会社の本音は、人事評価制度に表れる
今、ある企業の人事評価制度づくりをお手伝いしています。
人事評価制度をつくるとなると、どうしても、
「どんな評価項目にするか」
「何段階で評価するか」
といった制度の話から始めたくなります。
でも、その前に考えたいことがあります。
「そもそも、何のために人事評価制度をつくるのか」
ということです。
制度は、あくまで手段。
どれだけ立派な評価シートが完成しても、それによって何を実現したいのかが曖昧であれば、いつの間にか「評価すること」自体が目的になってしまいます。
人事評価制度には、いくつかの役割があります。
①社員に成長のステップを示す。
②自分の強みや課題に気づき、次の成長につなげる。
③成果や貢献と、給与との関係を明確にする。
そして今回、制度を考えるなかで、改めて大切だと感じていることがあります。
それが、
「会社が大切にしていることを伝える」
という役割です。
多くの会社には、経営理念やミッション、ビジョン、バリューがあります。
でも、きれいな言葉を掲げただけでは、なかなか日々の行動にはつながりません。
一方、その会社が大切にしている考え方が評価項目に入り、評価面談のたびに、
「この会社では、こういう行動を大切にしているんだよ」
と話される。
それが半年、1年、2年と繰り返されれば、少しずつ日々の行動にも影響していくはずです。
人事評価制度は、理念をポスターから日常に下ろしていく仕組みにもなり得るのだと思います。
逆に考えると、少し怖いところもあります。
たとえば、
「私たちは協力を大切にします」
と掲げている会社があったとします。
でも、実際に評価されるのは個人の売上だけ。
そうすると社員は、何を信じるでしょうか。
間違いなく、掲げられた言葉よりも、
「実際に何を評価されたか」
を見ます。
協力より個人の成果を出した方が評価されるのであれば、当然、そちらを優先する人が増えていく。
会社が何を言っているか以上に、会社が実際に何を評価しているか。
そこに、会社の本音が表れます。
人事評価制度は、社員に点数をつけるだけの仕組みではありません。
日々の行動に影響を与え、積み重なれば、その会社の組織風土にも影響していく。
だからこそ、
経営理念やミッション・ビジョン・バリューと、人事評価制度がきちんとつながっていることが大切です。
「私たちは、何を大切にする会社なのか」
それを評価制度という仕組みに、どう表していくのか。
今、そんなことをクライアントのみなさんと一緒に考えています。
