あぜ道を歩いてゆく|陽結の詩
降り続いた雨は恵みとなり
十分すぎる水を行き渡らせた田んぼは
一面の水鏡となり稲を静かに潤していた
土手から見下ろした若苗色の
整然と並ぶ格子とは違う
間近で見る稲はもう腰の丈まで育ち
背伸びをして天に向かって真っ直ぐ伸びている
もう少し経てば頭を重くして垂れるのだろう
朝露が陽に照らされて輝いている
その小さい水滴一粒一粒に
克明に映し取られた周辺の景色
やっと感じられるそよ風に
露がこぼれないよう繊細に葉を揺らす
稲穂の先に留まっていた二匹のシオカラトンボが
風の揺らぎに乗るように
そっと身を浮かせると
澄んだ夏空の彼方へと溶けていった
