昼12時、吉祥寺で人間の欲望に並ぶ。いせや本店の正しい休日の過ごし方
ゴールデンウィーク。
遠出?しない。混むし高いし疲れる。
だったら答えは一つ、「うまいもん食って飲む」だ。
今日は以前勤めていた会社の人と昼飲み。
こういう再会って、だいたい夜が定番だけど、昼からってだけでちょっと特別な感じがする。
背徳感がスパイスになって、酒がうまくなるやつだ。
待ち合わせは11時50分、吉祥寺駅。
目指すはあの名店、いせや本店。駅から5分、開店12時。完璧な段取り。
…のはずだった。
店が見えてきた瞬間、違和感。
「並んでるな」どころじゃない。
ざっと見て50人以上。
昼飲みの軽やかな気分が、一瞬で“行列耐久戦”に切り替わる。
ただ、不思議と嫌じゃない。
なぜなら、ここは“並ぶ価値がある店”だと全員が知っているから。
開店と同時に列が動き出す。
この瞬間の高揚感、ちょっとしたライブの入場に似ている。

結果、10分もかからず入店。
これ、かなり優秀。いせや、回転もいい。
1階か2階かの選択。
迷わず「1階」。焼き場の空気を感じたい。
運良く2人席に滑り込み、今日は完全に流れが来ている。
まずはビール。
この一杯のために、さっきの行列はあったと言ってもいい。
枝豆をつまみながら、焼き物を注文。
カシラ、シロ、つくね、レバー、鶏皮。全部タレ。各2本。

焼き上がりを待つ時間も、またいい。
昼の光の中で飲むビールと、焼き場から漂う煙。
これだけで、だいぶ幸せだ。
10分ちょっとで着弾。
これがまた、全部ちゃんとうまい。

特にシロとカシラ。
脂とタレと炭の香りが三位一体になって、ビールを強制的に進ませてくる。
つくねは優しく、レバーはしっとり、鶏皮は罪深い。
そして追加で煮込み。
これを頼まない理由は、もはや存在しない。
安定の一皿、という言葉がこれほど似合う料理もない。
気づけば1時間40分。
昼飲みのはずが、しっかり滞在してしまった。
相手はビール2杯でフィニッシュ。
こちらもいい具合に仕上がったところでラストオーダー。
お会計は2人で5000円ちょっと。
この満足感でこの価格。やっぱりいせやは正義だ。
ゴールデンウィーク、遠くに行かなくてもいい。
うまい店に並んで、昼から飲む。
それだけで、休日はちゃんと特別になる。
ごちそうさまでした。
