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【地方創生の本質】「人口が1人減ると、内需が135万円消える」地方が観光に取り組むべきこれだけの理由

こんにちは。少し前に「どうして日本や地方地域は観光に力を入れないといけないのか?」という話題を残しました。

マスメディアがゴールデンウィークの混雑やインバウンド(訪日外国人客)の動向をこれだけ大きく報じるのには、実は非常にシビアで明確な理由があります。しかし、その「そもそも論」が世間であまり語られていない気がするので、今回は数字をもとにお話しします。

結論から言うと、「いまの日本の地方地域において、経済を維持・継続するための手段は、もう『観光』くらいしか残されていないから」です。


1. 2040年には国内宿泊者数が最大34%減?「待てば客がくる」時代の終わり

ご存知の通り、わが国は少子高齢化によって人口が減り続けています。東京などの主要都市とは異なり、地方地域におけるその人口減少のスピードは「加速度的」です。

リクルートさんの発表によると、日本人の国内宿泊者数は2040年には2024年度比で【13%〜34%減】になると予測されています。まさに「待っていればお客様がやってくる」という時代は、完全に終わりを告げようとしているのです。

では、人口が減ると地域経済には具体的にどれほどのダメージがあるのでしょうか。

2. 人口が1人減る=地域の内需が「135万円」消滅するということ

国(観光庁など)の算出データによると、「地域から定住人口が1人いなくなると、1年間に【135万円】の内需(消費)が減る」と言われています。

お亡くなりになったり、都会へ引っ越されたりして地域から人が1人減るたびに、その地域で使われるはずだった135万円の消費が毎年毎年、消えていくわけです。

例えば、以前私たちが観光地域づくりをお手伝いさせていただいた佐賀県の嬉野温泉(嬉野市)。直近のデータを見ると、1年間で約350人もの人口が減少しています。

これを先ほどの数字に掛け算してみると……

・350人×135万円= 4億7,250万円

なんと、わずか1年で「4億7,250万円」もの内需が地域から消失していることになります。

これが毎年累積していく10年後の街の姿を想像できるでしょうか? そりゃあ、街中から商店や様々なサービス業が姿を消していくのも当然の現実なのです。

3. 定住人口「1人」の穴埋めに必要な観光客の数とは?

この「消えゆく135万円」を、外から来る観光客の消費によって補填しよう、というのが観光地域づくりの本質です。

では、消えた定住人口1人分(135万円)をカバーするためには、一体何人の観光客を呼び込めばよいのでしょうか? 旅先での平均消費単価から計算すると、驚きの事実が見えてきます。

  • 国内客(日帰り): 平均消費単価【1.9万円】 ➡ 【71人】くれば1人分を賄える

  • 国内客(宿泊): 平均消費単価【6.3万円】 ➡ 【21人】くればOK

  • 外国人観光客(インバウンド): 平均消費単価【21.6万円】 ➡ たったの【6人】でOK

この数字を並べて見ると、国内客の宿泊、そしてインバウンド客を地域に呼び込むことが、地方が生き残る上でどれだけ「必須」であるかが一目瞭然です。

昭和の時代は「観光客をたくさん呼ぶこと(数)」そのものが美化されていましたが、令和の今は、呼び込むと同時に「地域に滞在してもらい、しっかりとお金を使っていただく(質)」に注力する必要があります。そうすることで、地域から消えかけているお店やサービスを現状維持、あるいは新しい形で残していくことが可能になるのです。

4. 観光はすべての業種へお金が回る「総合産業」である

観光産業の素晴らしいところは、その「裾野の広さ」にあります。

観光客が地域で落としたお金は、宿泊業や飲食業、お土産店だけに留まりません。

交通インフラ、小売業、食材を納入する農業や水産業、さらには施設の修繕に関わる建設業など、多岐にわたる地元の業種へとお金が循環していきます。この広範な経済波及効果があるからこそ、観光は地域経済をガツンと活性化させ、幅広い雇用を創出できる「総合産業」としての重要な役割を担えるのです。

まとめ:創業から20年。これからの10年は「地域×観光×AI」へ

こうして改めて文字に起こしてみると、自分のビジネスの歩みを振り返る良い機会になりました。

デジタルハリウッドからスピンアウトして当社を創業してからの最初の10年は、B to B(企業向け)のデジタルマーケティングエージェンシー、あるいはデジタルコンテンツのプロダクションとしての機能を提供してきました。

しかし、直近の10年はビジネスデベロップメント(事業開発)機能も兼ね備え、領域をB to G(行政・地域)へと大きく広げてきました。「観光」を主軸に据え、地域課題解決型の取り組みに特化して全国を奔走してきたのが、今の私たちの礎です。

そして、これからの10年。

これまで築き上げてきたリアルな現場の知見とネットワークの上に、「AI(人工知能)」を組み込んでいくことで、私たちの事業、そして地域の観光ビジネスはさらに加速していくのだろうな、と未来にワクワクしている今日この頃です。

(写真は、私が大好きな嬉野温泉の『大村屋』さんへ向かう途中の風景。これを見るだけで、またすぐにでも行きたくなってしまいます!)

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