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借りた本を返さない女 #シロクマ文芸部

「借りた本を返したことがない」と言ったら、私のこと、嫌いになるかしら。

誤解しないでね。
私が自分の意思で借りた本はきちんと返すのよ、図書館の本とか。
私が言っているのは、相手に「読んでみて」と言われて借りた本の話。

何が違うのって?

全然違うわよ。
だって、黙って返せないでしょう。
「ありがとう」と言って返すのもなんか違う。全然足りない。足りないのよ。そんなね、さらっと返しちゃったら傷つけちゃうと思う。なんて言えばいいかな。本を借りるっていうのはさ、貸してくれた人を受け止めることでもあると思うのよね。

重たい?
重たいのよ。本を借りるっていうのは。

だから私はね、親しい人からしか借りない。そして返さない。もう貰っちゃうつもりで借りる。

借りた本を読むのは少し怖いの。貸してくれた人の秘密を覗くみたいで。でも、それは私にだけ打ち明けてくれた大切なものだから。有り難くもらっておくの、私は。

ごめんなさい。
貴方からも五冊ほど本を借りているわよね。
全部読んだ。全部面白かったけど、貴方と同じ気持ちになれたか自信がない。だから、あと何回か読み直すと思う。

え?
一緒に住んじゃえばそんなの関係ないって?
貴方も相当におかしな人ね。
大好き。

(505文字)


※シロクマ文芸部に参加させていただきました


【あとがき】
久しぶりの投稿になってしまいました。
何をしていたかと言うと、童話を書いていました。Talesで募集している「新しい童話」向けに。
童話は難しいですね。5歳〜8歳が読んで理解してくれるか、面白がってくれるか、という観点で読み直すと「これじゃダメだな」となって何回も書き直していて、まだ終わりません。シルバーウィークを使って何とか完成させたいと思っています。。。

その間、創作大賞2026の中間選考の結果が出ましたね。交流させてもらっているnoterさんの名前を見つけて「創作大賞やるやん!」と思ったものの、「いや、もっとだよ」と思ってしまいました。通過していい作品はもっとあったな、と。
自分でも応募していて「第一部しか書いてないから駄目かもな」と思いつつも、改めて通過しなかったことを示されるとやっぱりショックを受けますね。でも、負け惜しみでも何でもなく、尊敬しているnoterさん達に「面白い」と言ってもらえた時点で満足、というかnoteを始める前からすると信じられないくらい幸せな状況なので、これからもマイペースで書いていこうと思っています。とりあえず、童話を書き終わったら、創作大賞に出した作品を完結させようと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。

二郎丸

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