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心理学の教授に「癒し」とは何か聞いてみた

心理学の講義にて

「僕からは以上です。
 残りは質問タイムにしましょう」

心理学実験の担当教授は
柔和な表情をした若い教授。

40代で大学に編入した私よりも
教授は明らかに年下だ。

穏やかな雰囲気とはうらはらに
話し方はキビキビして
回りくどいところがなく気持ちがいい。
講義を終えても15分ほど時間が余った。

レポートの書き方や提出方法。
なかには
「確実に単位を取るために『これだけは絶対書いておけ!』ということはありますか?」
という、邪道な質問にも
「『確実』『絶対』は、ないですね」
と言いながらも
テキパキとポイントをおさらいしてくれた。

挙手がいったんおさまった。
教授は
「講義やレポート以外の質問でもいいですよ。心理学のものなら」
と言い、また複数の手が挙がった。

ふたりめに指されたのが私。
「どうぞ」

『癒し』とは何でしょうか

身体を癒すことはわかります。
『疲れを癒す』とか
『傷が癒える』と言いますし。
では、心を癒すというのは、
心理学的にどういうことをいうのでしょうか」

教授が教えてくれたこと

「なるほど。『癒し』ね。
『心が癒される』『癒し系』
なんて言いますよね。
これもさきほどの質問の『自己肯定感』と一緒で、よく聞く言葉ですけど……

まず、この話をする前提として
「心はどこにあるのか?」
について考えましょう。

心が癒される、というのは、
どこが癒されているのか。

これは、ひとことで言ってしまうと
脳です。

脳が緊張状態にある時に
五感に働きかけて脳の緊張を解く

というのが、
『心の癒し』のメカニズムだと考えます。

なので、
心を癒したいと思ったら
まず安心できる環境に身を置く。

安心できないと
脳の緊張がゆるまないですからね。

安心できる環境で
五感に心地よい刺激を与える。

美しい景色とか
心地良い音。
香り、味覚、肌触り。

五感で受け取った心地よさが脳に届き
脳がリラックスし、
それが身体全体をリラックスさせる。
その感覚がまた脳にフィードバックされる。

これが『心の癒し』。
僕からの回答は、こういう感じですね」


『癒し』の方程式

―今回はエッセイ風の導入にしてみました。
(書き続けるために、いろいろ工夫しています)

私は心理学の勉強をしようと思い立ち、
2021年の秋に通信制大学に編入しました。

通信制とはいえ
必要取得単位のなかに心理学実験があり、
大学に行って講義を受けなくてはなりません。

これは一昨年の秋から冬にかけて通学し、
講義を受けた時のエピソードです。

癒し=安心する場所+五感に心地よい刺激

この方程式を知っていると
家族や友達の元気がない時に
少しだけ力になることができます。

見晴らしのいい場所に一緒に行ったり
好きな音楽を一緒に聴いたり
プレイリストを作ってもいいですね。

何を話しかけたらいいかわからなくても
ハグをしたり
背中をさすってあげるだけで
相手の気持ちが穏やかになるかもしれません。

香りには好みがあるけれど
比較的くせのない
いい香りの石鹸やラベンダーのアロマなどを
プレゼントしてもいいでしょう。

あたたかいお茶をいれてあげたり
一緒に美味しいものを
食べに行くのも良さそうです
(食欲ではなく、あくまで味覚を満足させることが大事)

そして自分が疲れている時や
心が揺れる時に
どうしたらラクになるかもわかります。

自分の『トリセツ』を作っておいて
気持ちが沈んだ時に
『自分で自分の機嫌をとる』
ことができるのです。

この方程式、使い道がたくさんありそうです。

もうひとつあると思いませんか?

ここまで読んで
「いや、私はネットで見かけた言葉に癒されたり、小説の一場面に癒されたことがある。
あれは癒しではないのかな」
と考えた人もいると思います。

ネットや小説は目で見てはいますが
視覚が『心地よい』わけではありません。
誰かの声を聞いたわけでもありません。

ではなぜ
優しい言葉を見かけて安心したり
小説の一場面に気持ちがゆるんで
涙が出たりするのでしょうか。

それは、
癒し=安心する場所+五感に心地よい刺激
という方程式の
安心する場所
という条件に当てはまるのです。

想像やイメージの世界は
誰にも邪魔されたり、汚されることのない
自由な、自分だけのもの。

文字として飛び込んできた情報は
五感を介することなく
ダイレクトに脳の緊張をほどき、
自分の世界を『安心できる場所』に
心地よくととのえてくれるのでしょう。

文字にも癒しの力がある。
もし今、
なんとなく元気が出ない人が
これを読んでいるなら。

もし仮に
五感を満たすような条件が
たとえひとつもなかったとしても。

想像の世界は、あなたを癒してくれます。
あなたの脳も、心も、自由なのです。

続きは次回へ

ところで、教授の言葉の中で
「これもさきほどの質問の『自己肯定感』と一緒で…」
という言葉が気になりませんでしたか。

私の前に指された人の質問が
「自己肯定感を高めるには、どうしたらいいですか?」
だったのです。

自己肯定感を高める方法とは……?
この話の続きは、次回書こうと思います。

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