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トフロム八重洲

東京駅の八重洲口を出ると、また新しい巨大ビルが増えました。

2026年9月10日。

「TOFROM YAESU TOWER(トフロム ヤエス タワー)」が開業しました。

地上51階、地下4階。

高さは約250メートル。

東京駅とは八重洲地下街を通じて直結しています。

ここまで聞くと、

「東京駅にまた大きな商業施設ができたのね」

くらいに見えます。

実際、低層階には飲食店を中心とした商業ゾーンがあり、最終的には68店舗が入る予定です。

今日9月10日時点では、そのうち55店舗が一斉に開業しました。

ところが調べてみると、この施設。

新しいものをたくさん集めたショッピングビル……というより、

「昔の八重洲を、巨大ビルの中にもう一度作ろうとしている」

ような施設でした。

しかも地下には高速バスターミナル。

上には劇場。

中には、映画監督・岩井俊二さんが書いた物語から生まれたアートまであります。

何だこれ(笑)。

ちょっと気になったので、調べてみました。

まず、東京駅前に高さ250m

「TOFROM YAESU」は、

TOFROM YAESU TOWER
TOFROM YAESU THE FRONT

という2棟からなる再開発街区です。

今回商業エリアが開業したTOWERは、地上51階・地下4階、高さ約250m。

THE FRONTは地上10階・地下2階です。

場所は東京駅八重洲口のすぐ前。

地下1階で八重洲地下街、いわゆる「ヤエチカ」とつながっています。

つまり雨の日でも、東京駅からほぼ外へ出ずに入れます。

でも面白いのは大きさではありません。

発見① 新ビルなのに、テーマは「路地裏」

普通、新しい巨大商業施設というと、

広い吹き抜け。

明るい通路。

有名ブランド。

そんなイメージがあります。

ところがトフロム八重洲の商業ゾーンでは、八重洲に昔からあった路地裏文化をかなり意識しています。

東京建物は、八重洲の歴史や多様性を受け継ぎ、老舗と新しい店が共存する場所を目指すと説明しています。

特に象徴的なのが2階の、

「YAESU 東京界」

というエリア。

ここには12の飲食店がまとまり、路地裏をイメージした空間になっています。

しかも集めたのは、単なるチェーン店だけではありません。

ミシュラン一つ星獲得店の新店舗や、ビブグルマン掲載実績のある店なども入っています。

つまり、

高さ250mの超高層ビルの中に、路地裏を作った。

ここが最初の「へえ」です。

発見② 新しい店だけじゃない。170年以上の老舗まで戻ってきた

商業施設の新規オープンというと、新ブランドや初出店が話題になりがちです。

ところがトフロム八重洲では、

昔から八重洲にあった店

も重要な存在になっています。

たとえば「割烹 嶋村」。

創業170年を超える老舗として紹介されていて、再開発を経て新しい施設の中で営業を続けます。

さらに本格中華料理の「Tai Kou Rou TOKYO」など、八重洲に縁のある店も入ります。

古い建物を壊して、

全部新しい店に入れ替える。

ではなく、

街にあった店を、新しい街へ引っ越してもらう。

という考え方なんですね。

再開発というと「昔の街が消える」という印象もありますが、今回の八重洲では、その逆を意識しているように見えます。

発見③ 地下にあるのは食品売り場ではなく「高速バスの巨大拠点」

そしてもう一つ。

地下へ行くと、ショッピング施設とは全然違う顔が出てきます。

バスターミナル東京八重洲。

第1期エリアは2022年に開業。

第2期にあたる地下Aエリアは、今年2026年3月20日に開業しています。

さらに2029年には第3期の開業も予定されています。

3エリアすべて完成すると、

20バース、約2万1000平方メートル。

国内最大級の高速バスターミナルになる計画です。

東京駅で買い物して、ご飯を食べて、そのまま地下から高速バスへ。

地方から高速バスで東京へ来て、そのまま東京駅へ。

これまで八重洲周辺に点在していたバス乗り場をまとめる意味もあります。

東京駅前の新しい商業施設と思っていたら、

実は日本各地をつなぐ交通拠点でもあるんです。

発見④ 800席の劇場まで入っている

さらに3~6階には、

「東京建物 ぴあ シアター&カンファレンス」

があります。

約800席の段床式劇場・カンファレンス施設で、東京駅前では初となる本格的な劇場施設です。

9月9日からオープニングシリーズもスタート。

つまりトフロム八重洲は、

食べる場所。

買う場所。

高速バスに乗る場所。

だけではなく、

舞台やイベントを観る場所

にもなりました。

これ、地方から来る人にはかなり便利です。

高速バスで着く。

東京駅前で食事。

そのまま舞台を見る。

終わったら帰る。

移動が一カ所でまとまります。

さらに変わっているのが「人魚」

巨大ビル。

老舗。

高速バス。

劇場。

ここまででも十分盛りだくさんなのですが、さらに変わったものがあります。

館内で展開されるアートプロジェクト、

「人魚の街」

です。

映画監督の岩井俊二さんが、八重洲を舞台にオリジナルストーリーを書き下ろしました。

その物語をもとに、8組のアーティストが作品を制作しています。

ストーリーには、

江戸から東京へ変わっていく街。

八重洲に残る水辺の記憶。

海外と日本のつながり。

といった土地の歴史が盛り込まれています。

商業施設でアートを飾ること自体は珍しくありません。

でも今回は、

「先に物語を作って、その世界から建物全体のアートを生み出した」

という形。

ショッピングモールの装飾とは少し違います。

なぜ、こんな作り方をしたのか

八重洲は、ちょっと不思議な場所です。

丸の内側には高層オフィスビルが並ぶ一方、八重洲側には長い間、小さな飲食店や路地、雑居ビルが残っていました。

その街がここ数年、一気に変わっています。

東京ミッドタウン八重洲ができ、

バスターミナルができ、

そして今回トフロム八重洲が加わりました。

便利にはなる。

でも街が全部同じような巨大ビルになれば、

「ここが八重洲である理由」

が薄くなってしまいます。

だから今回、

老舗。

路地。

歴史。

アート。

といったものをあえて新しいビルへ持ち込んでいる。

東京建物自身も、江戸時代から人と物が集まってきた八重洲の伝統や多様性を受け継ぐ施設だと位置づけています。

なるほど。

巨大ビルを作ったのに、

テーマは「巨大さ」ではなかったんですね。

今日から18日まで、開業祭も開催

そして今日9月10日から9月18日までは、開業祭も開催されています。

広場「檜物町スクエア」には巨大な提灯を使った「結のやぐら」が登場。

時間帯によって無料ドリンクの提供やDJパフォーマンス、抽選会なども行われています。

開業祭自体は入場無料。

「東京駅へ行く用事があるから、ちょっと寄ってみる」

くらいでも楽しめそうです。

ただし「68店舗全部オープン」ではない

ここは注意。

「68店舗が集結」という数字をよく見ますが、

9月10日に68店舗すべてが開いたわけではありません。

今日開業したのはTOWER側の55店舗。

TOWERの一部店舗とTHE FRONTの商業店舗は、2026年冬以降に順次開業予定です。

つまり今日が完成ではない。

今後さらに店が増えます。

「オープンしたから一度行けば終わり」ではなく、

冬以降にもう一度変化する施設でもあります。

東京駅で30分余ったら、ちょっと面白いかもしれない

遠方からわざわざ「ビルを見るためだけ」に東京へ行く場所かと言われれば、そこまでは言いません。

でも、

東京駅で乗り換える。

高速バスを使う。

舞台を観る。

出張で八重洲へ行く。

そんな人なら、かなり立ち寄りやすい。

そして少し見方を変えると、

「日本でいちばん新しい巨大ビル」

として見るより、

「昔の路地や店を、巨大ビルの中でどう残したのか」

を探しながら歩く方が面白そうです。

高さ250mの建物を作って、

その中に路地裏を作る。

170年以上続く店を入れる。

地下には地方へ向かう高速バス。

上には劇場。

さらに館内には、人魚の物語。

最初は、

「東京駅にまた新しい商業施設ができた」

という話だと思っていました。

調べ終わってみると、

これは東京駅前に、新しい“街”を一つ作った話だった。

今日から開いたばかりです。

東京駅へ行く予定がある人は、八重洲口で少し寄り道してみても面白いかもしれません。

参考情報

TOFROM YAESU 公式|Shop & Restaurant
東京建物|TOFROM YAESU TOWER開業発表
Impress Watch|トフロム八重洲の施設・店舗紹介
トラベル Watch|YAESU 東京界・グルメ紹介
インターネットミュージアム|岩井俊二「人魚の街」アートプロジェクト

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