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note版ペイ・フォワード 「ペイフォワードは計算してはいけない」


                             菊池ひろみ

 懇意にしている「さとしさん」からバトンが回ってきた。

 紹介文には、飛び上がる程嬉しい言葉がズラリ。

 仕事の合間に見た私は、利用者に自慢する。

 満足、満足。

 しかし、このバトンは3人へ繋がねばならない。

 以前もバトンを貰ったことがある。
 その時も、3人へバトンを渡すことがルールであった。

 3人に渡すのは簡単。

 ただ、いざ渡そうとしたら……。
 
 すでに、誰かからバトンを貰っていた人が多い。

 一人から三人へ。
 その三人が、それぞれ三人へ。

 3人。
 9人。
 27人。
 81人。
 243人。

 これ、親切の増え方??

 そして、考えずにはいられない。

 これが続くと、いつか私のところにも二本目が来る。

 バトンを渡されること自体は光栄で、嬉しい。
 その人が私を選んでくれたのには何かしらの理由があるからだと思ってい
 る。

 だから、私も誰に渡そうかと悩む。
 
 「歩美さん」「いとさん」「kurotachiさん」「毛利さん」「涼さん」「
 さん
」「さとしさん」「keiさん」「ayshaさん」挙げればきりがない。

 きっと優しいみなさんなので、快く引き受けてくれるのだろう。
 だから、素直に渡せばいいだけなのだ。

 しかし、どこかで私の心がざわつく。

 「ねぇ、もしかして何か書いている途中かもよ?」
 「ホンマに大丈夫?仕事忙しいかもよ?」
 「言わないだけで、『菊池~、やめろ!』と思っているかもよ?」

 心臓に毛が生えている私の心は、丸裸になり「いや~ん」と言って、バト
 ンを転がす。

 お恥ずかしい話だが「ペイフォワード」という言葉を知らなかった。
 
 調べてみると「受けた親切を別の誰かへ送る」ことらしい。

 ならば、私も親切を送ろう。

 誰も指名しない。

 これが私から皆さんへの親切です。

 バトンはここで預かります。

 なお、返却は受け付けておりません。

 屈折した私の親切の受け取り方はこうだった。

 企画された「LaLaLaさん」すみません。
 バトン一本、こちらでお預かりします。

 そして、こうして企画してくださったおかげで、また一つ考えることがで
 きました。

 言葉を繋ぐ。

 それは、バトンだけでなく、見えない優しさであって欲しい。

 見えない優しさをどうにか言葉にできるように、私は今日も書いていくの
 だ。

 これからも、私はバトンがきたとき、その時の心に従ってどうするかを考
 えようと思う。

 ただし、次に三人へ渡す企画がきたら。

 計算だけはしない。


    バトンをくださった、さとしさん


    主催されたLaLaLaさん


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