【じーじは見た!】後編:第7回 健康・医療新産業協議会を見てみた!
Z世代応援団、未来世代応援のじーじです!
今回は、第7回 健康・医療新産業協議会の資料を確認しています。
本編は後編です。前編から読んでいただけると嬉しいです。
4️⃣ 経済産業省の取組み
健康・医療戦略推進法が成立した2015年と言えば、世界ではパリ協定(地球温暖化対策)とSDGsの17目標が採択された年でした。
日本にとっても2012年に山中先生がiPS細胞でノーベル賞を受賞し、欧米に遅れていた医療分野の産業育成を経産省としても真剣に考えていました。
未来の医療費高騰時代(人口減少下での高齢化)への備えとしても重要視され始めた医療産業育成検討の始まりも2015年でした。
しかし、2020年のコロナ禍では、欧米の製薬会社のワクチン開発力に全く歯が立ちませんでした。世界はうんと先を行っていました。
経産省が目指している姿は、こんなイメージ図で表されています。

簡単に解説すると、企業には従業員への健康投資を増やさせて、そうすると黎明期のヘルスケアサービスの投資が呼び込めると考えたようです。
つまり、スマートウォッチと連動した健康管理データと連動した民間保険のインセンティブが設計され、それが起爆になって公的な医療・介護サービスと上手く連携ができるようになり、より多くの個人が長く働ける健康を維持できるという全体像です。
これって、経済産業省が所管なので仕方ないとは思うのですが、健康・医療戦略といっても人口減に伴って不足する労働力を健康な老人に担ってもらうというさもしい未来像だよね。

しかし、340万社もある中小企業の内、ネクストブライト企業を1000社認定したところで、そこを目指して健康経営に投資を増やそうと思う中小企業はいないんじゃないのかな?


PHRを活用したサービス開発は有望なんだろうけれど、野党から個人情報がどうのこうのと妨害されて進んでいないのでしょうね。
経産省には、是非、中小企業基本法に手を付けてもらって、企業規模を上げていく政策誘導に力を注いでほしいです。
5️⃣ 厚生労働省の取組み
経産省が「健康な働く老人確保のための投資促進」が主眼であるなら、厚労省は「健康長寿な社会で医療費の高騰を抑えたい」との考えから下記のような全体像を描いています。

上記全体像の注釈
①市町村は医療専門職を配置
②高齢者一人ひとりの医療・介護等の情報を一括把握
③地域の健康課題を整理・分析
④閉じこもり老人をアウトリーチ支援
(プッシュ型お節介行政ができるほどのデータ利活用基盤があれば素晴らしいが、自治体任せの丸投げ行政では無理だろうね。)
⑤国民健康保険と後期高齢者医療制度の保険事業を接続
(現状ではこんなこともやれてないんだろうね)
⑥社会参加を含むフレイル(虚弱)対策:「運動」「栄養(口腔ケア)」「社会参加」の3本柱を実践
⑦通いの場等への医療専門職の積極関与
⑧通いの場等への参加勧奨
⑨民間機関と連携した通いの場の大幅な拡充
⑩市民自らが担い手となった参画機会の拡充
⑪通いの場への保険医療視点での支援拡充

現在、健康増進法に基づく基本方針と健康増進計画に基づく第三次健康日本21が進行中です。

2032年をゴールにした第5次健康づくり(健康日本21<第3次>)には、数値目標も設定されているんですよ。
【 】内が数値目標
1.健康寿命の延伸と健康格差の縮小
①健康寿命の延伸【平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加】・・・これからは死ぬほど働いてきた団塊世代が平均寿命に近づくにつれて平均寿命の延びが止まったりして?
2.個人の行動と健康状態の改善
②適正体重を維持している者の増加(肥満、若年女性のやせ、低栄養傾向の高齢者の減少)【適正BMI 66%】
③野菜摂取量の増加【350g】
④運動習慣者の増加【40%】
⑤睡眠時間が十分に確保できている者の増加【60%】
⑥生活習慣病(NCDs)のリスクを高める量を飲酒して いる者の減少【10%】
⑦喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)【12%】
⑧糖尿病有病者の増加の抑制【1,350万人】
⑨COPD(慢性閉塞性肺疾患)の死亡率の減少【人口10万人当り10】
3.社会環境の質の向上
⑩「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニ シアチブ」の推進【47都道府県】
⑪健康経営の推進【10万社】
4.ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり(女性の健康関係)
⑫若年女性のやせの減少【20~30歳女性でBMI18.5未満の割合15%】
⑬生活習慣病(NCDs)のリスクを高める量を飲酒している女性の減少【1日当り20g以上の純アルコール摂取の女性割合 6.4%】
⑭骨粗鬆症検診受診率の向上【受診率15%】
6️⃣ 内閣府健康・医療戦略推進事務局の取組み
全ての省庁の取組みに共通する横串が必要なテーマとして「医療等情報の利活用の推進」を内閣府の健康・医療戦略推進事務局が担当しています。
縦割り社会、排他的で系列による参入障壁を好む社会、つまり「ムラ社会」の日本において30年無成長を避ける重要な戦略って何だったのでしょうか?
35年前にピーター・ドラッカーは、論文「The future that has already happened. 」の中で、人口減少に直面している日本のような先進国が今(当時:1990年代前)取り組むべきことは、「教育」と「医療」改革だと指摘してくれていました。厚労省の取組みは、そんな医療分野のマネジメント改革を35年遅れで始めたと読めなくもありません。
特に「教育と医療の管理」は、どちらも今日の段階では、過剰管理下(オーバーアドミニストレーティッド)でマネジメント不十分な状況である。
病院個々で電子カルテを独占したり、お薬のデータを個々の薬局が独占しないで、全国どこでも共通財産としてデータを使えば、効率的な医療が行えることは、ちょっと考えれば分かることなのですが、病院(医師)や薬局が嫌がってきたのでしょうね。

赤く囲んであるデータの二次利用に関しては、個人情報保護を理由に何とかやらせないようにムラ社会維持に固執する議員さんは、与野党問わず多数います。改革に消極的な方々が多いんですよね。本当に困ったものです。
このままでは、どんどん世界から遅れていきます。

2018年に電子カルテ情報を大学や製薬企業、医療機器メーカーで活用できる法律を作ったのに「反対」勢力の抵抗で、どんどん面倒で使いづらい仕組みになりつつあります。
①次世代医療基盤法は、国の認定を受けた事業者が、電子カルテや健診等の医療情報を医療機関等から収集し、「匿名加工医療情報」に加工※1して、大学、製薬企業、医療機器メーカー等に提供し、医療分野の研究開発での活用を促進する法律として、 2018年5月11日に施行(新規制定)。
②2024年4月1日に改正法が施行され、医療情報を「仮名加工医療情報」に加工※2して研究開発に活用可能。
③医療情報の認定作成事業者への提供が丁寧なオプトアウト手続き※3で可能。本人同意を求める個人情報保護法の特例法。
※1:匿名加工:個人情報を個人が特定できないよう、また個人情報を復元できないように加工すること
※2:仮名加工:他の情報と照合しない限り、個人を特定できないよう加工すること(匿名加工と異なり特異な値や希少疾患名等の削除等は不要)
※3:丁寧なオプトアウト手続き:医療情報の提供に関する本人への通知が必要(本人等の求めがある場合は提供停止)
医療改革は、本当に難しいことです。
医療を市場経済だけに任せていると「直美(ちょくび)」に若者医師が取られてしまいます。
医学部を出て医師免許を取ったら、外科ではなく、美容クリニックでメスを握る若者ばかりになってしまい、次世代の外科医が不足しているそうですよ。
治る病気も適切な時期に手術がしてもらえなくなる日も近く、きっと日本の平均寿命の延びは止まりますね。
合理的利己だけに依存していたのでは、医療崩壊は近いです。
だから、規制も必要です。
だけど規制緩和も大事。
特にデータの共有による効率化は必須です。
本当に政治が大切、賢い立法措置が大切なんです。
頑張ってよ政治家さん!
頑張れZ世代!
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