“色収差”ってなに?|実はよく知らないカメラのお話
スポーツフォトグラファーの木村亮介です😌
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スポーツの撮影で、日差しの強い屋外で撮った写真を拡大したとき、被写体の輪郭に紫や緑のフチどりが出るという経験、ありませんか?
木漏れ日の下で撮ったユニフォームの端や、逆光気味のシーンで撮ったボールの輪郭に、本来そこにないはずの色(フリンジ)がにじんでいる。

僕自身、駆け出しの頃はレンズが壊れているのかと本気で心配したのを覚えています。
この現象を 色収差 といいます。
この記事では、色収差がなぜ起きるのか、そしてスポーツ撮影の現場でどう付き合っていけばいいのかを整理してみます。
なぜ色収差は起きるのか
色収差が起きる理由は、光の性質そのものにあります。
レンズを通る光は、色(波長)によって屈折する角度がわずかに異なります。プリズムに白い光を通すと虹色に分かれるのと同じ原理で、レンズの中でも赤・青・緑といった波長ごとに焦点を結ぶ位置がずれてしまうんですね。

このズレが、写真上では色のにじみとして現れます。
特に目立ちやすいのが、コントラストが強い場面です。
白いユニフォームと濃い緑の芝
曇り空を背景にした人物
逆光ぎみのシーン
こうした条件が重なると、にじみが一気に気になりやすくなります。
色収差には2種類ある
色収差は、大きく分けて2つのタイプに分類されます。
☑︎ 軸上色収差 画面の中心から端まで、どこにでも現れうるタイプ。
☑︎ 倍率色収差 画面の周辺部ほど目立ちやすいタイプ。
望遠レンズで撮った写真の隅っこに紫のにじみが出やすいのは、この倍率色収差が原因であることが多いです。

対処法は「撮影時」と「レンズ」と「現像」の3段階
撮影時にできることは限られていますが、
・絞りを少し絞る
・被写体をなるべく画面中央に置く
といった工夫でにじみを軽減できます。
ただ、根本的な解決策はレンズの光学設計側にあります。
レンズの紹介ページを見ると、EDガラスや異常分散ガラスといった言葉をよく目にします。ED(特殊低分散)ガラスや異常分散ガラスといった特殊な硝材を使うことで、色ごとの屈折のズレを物理的に抑え込む設計がされています。上位クラスのレンズほどこうした硝材を多く使う傾向があるのは、まさにこの色収差対策のためです。

もうひとつは、現像・編集ソフト側での補正機能です。LightroomやCapture Oneには「色収差の除去」というチェックボックスがあり、多くの場合はワンクリックでかなりの部分を消してくれます。強く出たにじみを完全にゼロにするのは難しいこともありますが、撮って出しの段階で神経質になりすぎず、現像段階で対処するくらいの心構えでいると、撮影中の集中力を保ちやすくなります。
まとめ
スポーツ写真の現場では、一瞬のシャッターチャンスに全神経を使います。色収差のことばかり気にしていては本末転倒になってしまいます。
まずは「光の性質による自然な現象で、故障ではない」と知っておくこと。そのうえで、レンズ選びや現像の引き出しのひとつとして知識を持っておく。
それくらいの距離感で付き合っていくのがちょうどいいのかなと思っています。
著者:木村亮介
