Sakana AIから見る「オーケストレーション」の未来観
AIの世界では、つい最近まで「どのモデルが一番賢いのか」という競争が
注目されていました。
しかし、いま比較すべきなのは、単純な頭の良さだけではありません。
「仕事が来たとき、誰に何を任せるのか」。この視点でAIを見ていくと、Anthropic、OpenAI、Google、xAI、Sakana AIのFugu、Genspark、
それぞれが異なる「組織設計」を持っていることに気づきます。
皆様は、Sakana AIを知っていますか?
2023年7月に設立された東京拠点のAI企業で、
日本最速のユニコーン企業となり、
日本のために最先端のAI開発を掲げ、AIの進化と集団知を研究しています。
今回は、AIを「会社」にたとえて整理してみます。
① Anthropic・OpenAI・Google・xAI|
一人の天才に任せる会社
まず、Anthropic、OpenAI、Google、xAIのAIです。
利用者から見ると、基本的には一つの窓口、一つのモデルに仕事を依頼します。内部でツールを使ったり、処理を分担したりすることはありますが、
表に出てくるのは一人のAIです。会社でいえば、非常に優秀な社員が
一人いて、企画も調査も資料作成も、その人に任せるような形です。
シンプルで使いやすい一方、仕事の種類が増えたとき、
どこまで一人で対応できるのかが重要になります。
② Sakana AIのFugu|
案件ごとに専門家を集める会社
Fuguは、この構造を大きく変えます。利用者から見れば一つのモデルAPIですが、内部ではオープンウェイトや特化モデル(NVIDIA Nemotron familyを含む)の複数のLLMを呼び分け、タスクに応じてチームを組み替えます。
中心で指揮を執るのが「Conductor」と呼ばれるオーケストレーションの
仕組みです。誰に、どの仕事を、どのように任せるかを判断します。
会社にたとえるなら、案件が入るたびに最適な専門家を集める
プロジェクトチーム。編成の単位は「モデル」です。
③ Genspark|
人材も道具も、その都度そろえる会社
Gensparkは、編成の単位がさらに広い設計を目指します。Mixture-of-Agentsという仕組みにより、複数のLLMに加えて、検索、データ分析、スライド
作成、画像・動画生成、電話予約などのツールを組み合わせます。つまり、優秀な人材を集めるだけではありません。必要な道具まで、その仕事に合わせてそろえるのです。会社でいえば、案件ごとに専門家と必要な設備を集め、現場を作るプロジェクト会社。編成の単位は「モデル×ツール」です。
④ 常設組織型|
仕事が来る前から部署が存在する会社
そして、この型は別の考え方を持ちます。FuguやGensparkが
「仕事が来てからチームを編成する」のに対し、常設組織型は部署を
先に用意し、仕事をそれぞれの役割に振り分ける設計です。
都度編成型は、案件ごとに最適な布陣を引き直せます。
一方、常設組織型は、同じ担当が継続的に仕事を受け持ち、
役割や流れを積み重ねられます。
どちらが優れているかではなく、「毎回最適なチームを作るのか」
「最初から組織を持つのか」という思想の違いです。
一個人が生活向上の目的に、日常的に使う事に向いていると考えられます。
AIの競争は、組織設計の競争。
言い換えれば、「AI主権」の競争です。
これを整理すると、4社は「一人の天才」。Fuguは「モデルを都度編成」。Gensparkは「モデルと道具を都度編成」。
そして常設組織型は「役割が常設された組織」です。
「一人の天才を抱える会社はコストが高い。都度編成はコスパが良い」
AIの進化は、モデル単体の性能を競う段階から、複数の能力を
どう組み合わせ、仕事をどう流すかという段階へ進みつつあります。
その中で、今回Sakana AIが発表した『Fugu(ふぐ)Max / Ultra v2』」は、まさにこの移行の象徴です。
誰でも楽しめるオーケストレーション
《Sakana AI公式》
私たちは、最も高性能なAIは単一の巨大なモデルから生まれることは決してないと考えています。それは、知的な集団的オーケストレーションから生まれるでしょう。Fugu Maxがインテリジェンスのコストを削減し、Fugu Ultra v2が自律実行の限界を押し広げることで、Sakana Fuguは真のAI主権に
必要な、堅牢でベンダーに依存しないインフラストラクチャを提供します。
Fuguは、新しいモデルを作ったのではありません。
「一番コスパよく、一番的確に、チームを回す仕組み」で、
既存の複数のモデルをプールし、タスクの種類を見て、
最適なモデルに動的に振り分ける「オーケストレーション」の仕組みです。
これから多くの企業が
「オーケストレーション」を使う時代が来るかもしれませんね。
事実は一つ、解釈は無数。
NEWS【いきもの/新情報】
「1.2cmの45年」
潮が引くと素足で歩ける水面に、45年間一度も見つからなかったエビが
いた。和歌山の潮間帯で再発見された全長1.2cmの「幻のエビ(ムラサキエビモドキ)」。絶滅したと思われていたのに、ずっと身近な海辺で生きて
いたって、嬉しいなあ。この自然環境が、これからも続きますように。

