夜店から | 短文エッセイ #シロクマ文芸部
年長最後のなつまつり
それは、朝9時からはじまる。
浴衣を着た子どもたちが、目を輝かせながらスタートの合図を待っている。
「それでは、なつまつりスタートです!」
先生の合図で、いっせいに動き出す。
「はやくいこう!」
そう言って、息子が私の手を引く。
各教室には、「おもちゃすくい」や「バルーンアート」。
握りしめていた1回券を渡し、真剣な表情でおもちゃをすくう。
そのあとは、園庭で「やきそば」「レモネード」「れいとうみかん」「ポテト」。
仲の良い友だちと、笑顔で食べている。
「終了でーす!」
その合図で、小さななつまつりは幕を閉じた。
「すっごい、楽しかったねー!」
「パパも、すっごい楽しかったよ!」
息子と過ごした小さななつまつりは、私にとって、かけがえのない宝物になった。
嬉しそうに見せてくれたバルーンアートも、友だちと笑いながら食べたポテトも。
あの日の小さな夜店は、息子との大切な時間をくれた。
そんな、夜店からのおくりもの。
素敵なお題をありがとうございます。
お題で書きはじめるnote企画「夜店から」に参加させていただきました。

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