#05 人間の感情は投資に向いてない
おはようございます。🐤
「新社会人のためのお金の基本」シリーズ、第5回の今日はお金を扱う時の心理です。
前回は金利の計算のお話でした。
これまで「お金は数字だから、数字の計算に強い人がお金に強くなれる」というお話をしてきました。
でも世の中を見てみると、数字や計算に強くて頭の良い人たちが必ずしもお金持ちとは限りません。
これはなぜなのでしょうか?
それは、お金を扱う時に「不安」とか「見栄」という感情が計算の邪魔をしてしまうからです。
今日はお金を扱う時に感情が入るとなぜ良くないのか説明して、感情をコントロールしてお金持ちになる方法をお話したいと思います。
人間は投資に向いてない
これは本当に意外ですが、理系の良い大学を出て計算にも強いのに、ギャンブルに熱中して貯金ができず、オルカンの代わりにワンルームマンションに投資をして失敗する人がいます。
また、昨年夏の暴落、先週末のトランプ暴落で損切りして後悔した人もいると思います。
私たちはなぜ投資で失敗するのでしょう、少し例をあげて考えてみましょう。
宝くじの秘密
Q: 100円のくじを100枚販売して、合計1万円集めてくじを作ります。1等は2000円で、当せん金の総額は4500円です。あなたはこのくじを買いたいですか?
たぶんこのくじを買いたい人はいないのではないかと思います。
なぜかというと、ぜんぶ宝くじを買い占めたときの当選金の割合(=期待値)が45%しかなくて、とても割の悪い賭けだからです。
こんなくじ買うわけないじゃん、主催者が儲かるだけじゃんと冷静なあなたは思うかもしれませんが、多くの人はジャンボ宝くじを買います。
「何かの間違いでもいいから3億円当たったらいいのにな~」と夢を見たことがない人だけがさっきの例をバカにしてください。
つまりあなたの感情は数字が苦手で、あなたの感情は必ず投資判断を間違えるのです。まずその事実を認めることが成功への第一歩だと心得てください。
投資に成功するためには感情を排除し「冷静」になることが必要です。そのために必要な知識をいくつか並べていきます。
プロスペクト理論(歪みの王様)
人間の損得の感覚を表した図があります。

同じ額だと得よりも損の方が心理的な影響が大きい(損失回避性)
金額が大きくなるにつれて心の動きが緩やかになる(感応度逓減性)
スタート時点の金額の影響を受ける(参照点依存性)
1は、人間は損を必要以上に怖れるということです。
投資すると損をするかもしれないといって投資できない
事故が不安で必要以上に保険に入りすぎてしまう
ギャンブルで負けが続くと一発逆転を狙って無茶な賭けをしてしまう
気持ちはわかりますよね、誰もが心当たりがあるのではないでしょうか。
2は、人の感覚は数字に比例しないということです。これは人間の感覚に共通して言えることで、例えば音のエネルギーが10倍になっても、感覚としては3倍程度に聞こえます。
これと同じように、人間は貯金ゼロの時に100万円もらえる喜びを1とすると、200万円もらった時の喜びは2ではなく1.5程度にしかならないのです。
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3は少し難しいのですが、すごくわかりやすい問題があるのでやってみてください。Q1とQ2でセットです。
Q1: 10万円もってゲームスタートです、次のうちどちらに参加しますか?
① コインを投げて表が出たらさらに10万円もらえる(裏だともらえない)
② 確実に追加で5万円もらえる
あなたはどちらを選びましたか?
答えを紙に書いていただいてQ1は終わりです、次に気持ちをリセットしてQ2に答えてください。
Q2: 20万円もってゲームスタートです、次のうちどちらに参加しますか?
① コインを投げて裏が出たら10万円支払う(表だと払わなくていい)
② 確実に5万円支払う
どちらを選びましたか?
では結果発表です。
このQ1とQ2はよく読み返してみると、実は同じことをしているのがわかるでしょうか。
①だとコインを投げて表が出たら20万円、裏が出たら10万円がもらえて、
②だと確実に15万円がもらえるのです。
出発点が10万円の場合は「ここから増えていくゲーム」になります。この場合多くの人が②の確実に利益を得られる選択肢を選びます。
そして出発点が20万円の場合は「ここから減っていくゲーム」になります。この場合多くの人が①を選び、リスクをとってでもできるだけ損をゼロにしようとする方向に動くのです。
実はまったく同じことをしているのに、スタート地点の違いでリスクととったりとらなかったりする心理があることがわかります。
人間心理にはこのような歪みがあることを心得てください。
現実にあった期待値173%の宝くじ
1億円買ったら平均で1.7億円が当たる宝くじがありました。

この宝くじはだいたい1570万円分買ったら1等1本を含む2700万円くらいが当たる計算になっていて、小さい金額だとリスクが大きいですが、購入金額が増えれば増えるほど当選金額の振れ幅が小さくなります。
だから10億円買ったら17億円くらいが安定して当たるというものでした。世の中にはこんな偶然もあって、それをしっかり狙って当てている人がいるということです。(詳しく知りたい人はこちら)
確証バイアス(あの子は僕のことが好きに違いない)
次の心理の歪みを紹介します。
突然小話を挟みます、私には誕生日が1日違いで同じ病院で生まれた同級生の女の子がいました。特別好みのルックスだったわけではなかったし、なんせ小さいころから見慣れているので異性と意識はしていませんでした。
ところがある日、クラスメイトから噂話を聞きます「あの子がヒヨコロのことを好きらしい」
その瞬間から、その子の一挙手一投足が気になります。
朝、あの子が目を合わせた⇒「やっぱ見てるよね…僕のこと好きなんだ」
話をすると微笑んだ⇒「これはもう確定…僕のこと好きなんだ」
逆に…
話しかけたけど無視された?⇒「意識してるのかな?…やっぱ僕のこと好きなんだ」
他の男子と楽しそうに話している⇒「嫉妬させようとしているのか?…そんなにも僕のことが好きなんだ」
もうおわかりかと思いますが、何が起きても自分に都合よく解釈して事実をねじ曲げてしまう心理です。
これは投資詐欺にはまる人の心理にも似ています。
「この投資は必ず儲かる」と思うと、つい無意識に良いニュースを探してしまうというものです。悪いニュースがあったとしても無視したり、自分の解釈で良いニュースにねじ曲げてしまうこともあります。
逆に悲観論者の場合は、一度悪いニュースを信じてしまうと、どんなニュースも自分の解釈で悪い方向にねじ曲げてしまいます。
陰謀論にはまる人の心理は、この確証バイアスで説明することもできます。
普通の人が陰謀論に落ちていく、「ようこそ!FACTへ」というマンガがとても面白くこの世界を表現しているのでおすすめしておきます。(kindle unlimitedなら無料で読めます)
現在バイアス(今がよければいい心理)
次に現在バイアスです。
バイアスとは「偏り、歪み」の意味で、「現在バイアス」とはすなわち現在を必要以上に重視してしまう傾向のことです。
これを知っていると、ダイエットとか貯金とか勉強とかそういう「将来のために、今がんばる、苦しくても」という前向きな気持ちを持ちたい時に役立つので、人間である限り絶対に誰もが知っておいた方が良い心理の歪みです。
Q: 目の前に1万円があります。あなたはどちらを選びますか?
① 今すぐ1万円をもらう
② 1年後に1万1000円をもらう
よく出題される有名な問題なので、つい冷静になってしまうかもしれませんが、これが現実に目の前に1万円をちらつかせられると、多くの人が①を選ぶと思います。
そしてそのもらった1万円で投資信託を買うとすると、実は年利10%も期待できる運用方法は無いという事実に気づきます。
つまり、投資するならほとんどの場合②を選ぶのが正解になります。冷静に考えたらそうなのですが「もらう」で感情が揺さぶられた結果、人は間違った判断をしてしまいます。
現在バイアスには「先延ばし」や「変化を嫌う」という性質もあります。
これを克服するためには、計画をたてて記録をつけることです。3週間継続すれば、次の3週間は意外に簡単に継続できます。とにかく記録を継続することです。そうするとモチベーションもわきますのでお勧めです。
サンクコスト効果(もったいない)
どんどんいきます、次の心理のゆがみは「サンクコスト効果」です。
もうだいぶお金使っちゃったしな…という心理です。
投資でいうところの塩漬け、ナンピン買いをしてしまう心理です。
もちろん良くない方向の心理なんですけど、サンクコストを逆手にとる方法もあります。例えばどうしても続かないダイエットなら、ライザップで30万円支払ってしまえば「30万円払ったんだから絶対に続けないと」と頑張る心理が働きます。
30万円払うのがどうしても無理なら、さっき現在バイアスのところで話したように記録をつけるのに時間と手間をかけること、そしてできるだけ目につくところに貼っておくこと。
「こんなに頑張った自分を無視できない」という心理が働いて、サボリ屋さんの現在バイアスを「もったいない」で退治できること間違いなしです。やってみてね。
冷静と感情の間
そして、冷静を保つために必要なのは、知識だけじゃなくて安心と健康が何より大事だということもおさえておきたいです。
カーネギーメロン大学の研究(Sheldon Cohenら)によると、風邪ウイルスに感染した人は、感染していない人よりもイライラしやすく、不安・抑うつ傾向が高かった
⇒つまり、体が不調になると、脳の感情処理も不安定になりやすい。「炎症」と「うつ・不安」はつながってる
⇒最近の神経科学では、身体の炎症反応が脳に影響を与え、ネガティブ感情を強めることが分かってきてる。睡眠不足は「感情のブレーキ」を壊す
⇒UCバークレーの研究では、睡眠不足の人は脳の扁桃体(恐怖・怒りの処理)が過剰に反応し、前頭前野(冷静な判断をするエリア)の働きが低下するっていうデータがある。
何より、健康な体があれば、「いざとなれば一文無しになっても働いて暮らせる」という安心につながります。これは何よりの保険といえます。
まとめ
それでは今日も長くなってしまいました、毎回3000文字程度におさめようと思うのですが私の書きたい欲が止められません…、まとめていきます。
お金と向き合ううえで大事なのは、まず第一に計算力です。なぜならお金は数字だからです。
でも計算力だけでは弱くて、冷静でいることがとても大事です。冷静を保つには感情を排除しないといけません。そのために必要なことをお話してきました。
宝くじを買う心理:人間の感情は基本的に計算には向かない、間違う
プロスペクト理論:間違う方向性としては、得する時には確実を選び、損する時にはリスクを負いがちなこと
確証バイアス:自分のことを正しいと思いがち
現在バイアス:将来より現在を重視しがち
サンクコスト効果:やめなければいけないのに、もったいなくてやめられない心理。でもうまく使えば現在バイアスを退治することができる
感情のコントロールは性格とか才能ではなくて、訓練で身につけることができる技術です。知識として人間心理の歪みを知っておくことで、人生を有利に進めやすくなります。
また、冷静を保ち知識を正しく使うためには、心身の安定が必要です。そのためにはストレスなく健康であることです。
つまり、たくさん説明したことを一言でまとめれば、新社会人のみなさんが今の職場を楽むことができたらそれが一番いいということです。
今の仕事を楽しんでください。ついでにヒヨコロのブログをフォローしてください。コメントをいただけたら泣いて喜びます。
それではまた~(@^^)/~~~
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