場はマイアミのハードロック・スタジアムです。現地17時開始で、7月の高温多湿が残る時間帯。観客席の多くは天蓋で覆われていますが、ピッチは開放されており、走力と交代選手の強度が重要になります。
休養面では、フランスが準決勝から中3日、イングランドが中2日です。両チームとも準決勝は90分で終えていますが、回復時間ではフランスが1日多く確保しています。
ただし、先発を大きく変更すれば、疲労の差より連係の差が試合へ影響します。どちらが主力を残し、どちらが新しい選手へ機会を渡すのか。メンバー表が出た時点で、試合の見方が大きく変わります。
もし今、笛が鳴ったら
主力が一定数先発する前提で、フランスが2-1で勝つ展開を本線に見ます。
立ち上がりはイングランドが、準決勝で結果を出したゴードンの左から積極的に前進。フランスの守備陣が整う前に先制する展開を予想します。
しかし、フランスはイングランドより1日長く休んでいます。後半に入ると中盤の強度が上がり、ムバッペが左から中央へ入り込んで同点。さらにイングランドの最終ラインが下がったところで、逆側のデンベレが仕留めると見ています。
もっとも、両国が大幅にメンバーを入れ替えれば、試合はより読みにくくなります。ベリンガムの出場可否、ムバッペとデンベレの先発、ゴードンを続けて使うか。この3点で予想の前提は変わります。
予想スコア:フランスが2-1で勝利
予想得点者:ムバッペ、デンベレ(フランス)/ゴードン(イングランド)
注目ポイント:イングランドが先制後も前進を続けられるか、フランスがプレスの高さを変えるか、ベリンガムは出場できるか、ムバッペが得点王争いで先に数字を伸ばすか
※あくまで個人的な予想です。
見どころ
両国がワールドカップで対戦するのは、今回が4度目です。
1966年はイングランドが2-0で勝利し、そのまま初優勝へ進みました。1982年にもイングランドが3-1で勝利。フランスが初めて勝ったのが、2022年カタール大会の準々決勝です。
チュアメニの先制点、ケインのPKによる同点、ジルーの勝ち越し。そして、ケインが終盤の2本目のPKを外しました。4年前は、フランスがイングランドの大会を終わらせています。
今回は決勝への切符ではなく、世界3位を懸けた対戦です。イングランドが60年ぶりの表彰台を手にするのか。フランスがデシャン監督の14年間を勝利で終えるのか。同じ相手でも、背負う意味は4年前とまったく異なります。
クラブでは味方として戦う選手たちが、代表では敵になる点も面白いところです。ベリンガムとムバッペ、チュアメニはレアル・マドリード、サカとライス、サリバはアーセナルでチームメート。互いの得意な動きも癖も知る選手たちが、国を背負って向き合います。
そして直前まで目を離せないのが、ベリンガムの処分の有無と両国の先発です。3位決定戦だからこそ、これまでの主役だけでなく、大会で十分な時間を得られなかった選手が最後の物語を作る可能性があります。
最後に
イングランドが勝てば、1966年の優勝以来、60年ぶりのワールドカップ表彰台です。
フランスが勝てば、2018年の世界一、2022年の準優勝へ導いたデシャン監督の14年間は、世界3位という結果で締めくくられます。
準決勝の敗戦は変えられません。それでも、大会の最後にどんなサッカーを見せ、どんな表情でピッチを去るかは、この試合で変えられます。
先制した後も前へ出られるのか。前の試合で機能しなかった戦い方を修正できるのか。悔しさを抱えたままでも、もう一度国のために走り切れるのか。
世界3位を決める90分。両国がワールドカップ2026に残す最後の答えまで、じっくり見届けたい一戦です。
【マガジンのご紹介】
ワールドカップに関する記事はこちらにまとめています。
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