メインコンテンツへスキップ
見出し画像

クルマで走る街そのものを「花博」にしてみたら

    渋滞したら江戸時代の花見の話を。ワイパーを動かしたら田んぼの話を。クルマが走っているときの状況に合わせて、花や自然、食、文化にまつわるクイズが聞こえてくる。そんな車載アプリがあれば、花博は会場の中だけでなく、街を走っている時間そのものに広がるんじゃないだろうか。「花博アプリ」の勝手案を考えてみた。


    来年2027年3月から、横浜市で花博(国際園芸博覧会)が開催される。市内ではポスターを頻繁に見かけるようになってきた。市役所職員の方の名刺にも花博のロゴがビシッと輝いている。

    車載アプリによって移動体験をリッチにする当社Bashowとして、横浜市さんには以前お世話になったこともあり、何か貢献できないかと考えてみたい。「花博の会場、ほとんど町田じゃないっすか?」と余計なことを言ってしまったお詫びの気持ちも込めて。

    ここはやはり、会場外でも花博を感じられるコンテンツで応援したい。花博のテーマは「幸せを創る明日の風景」。1000万株の花や緑を通して、来場者はじめ多くの人に、自然との共生や持続可能な社会の実現について考えるきっかけを提供する取組みだ。植物の展示ももちろんありつつ、季節の感じ方や食育、里山のあり方、江戸時代の園芸、各国の文化などが紹介される。そんな趣旨を踏まえ、花博に行きたいなぁ、でもちょっと遠いしなぁ忙しいしなぁという方もいるだろうことも踏まえ、そんな方にもぜひ花博に興味を持ってもらうことを狙って、みんな大好きクイズ形式で、「地球のことをもっと考えたくなる知りたくなる。花博に行きたくなる!」コンテンツを考えてみた。

    以下のクイズ型アプリは、横浜市内やその周辺をクルマで走行中、「花博アプリ」を起動しておくと、状況に応じてときどきクイズが出題される!という勝手アイデアだ。当社のシステムを使うと、例えば下記のような移動体験が考えられる。

    仮に花博の会場にクルマで向かっているとしよう(ご来場の際はなるべく近くの駅からシャトルバスをご利用ください。それはともかく…)。しかし会場に近づくにつれてなかなか進まない。そんなときクイズが出題される。「なかなか進みませんね。では問題です。江戸時代の人も、今の私たちみたいに、花を見るために渋滞したことがある? ○か×か?」。正解は「〇」。そして江戸の向島堤や飛鳥山での花見渋滞が解説される。

    ○×形式でなくてもいい。その日は昨日よりぐっと涼しいとしよう。それに因んで窓を開けるとクイズが出題される。「いい風ですね。今日は昨日より5℃涼しいようです。では季節の問題。「暦の上では秋」とされる立秋は、現在の暦ではだいたい何月?」。答えは「8月」。ちょっとこれだと大人には簡単だろうか。

    子ども向けのもっと易しいものがあってもいい。雨が降ってきたらクイズが出される。「外では雨が降ってきました。里山には、雨をいったん貯めて、一気に川に流れてしまうのを防いでくれる場所があります。さて、これはどこでしょう?日本中いろんな地域で見られます。ヒント!お米を作る場所です」。答えは「田んぼ」。へぇー田んぼにはそんな役割もあるんだねと感じてもらえるかも。

    エシカル消費を考えてもらうことも。例えばランチの頃合いに「そろそろお昼ですね。では食の問題。冬にトマトを食べるのと、夏にトマトを食べるのでは、同じ国産でも環境への負荷が大きく変わることがあります。その大きな理由は何でしょう?」。中学生あたりが「うーん」と悩んでくれるだろうか。回答例は「栽培に使うエネルギー」。トマトのような作物は、その季節に食べるのが一番!という会話になるかも?

    大人も悩むクイズがあってもいい。例えば近くのお店に絡めてクイズが来る。「この近くには園芸品店があります。今ならいろんな植物がお店で買えますが、新品種づくりは昔からありました。では問題です。江戸後期には突然変異による珍しい葉や花を競い合い、武士から庶民まで熱狂した植物とは何でしょう?」。答えは「アサガオ」。解説を聞いたら、なんだかアサガオがありがたいものに思えるようになるかもしれない。園芸品店に寄っていく?とか。

    車室内の雰囲気に結びつけてもいい。例えば助手席の人物が上機嫌なら(ステレオタイプながら家族やカップルでの移動の際、助手席は女性が乗ることが多いと仮定して)「助手席はご機嫌ですね。花でもプレゼントしませんか?では問題。欧米では『情熱的な愛』の象徴として知られ、中国では赤い色が幸福や繁栄を表すことから、お祝いの意味合いも持つ花は何でしょう?」。答えは「バラ」。解説の後には花博へのお誘いも入れたい。「同じ花でも文化が変われば意味が変わる。70カ国以上が参加する花博では、そんな違いも見つけられるかもしれません」

    このように、花博に関するネタ × 移動中の状況で、クイズはいくらでも考えられる。当然上記のクイズは生成AIくんに作ってもらった。まだまだある。もったいないのでちょっとだけ紹介したい。

    「ずっと同じ速度ですね。でも自然は少しずつ変化しています。『東風解凍』や『桃始笑』のように、自然の小さな変化で季節を表した昔の暦を何というでしょう?」

    「ワイパーがMAXですね。雨水は農作物を育てるためにも欠かせません。では問題。私たちが食べ物を輸入すると、実はその生産に使われた『水』も間接的に輸入していると考えることができます。このような考え方を『何ウォーター』というでしょう?」

    「横浜市に入りました。 大都市ですが、市内には農地や樹林地などの自然も残っています。ただし緑地は、バラバラに残すだけでは十分とは限りません。そこに暮らす生き物が緑地と緑地を移動できるよう、都市の公園・河川・樹林などをネットワークとしてつないでいます。では問題です。横浜市が「緑の10大拠点」としているエリアを、3つ以上挙げてください」

    いかがだろうか。このようなクイズがドライブ中にポンポン聞こえてきたら、花博に行ってみたいなぁという気持ちになるだろうか。もし、なる!という人が1割以上でもいるなら、ぜひ花博さんにスポンサーになってもらってこのような車載アプリを作りたい(大丈夫、花博全体の予算の0.03%くらいで全然できる)

    移動中とはいえ、唐突にクイズが来たら違和感があるかもしれない。でも状況に合わせたコンテンツなら自然と受け止められる。そしてそれが広告っぽくても嫌な感じはあまりしない。当社Bashowは、移動中の環境や状況に合わせて最適なコンテンツを出すシステムの構築を進めている。当然、独自のAIを使うものだ。デジタルコンテンツが移動体験を付加価値化し、移動中だからこそ関心の幅が広がる、そんな世界を創出する。

     
     
    シンクタンクの日本総研にて自動車領域の研究員を10年超務め、今後は車載アプリがクルマの価値を左右するとの旨を主張し続け、その内容を自ら実現するため2024年4月に株式会社Bashowを設立、代表に就任。近著に「自動車DXと車載コンテンツ市場」(2023年6月、KINZAI)

    あなたへのおすすめ